今日(米国時間4/9)、MicrosoftとDropboxはすでに親密な関係をさらに強化する新しい提携を発表した。ユーザーはウェブのOffice Onlineを利用してDropbox上のOfficeファイル(Word、PowerPoint、Excel)をブラウザから開き、自由に編集できるようになった。
これまでもデスクトップのOfficeアプリから直接Dropboxのファイルを開くことができたが、そのためにはユーザーはOfficeがインストールされているコンピュータを利用しなければならなかった。オンライン編集が可能になったことでユーザーはビジネスセンターやインターネットカフェなどのマシンでDropboxのOfficeファイルを編集できるようになり、自由度が大幅に増した。
Dropboxのブログ記事によれば、新機能を利用するためには、ファイルをプレビューしたときに表示される“Open”ボタンをクリックすると、「Office Onlineを利用してブラウザから編集」というオプションが現れるという。このオプションが利用できるのはOffice 365のライセンスを持つDropbox for BusinessのユーザーおよびDropbox Basic、Proのユーザーだ。ただしBasic、Proのユーザーは、事前にOffice Onlinのアカウントを作っておくことが必要だ。Office Onlineは無料版でよい。Microsoftにアカウントを登録するだけで無料版のアカウントが作成できる。
今回のアップグレードの意味は大きい。これまでウェブ版のOfficeのユーザーはDropbox内のOfficeファイルをプレビューすることはできても編集は不可能だった。Dropbox BusinessのユーザーはDropbox Badgeというコラボ・ツールでWordやExcelファイルをオフラインのOfficeアプリ開き、他のユーザーと共同で編集することができた。新しい統合機能のおかげでホーム・ユーザーもビジネス・ユーザーも簡単にブラウザ上でOfficeファイルのオンライン編集ができるようになった。
新機能は今日から有効となる。
なお、既存ファイルの編集だけでなく、Office Online内からDropboxへ新ファイルを保存することも可能だ。
Dropboxによれば、現在Dropbox上には350億のOfficeファイルが保存されている。Microsoft のOfficeユーザーは12億、 Office 365のHome、Personalのユーザーは9200万だという。今回の統合はDropboxユーザー数百万の利便性を向上させることになるだろう。これはGoogle DriveなどOfficeに似た生産性アプリを備えたクラウド・ストレージのライバルに対する少なからぬ優位性となる。
MicrosoftとDropboxが最初の戦略的提携を発表したのが、2014年11月だった。このときにはOffice文書がDropboxのモバイル・アプリから編集可能になり、またOfficeアプリから Dropboxに保存した文書が開けるなどOfficeのDropboxサポートが向上した。
ただしMicrosoftはOfficeの活動場所を拡大するにあたってDropboxだけと提携しているわけではない。さる2月にはiCloudやBoxなどのクラウド・サービスとも広汎な提携低関係を結んでいる。
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)