サステナビリティに配慮するファッションブランドのためのB2Bマーケットプレイスを構築するNovi

これは、昔からある話だ。あなたはかっこいいパンツのブランドを経営していて、心温まる製品を作りたいと考えている。その製品の素材はフェアトレードにより調達され、持続可能な方法で栽培された原料や素材を使っている。ただ、あなたは、どこに頼ればよいのかわからない。そんなとき、Novi(ノビ)が、あなたの悩みに対する絞りたての解決策を入れたピッチャーを持って、壁を突き破ってやってくるのだ。同社はTigerDefyGreylockから新たに4000万ドル(約46億円)の小切手を受け取った。

Noviは、持続可能で革新的な原料とパッケージのB2Bマーケットプレイスだ。同社は、何千という顧客が、より持続可能な素材を使った製品を市場に送り出す手助けをしている。基本的にNoviは、サプライヤー、メーカー、小売業者、ブランドで形成されるデータ豊富なネットワークを活用し、新製品を開発する際に、持続可能で革新的な素材やパッケージを考案、発見、試供、購入することを容易にする。アイデアはシンプルだ。ブランドにとって持続可能な製品を作ることが簡単になれば、そうしないことに対する言い訳はできない。うまく運べば、私たちの行き過ぎた消費主義がもたらす負荷によって地球が燃える際の輝きを少し減らすことができる。

「キャリアの初めの頃、私は空軍に入隊し、難しい問題に取り組みたいと思うようになりました。空軍では、データサイエンティストとしてすばらしいキャリアを積んできました。そして、Eventbriteなどのテック企業でデータチームを作ることになりました」とCEOで創業者のKimberly Shenk(キンバリー・シェンク)氏は説明する。「私は2017年に妊娠し、自分が使う製品や含まれる成分を強く意識するようになりました。人間の健康や環境に対する毒性について夢中で学びました。2017年、私はこのことに取り組むために、ブランド「NakedPoppy(ネイキッドポピー)」を立ち上げました。私が持っているデータサイエンスへの情熱をすべて活かして、健康や環境に良いパーソナルケア製品を作ろうと思ったのです。実際に真に持続可能な製品を市場に出すことの難しさをすべて身をもって体験しました」。

シェンク氏は、信頼できる素材を見つけるのが難しいこと、そして、巨大で洗練されたサプライチェーン分析オペレーションを持たない小さな会社にとって、素材を評価するのは難しいことに気づいた。NakedPoppyは、その過程で発見したことを記録するためのデータベースの構築を始め、その過程で、これが新会社の始まりにつながることを発見した。そして、他のブランドも興味を示し始めた。創業者のデータへの関心と、持続可能なブランドを作ろうとした個人的な経験が交差して、Noviが誕生した。

B2BマーケットプレイスとしてのNoviの存在は、この分野での最近の大きなトレンドを踏まえると、特に興味深い。

「最も基本的なことですが、私たちはブランドが持続可能な素材を見つけ、持続可能な製品を作る手助けをしています。私たちはそれをB2Bマーケットプレイスとして行っています。また、サプライヤーが素材、例えば原料、香料、パッケージなどをリストアップしてくれるため、豊富なデータが手に入ります」とシェンク氏は説明する。「信頼できる第三者として、私たちはサプライヤーが気にかけているであろうさまざまな基準について素材を評価するため、ブランドは持続可能性への影響の観点から信頼できる素材を見つけ、より良い製品を作ることができるのです」。

同社は、いくつかの異なる方法でデータを収集している。化学製品のサプライヤーなど、ビジネスの供給側には、データを収集するのが得意なサイエンティストが豊富に存在するが、データを保存したり、関係者に配布したりする体系的な手段がない。そこでNoviの出番となる。同社が情報をデジタル化し、分類する。また、認証機関と連携し、生分解性、ビーガン、フェアトレードなどの認証を取得しているものを把握することもできる。さらに、持続可能かどうかを測定・利用するためのデータソースもあり、それも同社の巨大なデータベースに蓄積されている。

NoviのCEOで創業者のキンバリー・シェンク氏(画像クレジット:Novi)

「Novi以前は、ブランドは何週間もかけて素材を探し出し、複雑な業界基準を満たしているかどうかを判断するために、さまざまな素材に関する資料を読み解いていました」とシェンク氏はいう。「Noviは、こうしたデータをすべて収集、消化、デジタル化し、刻々と変化する基準や主張に対してリアルタイム性と正確さを保証します。これにより、ユーザーは持続可能性に関する調達の意思決定をより効率的に、自信を持って行うことができるのです」。

もちろん、データを扱うどんな分野でもそうだが、これはGIGO(garbage in, garbage out、ゴミを入れたらゴミが出てくる)というゲームだ。木材のパレットに「持続可能な方法で栽培された」と書かれたステッカーを貼って終わりにするのは簡単だが、これまでのところ、ブランドがそれ以上に深く調べるような動機付けはあまりない。Noviは、この状況を変えたいと考えている。

「当社は評価の正確さを保証しますが、もしサプライヤーがデータを改ざんしたら」とシェンク氏は言いつつ、認証に関わる情報量の多さから、実はデータを改ざんするのはかなり難しいことだと主張する。「それは、当社が単独で解決できることではありません。もちろん、責任を持って調達されたパーム油を認証している認証機関はあります。しかし、実際に良いことをしているサプライヤーを評価し、より良い素材を求めているブランドの目に留まるようにすることで、業界を変えることができるのです」。

Noviは正確な数字は開示したくないものの、Croda、Grove Collaborative、Sephora、Targetなど多くのブランドと取引しており「数千」の顧客がいると主張している。

同社は、新しい資本を投入し、進化する持続可能性の主張に対応する新しい技術を市場の両側で開発し、原料、香料、パッケージの品揃えを充実させ、ホームケアや食品などNoviから見てすでに成長が始まっている分野への新規参入を図る予定だ。

画像クレジット:Novi

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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