Facebook、アプリの再エンゲージメントにApp Linksを利用開始

App Linksは、Facebookのデベロッパーがアプリ内の特定コンテンツにリンクしやすくするためのしくみだ。それが、Facebookから自分のアプリにユーザーを誘導したいデベロッパーにとって、さらに便利になる。

今日(米国時間7/1)のブログ記事でFacebookは、デベロッパーがApp Linksを使って、Facebook内広告から直接アプリの特定場面に送り込めるようになることを発表した。ただし条件がある。今のところその広告を配信できるのは、Facebookの優先マーケティング・デベロッパーだけだ。

本誌のJosh Constineが今年のf8デベロッパーカンファレンスのまとめに書いているように、FacebookがApp Linksを提供したのは、再エンゲージメント広告を売るためであることは明らかだ。すでにデベロッパーたちは、Facebookのモバイルアプリ・インストール広告が大量のダウンロード ― 4月時点で3.5億回 ― を生むことを知っているので、Facebookは彼らのその新しい発見に乗じて、ユーザーエンゲージメントでも主要な手段になろうとしている。

ターゲット広告を嫌う人は多いが、この場合のユーザーにとっての利点は、広告から、アプリ内で自分に興味のある部分に直接飛んでいけることだ。アプリの中で探す必要がない。

多くのユーザーが、アプリをインストールした後、興味を失って二度と戻ってこない。再エンゲージメント広告なら、インストールしたアプリの広告を後日Facebookで見て、「今すぐインストール」ではなく、興味のありそうなコンテンツに直接行けるオプションが表示されるかもしれない。

もちろんApp Linksが有効なのは、Facebookのモバイルアプリ・インストール広告だけではない。App Linksを利用しているデベロッパーは、他のユーザーがシェアしたリンクやFacebookページ、さらには他のアプリをクリックしたユーザーを、自社アプリの特定位置に飛ばすことができる。現在Facebookは、f8で発表したFacebook Audience Networkを通じてアプリ内広告を販売していることから、Facebook広告からに限らず、アプリのエンゲージメント増加全般の恩恵を受けることができる。

ちなみに、モバイルアプリのインストールや再エンゲージメント広告でビジネスを拡大しているのはFacebookだけではない。昨日Twitterは、自社のモバイルアプリで両タイプの広告を世界展開し始めた。さらに同社は、モバイル広告のスタートアップ、TapCommerceを買収した。TapCommerceは、既にインストールしているアプリへユーザーを連れ戻すことに特化した会社だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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TechCrunch Japan

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