セレブが投資するフィットネスのAarmyは新型コロナを機にオンラインに完全移行

2020年3月、パンデミックのために広範にわたる事業所が閉鎖を余儀なくされたとき、多くのスタートアップと同様、Aarmy(アーミー)も大きな問題に直面した。

それまでAarmyは対面式のフィットネスクラスをニューヨークとロサンゼルスで提供していた。トレーナーで最高フィットネス責任者のAkin Akman(アキン・アクマン)氏、最高モチベーション責任者のAngela Manuel-Davis(アンジェラ・マニュエル-デイビス)氏とともにAarmyを創業したTrey Laird(トレイ・レアード)氏は、48時間もかからずに戦略をオンラインにシフトしたと筆者に語った。Instagram Live経由でフィットネスクラスを開始し、夏にはデジタルサブスクプログラムも立ち上げた(GlobeNewswire記事)。

AarmyはJay-Z(ジェイZ)氏、Chris Paul(クリス・ポール)氏、Karlie Kloss(カーリー・クロス)氏といったセレブ投資家やMousse Partners、Valia Ventures、Pendulum、Wilshire Lane Partnersなどのファームから出資を受けている。パンデミック前、チームはいくつかのロケーションを「コンテンツエンジン」として扱いつつ、オンライン事業の立ち上げを計画していた、とレアード氏は話した。パンデミックはそうした計画を加速させただけだった。

「すべてを完璧にする時間があると考えていましたが、それは変わりました」とアクマン氏は話した、「(パンデミックに見舞われ)突っ込んだ話をする時間はなく、待つ余裕もありませんでした。私たちは抜け出したかったのです」。

Aarmyのサブスクは月35ドル(約3600円)、あるいは年間350ドル(約3万6000円)でデジタルライブラリーすべてにアクセスできるようになる。ここにはAarmyのトレーナーとのライブセッションも含まれ、また毎週20の新しいセッションがアップロードされる。すでに「何千もの」有料会員がいる、と同社は話す。無料トライアルからのコンバージョン率は70%超で、全体の顧客定着率は88%だ。

マニュエル-デイビス氏は、Aarmyのコーチがアプローチを再考しなければならなかったことを認めた。元々計画していた「60人いるスタジオ」での撮影ができないためだ。そしていま、コーチたちは自分たち自身ですべてをこなさなければならない。彼らはスタジオにいるアスリートたちの動きに単に反応するのではなく、セッションのプラニングについて「かなり意図的になる」必要がある。

クラスの他に、Aarmyはさまざまなフィットネス用品を自社ウェブサイトやNet-a-Porterを介して販売するアパレル事業を立ち上げた。実際、副業はすでに45万ドル(約4700万円)を売り上げている。

Aarmyの全体的な戦略においてフィジカルフィットネスとメンタルコンディショニングの比重は同程度だとアクマン氏は話した。この点について同氏は、多くの人が気分の落ち込みや孤独感、「状況の犠牲者」であるという感覚への対処に苦慮しているパンデミック時代にはよく適していると指摘した。

「刺激、メンタルの強さ、そして刺激が実際の行動やワークアウトと同じくらい重要であると気づいているブランドにとって、完璧な時間でした。世界中の人とつながり、また私たちの特徴を示す素晴らしい機会となりました」とレアード氏は付け加えた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Aarmyオンラインレッスン

画像クレジット:Aarmy

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。