中国の自動車メーカーGeely Automobile Holdings(浙江吉利控股集団)の配車部門であるCao Cao Mobilityは38億人民元(約650億円)のシリーズBラウンドを発表した。同社が出した声明文(中国語)によると、調達した資金はテクノロジーのアップグレードと車両の拡充に使う。
現地時間9月6日に発表した新たな資金調達により、Cao Caoの累計調達額は約50億人民元(約850億円)になった。蘇州市相城区が出資する投資会社Suzhou Xiangcheng Financial Holding GroupがシリーズBラウンドをリードし、Suzhou High-Speed Rail New City Group、その他国営企業3社も参加した。
今回の資金調達はCao Caoの最大のライバルであるDidi Globalがトラブルのまっただ中にある中でのものだ。中国の配車アプリDidi Globalは現在、中国政府によるサイバーセキュリティ調査を受けている。そして、一時的に中国のアプリストアから削除されていて、これは同社の株価の急落を引き起こした。Didiは中国で定番の配車サービスであり、同社の挫折は同業他社がその穴を埋める乗っ取りを生み出す。
現在、国内62都市で利用可能なCao Caoの2021年7月の乗車は32%増えた。同月、Didiは中国のアプリストアから排除された。運輸省によると、eコマース大企業Meituanの乗車も7月に24%増えた。しかし、MeituanとAlibabaの配車・ナビゲーション部門のAmapはDidi同様、中国政府に「公正な競争を歪め、ドライバーと乗客に不利益をもたらしている」と非難されているとBloombergは報じている。
配車サービス業界の他のすべての事業者も政府の調査に苦慮しており、Cao Caoは公正に事業を行う限り、さらに成長してマーケットシェアを広げられる立場にある。
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画像クレジット:Cao Cao Mobility
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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi)