メリー・クリスマスと叫ぶのにはまだ少し早いが、例の戦争は終わった。AmazonとHachette Book Groupはeブックと印刷本の販売に関して「複数年にわたる合意」に達したという。この合意によれば、Hachetteはすべてのeブックに関して価格を自由に設定できる。 ただしHachetteは「低い価格に対してよりよい販売条件を得られる」という。つまりHachetteは自分で価格を設定できるが、無茶な設定をしなければ得をするらしい。
AmazonのKindle担当副社長、David Naggarはプレスリリースで、「今回の合意に、Hachetteが価格を引き下げればメリットがあるようなインセンティブの仕組みを導入できたことを嬉しく思っている。これは読者、著者をともに大きく利するものだと信ずる」と述べた。
新たな合意によるeブックの価格設定は2015年から適用となるが、AmazonはHachetteのタイトルに対する制裁をすぐに中止するという。制裁を受けていたHachetteの本は再び「目立つようにプロモーションされる」ようになる。
簡単に言えば、AmazonはHachetteに価格設定権というアメを与えたわけだ。しかしHachetteがAmazonの価格ルールに従えばメリットがあるような仕組みが導入されたことは大きな効果があるだろう。HachetteがAmazonに対して独占的な低価格でKindle版を提供すればAmazonストアのショーウィンドウの目立つ位置に飾ってもらえる、ということなのだろう。Hachetteは価格設定の自由を手に入れはしたが、やがてこれも「悪魔との契約」だったと考えるようになるかもしれない。
画像: Stephen Woods/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)