Googleの今日(米国時間7/30)の発表によると、同社はVRプラットホームDaydreamにChromeブラウザーを持ち込み、そのヘッドセットからWebを閲覧できるようにするつもりだ。デスクトップとモバイルのChromeにおける、GoogleのWebVRの実験はもうかなり長いから、ついにそのときがきたという感じだ。
同社の発表によると、その実験が始まったのは2017年のGoogle I/Oカンファレンスからというから、確かにかなり長い。
Daydreamの大型アップデートの歩みが遅いのに対してFacebookのOculusは、新たに登場したスタンドアローンのヘッドセットを中心に、とくにモバイル方面で大きな発表が相次いだ。Daydreamは夏の初めに位置追跡機能のあるヘッドセットをLenovoと共に発表したが、コンテンツの不足がその足を引っ張っている。しかしWebの一部をDaydream対応にできたら、その問題も解消し、しかも多くのモバイルデベロッパーの関心をWebVRに向けることになるので、コンテンツの発見をもっと単純化しようとしているGoogleにとってさらに追い風が吹く。
昨年同社はWebVRのコンテンツをスマートフォン上のChromeで開き、それをCardboard(ボール紙製)ヘッドセットで見られるようにした。それによって、VRの中で何かをローンチしたり、探検したり、ほかのところへ移動したりが、できるようになった。
デスクトップのWebページをVRヘッドセットにロードできるようになったからといって、何かすごいことが起きるわけではないが、Googleが行なう最適化によって、WebVR対応ではないふつうのページでも、“シネマモード”と呼ばれる特殊効果をつけられる。ほかにも、匿名モードや音声検索、ユーザーが保存したブックマークへのアクセス、などの効果・機能がある。
[VRでWebを閲覧するとどうなるか]
そのブラウザーはLenovoのMirage Soloや、Google自身のDaydreamヘッドセットViewで利用でき、またAndroid上でChromeをアップデートしてもアクセスできる。
Webは仮想現実にとって、まだまだ未開の大陸だ。ヘッドセットは大衆的普及にはほど遠いし、最近はVRそのものがやや沈滞している。でもWebという要素が加われば、ソーシャル環境の仮想化などで面白いことができそうだし、VRに熱心な各社の中で今回Googleがブラウザーをヘッドセットに持ち込んだことは、デベロッパーの関心を再び呼び覚ますのではないだろうか。