暖房としても使えるコンピューターサーバーで7億円超を調達したQarnot

フランスのスタートアップQarnotは、資金調達ラウンドで650万ドル(約7億500万円)の資金を獲得した。同社はちょっと変わった機能を持ったヒーターとボイラーを製造している。それらはコンピューターを搭載しているのだ。そしてコンピューターを熱源として使う。さらにQarnotは、そうしたちょっと普通ではないサーバーの上でタスクを走らせて、そのコンピューティングパワーも活用する。

今回の資金調達ラウンドに参加したのはBanque des Territoires、Caisse des Dépôts、Engie Rassembleur d’Énergies、A/O PropTech、それにGroupe Casinoの各社だ。

データセンターを設計する際には、電気をコンピューティングリソースと熱に変換することになる。データセンターは、強力な冷却メカニズムとして熱を取り除くための巧妙な新しい機構を常に求めている。

Qarnotのデータセンターは、熱と戦うのではなく逆に熱を利用している。同社が最初に作ったのはコンピューティングヒーターだった。つまり、サーバー機能付きの電気ヒーターだ。同社はこうした機器を、新築の建物の暖房器具を探している建設会社に売り込んでいる。

こうした建物に住んでいたり、そこで働いている人たちはヒーターを直接操作したり、モバイルアプリを使って暖房をコントロールできる。現在、約1000戸の賃貸住宅がQarnotによって温められている。

コンピューティングパワーの利用についてはBNP Paribas、Société Générale、Natixisといった企業が、それぞれのニーズに応じてサーバーをレンタルしている。またIllumination Mac Guffでは、このプラットフォームを使用して、アニメーション映画の3Dモデルをレンダリングしている。

暖房は季節の影響を受ける。そこでQarnotはスケーラブルなボイラーシステムも設計している。このボイラーでは、CPUサーバーまたはCPUとGPUを組み合わせたサーバーを1つにまとめている。さらにQarnotはGroupe Casinoと共同で、コンピューターラックで倉庫を温めるベンチャーも創立した。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)