中小企業の融資に関わる銀行業務で、マネーフォワードが与信サービス分野へ乗り出す一歩を踏み出した。
個人・法人向けのサービスを展開するFintechスタートアップのマネーフォワードは今日、新サービス「MFクラウドファイナンス」を夏に提供すると発表した。住信SBIネット銀行や静岡銀行など10行と資本業務提携(もしくは業務提携)し、ビジネス向けクラウド型会計ソフト「MFクラウド会計」などのデータを活用する。
具体的にいうと、MFクラウド上の会計データを金融機関が閲覧できるようになるので、従来の書類審査に比べて大幅に効率化される。MFクラウドシリーズのユーザーは金融機関からの資金調達を従来よりも短期間で手間なく行える。マネーフォワードでは、データの信頼性向上のために会計事務所との連携も進めるという。
今回の資金調達サービスの対象利用ユーザー層は主に中小企業。企業規模は一概にいえないものの、マネーフォワードは「数百万円程度のトランザクションファイナンス」がターゲットとする層」となると説明している。
提携金融機関からみると、クラウド上に蓄積された日次の財務データ、入出金データ、請求データなどのリアルタイム性の高いデータを活用した新しい審査が可能となる。つまり、最初の一歩こそ審査処理にかかわる事務処理のオンライン化ということになるが、まず年内をめどに与信審査の自動化を目指すという。さらに、従来と異なる審査モデルの開発を進めれば、従来の与信の枠組みで貸付を行えなかったような中小企業などへの貸付など、金融機関から見た場合には資金提供先の拡大を期待できるだろう。
マネーフォワードと競合するクラウド会計の「freee」も銀行との連携は進めているし、銀行API開放の機運も高まっている。こうした企業の会計を可視化したプラットフォーム上での付加価値サービスは今後も増えそうだ。
今回、資本業務提携を発表したのは以下の金融機関:
静岡銀行/山口銀行/もみじ銀行/北九州銀行/東邦銀行/クレディセゾン
同じく業務提携を発表したのは以下:
住信SBIネット銀行/群馬銀行/滋賀銀行
連携する金融機関は以下:
みずほ銀行/GMOペイメントゲートウェイ