株のようにスポーツトレカに投資できるAltが代替資産市場の勢いに乗って33.8億円調達

代替資産市場はパンデミック前に有望だったが、既存の資産クラス(株式や債券など)との間で幅広いラリーが展開され、この分野で価値を追求して増やしている投資家の数は爆発的に増えた。それは特異なコミュニティにバイヤーを引き込むプラットフォームを構築するスタートアップにVCからかなりの資金が流入する事態を引き起こした。

Altを紹介しよう。この若いスタートアップは、実物のスポーツトレーディングカードで専門性を確立したかなりホットな分野に興味をそそられたトップの投資家から3100万ドル(約33億8000万円)超を獲得した。同社はカード、取引認証、何千ドル(数十万円)もつぎこむカードが偽物でないという安心感をバイヤーに与えるためのGOATのようなマーケットプレイスを提供している。NBAのTop Shotのようなサービスがブロックチェーン時代のデジタルトレーディングカードで新世代のバイヤーを呼び集めているが、その成功は従来の収集品マーケットが最近集めている興奮によってもたらされたものだ。

スポーツトレーディングカードを何年も集めたAltのCEOであるLeore Avidar(レオレ・アビダー)氏は、自身が執着するものについて多くの人が語れるようにでき満足している。スポーツカードコミュニティの多くの人と同様、アビダー氏はカード収集やオンラインフォーラムの参加に何年も費やしたが、スポーツトレードカードの収集は少々マイナーであるため、友達や家族とずっと共有できなかった趣味だった。今日ではそんなことはない、とアビダー氏は話す。かつてのカードコレクターが年季の入ったコレクションのほこりを払ってマーケットに再参入し、うなぎのぼりの価格にそそられた新規のコレクター、そしてオンラインでつかながっているコミュニティも拡大している。

「私はコミュニティの多くの人と話をしました。私が好きなことの1つはトレカ収集が世代にまたがっている点です。多くの子どもや親が一緒に収集しているのを目にしています」とアビダー氏はTechCrunchに語った。

マーケットがこれまでよりも主流になるにつれ、Altのようなプラットフォームも投資家の関心をこれまでに以上に目の当たりにしてきた。数カ月間を置いてAltはマーケットで役割を獲得することに飢えている投資家から2つの資金調達を完了させた。First Roundがリードしたシードラウンド、そしてRedditの共同創業者Alexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏の新会社Seven Seven SixがリードしたシリーズAラウンドだ。他のAltの投資家は、John and Patrick Collison(ジョン&パトリック・コリソン)氏、Kevin Durant(ケビン・デュラント)氏、SV Angel、BoxGroup、Sue Wagner(スー・ワグナー)氏、Jeff Morris(ジェフ・モリス)氏のChapter Oneなどだ。

画像クレジット:Alt

Altのプラットフォームが代替資産業界で透明性と流動性を増やし、株式の売買ができるようにしたRobinhoodのプラットフォームのように資産の購入を簡単にすることをアビダー氏は願っている。このマーケットをつかんでAltのプラットフォームに持ってくるための同氏の戦略は、他のサイトよりも手数料体系を大幅に下げるというもので、Altは手数料込みのトータル販売価格の1.5%を徴収している。

扱うカードの認証に加えて、Altはトレーディングカードマーケット特有のインフラを構築しなければならなかった。物理的カードを持っていることにそれほど関心がなく、むしろカードを失くしたりそのうちダメージを受けたりすることを心配するユーザーは、カードの物理的劣化によりカードが価値を損なうことがないよう、所有するカードを温度と光が管理されたAltの金庫に預けることができる(有料)。そしてコレクターの人気を集めるであろうとアビダー氏が予想しているAltの主な特徴の1つが、ZestimateのようなAlt Value ratingだ。カードの買い手と売り手は、過去の取引とトレンドの成長指標に基づいて、カードの市場価値がどの程度なのかを詳しく知ることができる。

チームはスポーツトレーディングカードでAltマーケットを立ち上げたが、マーケットプレイスが成熟するにつれて、アビダー氏は成長が見込める分野として時計、スニーカー、アートといった他の代替資産にも拡大する計画だという。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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