Autodeskといえば、デスクトップソフトウェアや従来型の製造を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、同社はその印象を変えるべく普段の努力を続けており、本日1億ドルのForge Fondから行う最初の3つの投資として、3Dロボットドローン企業、オンデマンドのマシンショップサービス、スマートコネクトされたIoTデバイスのプラットフォームを発表した。
1982年創業のAutodeskは、事業再興の道を模索してきたが、その1つが昨年末にローンチされたクラウドベースのForge開発プラットフォーム と、同社がそのプラットフォームで興味深いアプリケーションを作成するための1億ドルの資金だった。
Autodeskは今週、同社初となる Forge DevCon開発者会議を開催するが、これらの3つの企業は、明らかに平凡な1980年代のCADソフトとは一線を画した存在となるだろう。
3D Robotics、MakeTime、Seeboの3社は、すでに設立からある程度の期間が経過している。中でも3DRの創立は2009年で、これまでに1億2600万ドル以上の資金を調達している。AutoDeskは各社への投資額を明らかにしていない(著者が質問したが回答は得られなかった)が、3社にはForgeプラットフォーム上に新しい機能を構築するという共通項がある。
Forgeプラットフォームは、進化する一連のAPIからなり、この3社のような開発企業がAutodeskのサービスにアクセスできるようにする。たとえば3D Roboticsでは、ドローンで写真を撮ってその写真をAutodesk 3D Mesh APIを使って3Dメッシュに変換するために使っている。
MakeTimeは、プロジェクトとダウンタイムのあるマシンショップをマッチングするサービスを運用している。これには、設計図をさまざまなフォーマットに変換する必要があり、それを実現するために多種多様なAutodesk APIツールセットを使用している。
Seeboは、デザイナーが任意の製品をコネクテッドデバイス化するために、簡単にセンサー、GPS、加速度計などの部品をデザインに追加する手段となるSaaS(Software as a Service)を提供している。Seeboはプラットフォームに組み込まれたFusion IoT APIを活用している。
これらの企業(およびその他の企業)だけではプラットフォームに十分な数の開発者を引き寄せられなかったとしても、AutodeskはプラットフォームAPIへの無料アクセスと、カンファレンス後90日間無制限のAPI利用権という、極めて気前のよいオファーを用意している。無料期間後は、月間400ドルからの利用量に応じた料金体系が適用される。
すべてが魅力的な要素ではあるが、それを支えるモチベーションは、企業にプラットフォームの使用を奨励することであり、最終的にはモノづくりの将来においてAutodeskが繁栄する助けとなってもらうことだとAutodeskのクラウドプラットフォーム担当VPのScott Reese氏は言う。
Autodeskは、いつまでも20世紀の世界を生き続けることはできないことを明確に理解しており、3D製造を改善するためのクリエイティブなアプローチであるProject Escherは、同社が変化する世界に対応していけるように設計されている。
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(翻訳:Nakabayashi)