ゲームプラットフォームRobloxの月間ユーザーが1.5億人突破、2020年の開発者報酬は263億円超の見込み

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行によって利用が急増したゲームプラットフォームであるRobloxの、月間アクティブユーザー数が1億5000万人を突破した。米国の在宅避難命令が発令される前の2020年2月時点では、1億1500万人(未訳記事)と発表されていた。また同社によれば、2020年に開発者コミュニティが手にする報酬は、2019年の1億1000万ドル(約116億円)から増えて、2億5000万ドル(約263億円)を超えるペースだという。

これらの数値やその他の企業ニュースが発表されたのは、新型コロナウイルスの大流行のために初めてオンラインで開催された、Robloxの年次開発者会議(RDC)でのことだ。

はっきりさせておきたいのだが、Robloxはそのプラットフォーム上で実行されるゲームそのものは構築していない。その代わりに、App Storeと同様の開発者向けのプラットフォームを提供するのだ。最も人気のあるゲームの多くは無料だが、Robux(ロバックス)と呼ばれる仮想キャッシュを、プレイヤーがゲーム内アイテムに対して使用することで収益化が行われている。パンデミックが発生する前は、同社の大きめのゲームの中には平均で月間1000万ユーザーを数えるものもあった。また2月の時点では10以上のゲームが、10億回以上のアクセスを誇っていた。

画像クレジット:Roblox

しかしパンデミックのおかげで、これらのゲームの各数値は大幅に拡大した。

2020年の前半には、Robloxゲームの「Adopt Me!」が、同時接続ユーザー数161万5000人、アクセス回数は100億を超えた。2020年1月に開始された「Piggy」という新しいゲームは、現在50億回以上プレイされている。「Jailbreak」は、2020年4月に開催されたライブイベント中に、50万同時アクセスユーザーを超えた。

合計でRobloxプラットフォーム上におけるゲームを収益化している開発者の数は34万5000人となり、Robuxのカタログの半分以上が、ユーザー作成コンテンツ(UGC)アイテムで占められている(UGCカタログプログラムが始まってまだ12カ月も経っていない)。

Roblox開発者の収益が前年比で2倍以上になっているのは、プラットフォームの成長するゲームカタログ、新しい開発ツール、国際的な拡大(Robloxリリース)、そしてもちろん子供たちを友だちから遠ざけて屋内に閉じ込め、オンライン接続に向かわせるパンデミック、といった様々な要因の組み合わせに関連している。

とはいえ、開発者の収益増加を牽引した1つの注目すべき要因は、Robloxが最近導入したプレミアムペイアウトの導入だった。この仕組はプレミアム会員がゲームに滞在した時間に応じて、支払いをするというものだ。今年の初春に開始されたこのシステムを通じて、開発者たちはこのプログラムからだけでも2020年6月に200万ドル(約2億1000万円)を獲得した。

画像クレジット:Roblox

RDCイベントの期間中、Robloxは、拡張される開発者ツールとプラットフォームの更新計画についても詳しく説明を行った。それには、大規模な開発チーム向けの新しいコラボレーションツールも含まれている。これによって、開発者はチームメンバーならびに外注業者にゲームの特定の部分のみで作業する権限を付与することができる。また、年末までにタレントマーケットプレイスを立ち上げて、開発者がゲーム開発に役立つ人材やリソースを見つけられるようにする予定だ。

さらにRobloxは、サポートされているすべての言語(ブラジルポルトガル語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語、スペイン語を含む)に対する自動機械翻訳の提供を開始するという。この機能は、開発者たちが国内版のゲームをより簡単に海外ユーザーに届けるための役に立つだろう。

Robloxはこの夏の終わりに「Developer Events」を立ち上げると発表した。これは開発者たちが、地元のコミュニティでお互いを知るために役立つ新しいサービスだ。最初の段階では、これらのイベントはオンライン開催となる予定だが、安全に開催できるようになったら対面イベントに移行する。

同社はまた、ゲームタイトルやMarshmello(マシュメロ)やVicetone(ヴァイストーン)といったアーティストとのコラボレーションで知られるインディーエレクトロニックミュージックレーベルのMonstercat(モンスターキャット)との、初の音楽レーベルパートナーシップにも署名した。このパートナーシップにより、開発者がゲーム内で無料で使用できる51の楽曲がまず提供された。これにはドラム&ベース、シンセウェイヴ、エレクトロ、チルアウト、エレクトロニック、ブレイク、フューチャーベースなどの、さまざまなEDMジャンルの曲が含まれている。Robloxによれば、今後さらに楽曲が追加される予定だという。

「私たちの開発者コミュニティの生み出す成果は、私たちの高い期待をはるかに上回っています。Robloxプラットフォーム上に生み出されたユニークでクリエイティブな作品に、圧倒されています」と語るのはRobloxの創業者でCEOであるDavid Baszucki(デビッド・バズッキ)氏だ。「私たちが力を注いでいるのは、開発者たちがビジョンを追求しより大きく、より複雑で、より現実的なエクスペリエンスを開発し、みんなで仮想空間(メタバース)を構築していくために必要なツールとリソースを、開発者に提供することです」。

Robloxは、新型コロナウイルスの危機が米国を襲う直前にAndreessen Horowitzの後期ベンチャーファンドの主導で1億5000万ドル(約157億円)のシリーズG資金調達を行った。そのときの評価額は40億ドル(約4198億円)だった。これに先立ってRobloxは、プラットフォームをより米国外に広げ中国へと展開するために、特にコーディングカリキュラムに力を入れたTencent(テンセント)との戦略的パートナーシップ(未訳記事)と、中国語へのサポート強化に取り組んできた。またRobloxは、前記の調達資金を使って、その拡大効果をさらに強化し、より多くのツールと開発者エコシステムを構築することを計画していると述べている。

画像クレジット:Roblox

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(翻訳:sako)