英語(US)モードでFacebookを使っていて、ベータ版登録を行なっていない人にも、いよいよグラフ検索(Graph Search)がやってくるようだ。米国時間の月曜日から徐々に公開が始まり、数週間のうちに対象者すべてに公開されるようになる見込みだそうだ。
Facebookの話としてABC Newsが報じているところによると、「6ヶ月ほどのクローズドテスト期間を経てきたグラフ検索が、いよいよ今週のうちに数億人程度の人に公開されることになる」とのこと。
グラフ検索のベータ版がリリースされたのは1月のことだった。発表にあたってCEOのMark Zuckerbergは、これまでのウェブ検索とは全く異なるものだと話していた。「ウェブ検索では、やや抽象的な質問を投稿して、求める答えが含まれる可能性のあるリンクを見つけるという流れになっています。グラフ検索では、より具体的な内容で検索を行います。そして戻ってくるのは答えがあるかもしれないリンクではなく、答えそのものが戻されることになります」という内容だった。
発表イベントで示された例としては「スターウォーズおよびハリー・ポッターに興味を持っている友だち」とか、「友だちがとった国立公園での写真」といったものだった。どちらかと言えばありきたりなものだが、当然に、ベータテスターたちがより進んだ利用法を開拓していった。Actual Facebook Graph SearchesというTumblrサイトに多くの用例があがっている。たとえば「売春好きの既婚者」とか「人種差別的な雇用主」などといったものが登録されている。
冗句ネタもあるわけだが、Actual Facebook Graph Searchesは、グラフ検索で問題になりそうなプライバシー問題にもスポットを当てている。グラフ検索を利用する人が増えるに連れて、プライバシー問題もいろいろと出てくることになるだろう。グラフ検索を使えば、より古いコンテンツにも注目が集まることになり、プライバシー設定を見直す必要が出てくる人も多くなるに違いない。昔のバツの悪い写真が掘り出されたり、連絡先情報を抜き取られたりするような人も出てくるかもしれない。
ともかく、グラフ検索はFacebookにとっては需要充足型(demand-fulfillment)広告の展開にとっても非常に重要なプロダクトになる。但し、収益化については慎重に行なっていく予定にしており、モバイル版での展開時期についても未定であるとしている(現在はウェブ上でのみ利用することができる)。但し、グラフ検索の収益化については慎重であるとはいっても、Facebookは11億超の利用者が生み出すデータを、より効率的に利用できるようにしようとする取り組みは大いに進んでいるようだ(登録していない利用者のデータまで活用しようとする動きもある)。こうした動きはビデオデータについても活発で、ビデオ(Instagram Videoを含む)からさまざまな情報を取得する機能について特許も取得している。
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(翻訳:Maeda, H)