Appleは、オーストラリア拠点の補聴器メーカー、Cochlearと提携して、初のiPhone対応人口内耳(インプラント)を提供する。
6月に米国食品医薬品局(FDA)の認可を得たCochlearのNucleus 7 Sound Processorは、対応するiPhone、iPad、iPod touchの音を補聴器に直接送り込めるようになった。
本システムは、体内に埋め込まれた人口内耳でも、iPhoneの音を制御、カスタマイズして聞くことができる。
iOSアプリで音声やその他の機能を制御できるインプラントや補聴器は他社からも出ていて、Nucleusにも同様の機能を持つ専用アプリがある。しかし、Cochlearの最新機種はiPhoneそのもので制御が可能で、アプリをダウンロードする必要がない。
アメリカ人の5000万人以上が、何らかの原因である種の聴覚損失を経験している。Appleはこの聴覚損失問題にいち早く着目し、数年にわたり社内で補聴器プログラムの開発を続けてきた。
Appleはすぐにプロトコルを開発し、補聴器やインプラントのメーカーが製品に利用できるように無料で提供した。
「世界中どこででも使えるものを提供したかった」とAppleの国際アクセシビリティポリシー&イニシャティブ担当シニアマネージャー、Sarah Herrlingerが本誌に語った。「当社のテクノロジーを使う人全員が『私のiPhoneはこれまで使った中で最高のテクノロジー製品だ』と言ってくれることを願っている。毎回のOSアップデートの目標は、新しいアクセシビリティ機能を追加して、世界中の人たちに届けられるサポートを拡大していくことだ」。
Cochlearインプラントの制御機能を利用する方法は比較的簡単だ。この新しいNucleus 7 Sound Processorを始めとするiPhone対応補聴器の利用者は、iPhoneの設定アプリで「一般」「アクセシビリティ」をタップする。下方にスクロールしていくと「ヒアリングデバイス」があるのでタップすると対応するデバイスがBluetooth設定画面と同じように表示される。これで補聴器はiPhoneとペアリングされる。
ヘッドホンやその他のBluetooth対応機器とまったく同じように、インプラントがペアリングされると、iPhoneの音量コントロールを通じて制御できるようになる。たとえば、電話がかかってくれば、インプラントに設定した音量で声が聞こえる。
新しいNucleus 7は、バッテリー寿命が長くかつ小さく、前機種のNucleus 6 Sound Processorより24%軽くなったので、聴覚損失のある小さな子供にも最適だ。
「Nucleaus 7 Sound Processorが認可されたことは、聴覚損失のある人々にとってのターニングポイントです。電話をかけ、高音質のステレオサウンドで音楽を聞き、ビデオを見てFaceTimeでつながる。そのすべてが直接Cochlearインプラントを通じてできるようになります」とCochlear CEO Chris Smithが声明で言った。「この新しいSound Processorは、聴覚損失のある人たちが世界とつながり充実した生活を送る手助けをするという、当社の長年の公約に基づくものです」。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )