このところテクノロジー企業に対する、顔認識技術に関する強力な規範の要請が厳しい。先頭を切ったMicrosoftは厳格なポリシーを約束し、そのほかの企業にも同社の後に続くことを求めた。
そしてGoogleのSVP Kent Walkerは、アジアの医療に人工知能を活用することの利点を挙げたブログ記事の終わりの方で、同社が顔認識技術のAPIを売らないことを確約している。そして彼は、この技術の悪用を心配する声を列挙している。
Walkerは曰く: “顔認識技術は、行方不明者を見つけるなど、さまざまな良いアプリケーションの可能性がある。しかし多様な使い方のあるそのほかの多くの技術と同様に、顔認識技術の利用には細心の注意が必要であり、一定の原則と価値観に従う必要がある。そしてそれにより、悪用と有害な結果を避けなければならない。われわれは今後も多くの企業との協力関係を継続して、これらの課題を特定し対策を講じなければならない。そして一部の他社と違ってGoogle Cloudは、重要な技術的および政治的疑問がクリアされるまでは、顔認識の汎用APIを外部に提供しないことを選んだ”。
GoogleのCEO Sundar Pichaiは今週のThe Washington Post紙のインタビューで、AIの倫理をめぐる同様の懸念の高まりについて述べた: “テクノロジーは、とにかく作ってだめだったら直す、という従来のやり方をやめるべきだ。そんなやり方は、もうだめなのだ。長期的には、人工知能は核よりもずっと危険なものになりえる”。
顔認識技術をめぐって、とくにそのプライバシー問題と人種差別的問題を批判してきたACLUは、ピチャイの声明を賞賛するとともに、大企業に対しては今後も圧力をかけ続けなければならない、と言っている。
ACLUのテクノロジー担当部長Nicole Ozerが声明で述べている: “Googleが人権を侵害する顔監視プロダクトを今後も作らないし売らないようにするために、継続的に圧力をかけ続ける必要がある。またAmazonやMicrosoftに対しても、危険な顔監視技術を政府に提供しないよう、これから何度も呼びかけていく必要がある。企業には、自分たちの製品がコミュニティの攻撃に使われたり、人間の権利と自由を侵さないようにする責任がある。責任はすべての企業にある、という古い言い訳は、もはや通用しない”。
同団体はとくに、AmazonのRekognitionソフトウェアを厳しく批判している。今週同団体はまた、顔認識技術を使って“不審者”を見分けるインターホンで同社が特許を申請したことを、やり玉に挙げた。