告知の通り、今朝の発表はWindows 10が主役だった。Microsoftは、本日のカンファレンスをアートに焦点を当てたOSのアップデート内容の発表から始めた。来年の春、無料でアップグレードを提供する予定の「Windows Creators Update」は、3Dのためのツールを一式用意している。Microsoftの拡張現実、仮想現実分野への積極的な取り組みを表しているアップグレード内容だ。
「みんなの3D」や「人類の発展は人々のクリエイティビティが支えている」といったMicrosoftの大胆な宣言と共に発表が始まった。今回のアップデートは、Microsoft Paintの新バージョンを軸に構築しているようだ。数週間前、Microsoft Paintについてのリークがあったが、今回往年のシンプルなPaintの基本ツールに、Microsoftが提供するHoloLensやMinecraftとの親和性を考えた、作品に奥行きを持たせる新機能が加わった。
その名も「Paint 3D」といたってシンプルだ。ユーザーは、ボタン1つでお絵描きを3Dにすることができる。Paintの期待を裏切らず、誰でもシンプルに使うことができる。しかし、同時に驚異的だ(少なくともデモは)。2Dで落書きした雲が3Dの落書きした雲になる。スタンプツールでは、3D作品に2Dの模様をスタンプしていくことができる。また、Microsoftが3Dモデリングのソフトウェア企業SketchUpとパートナーシップを締結したおかげで、ユーザーはSketchUpにある3D素材を使って作品を作ることができる。作り終わったらコミュニティーと共有したり、ソーシャルに投稿したりすることができる。
また、イベントではWindows Capture 3Dの発表があった。これはモバイル端末で3Dスキャンするためのアプリで、ユーザーはスキャンしたい物の周りを歩いて、3D撮影をする。ステージでは砂のお城の模型で実演していた。デモでは、Windowsのモバイル端末(HP Elite X3)を使っていたが、Microsoftは将来的に「どのモバイル端末」でも使用できるように展開すると素早く付け加えた。Microsoftのモバイル端末は、残念ながら十分にユビキトスではないからだろう。
Microsoftは、これは3D分野における取り組みの始まりに過ぎないという。Paintの他にも広く利用されているプログラムに3D機能を加える予定だ。追加するプログラムで最も上にあるのは、パワーポイントだ。ユーザーはMicrosoftのスライド作成アプリに3D画像を取り込んでスライドを制作したり、2Dだとうまく配置して見せることができない物でもきれいに提示できるようになるという。
もちろん、MicrosoftにとってHoloLensの役割も重要だ。Microsoftは、Paintで制作した作品をEdgeブラウザにインポートして、HoloLens端末で観れる様子を実演した。ヘッドセットは他にも日々の生活の中でも機能的に利用できるようになるという。例えば、インテリアのデコレーションであれば、椅子を部屋に配置して、その様子を見ることができる。OclusやViveといったVRヘッドセットで見たサードパーティーのデモにあるものと似ていた。
Microsoftはジェネリックな無名のVRヘッドセットでも、旅行ツアーのデモを行った。MicrosoftはWindows 10のアップデートの展開とともに、HP、Dell、Lenovo、Asus、Acerといった複数のハードウェアメーカーとパートナーシップを組んだことを発表した。OculusやHTCといったヘッドセットよりお手ごろ価格のヘッドセットを提供したい考えだ。価格は299ドルからを想定している。
ゲームもMicrosoftにとって重要分野だ。Creators Updateにはゲームプレイのライブ配信機能が直接組み込まれている。コメントしたり、プレイヤー間でインタラクションしたりすることが可能で、数ヶ月前にBeamを買収した大きな理由はこの機能の実装のためだろう。ユーザーは他にも独自のトーナメントを作成することができる。イベント、ゲームモード、時間などを設定し、XBox Live経由で友人を招待することが可能だ。
Windows 10 Creators Updateにとってコンテンツが共有できることの価値も大きい。新しい「My People」機能では、親しい人の連絡先をツールバーに表示し、ドラッグ&ドロップするだけでコンテンツをとシェアすることができる。まずはSkype、メール、Xbox経由でシェアができるという。
初期段階の「世界最大のコラボレーティブ・ソフトウェア・プロジェクト」は、今週からWindows Insiderでローンチする予定だ。
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(翻訳:Nozomi Okuma /Website)