製品の名前をネットで募集するなんて、最悪の愚行ではないか? それは、Nで始まる名前、とだけ指定されている。このたびのGoogleのお人好しぶりは、度が過ぎているのではないか?
まず第一に、何かのネーミングをネットで公募するというやり方は、敗者のシナリオだ。たとえばイギリスの極地調査船Sir David Attenboroughは最初、公募でBoaty McBoatfaceという珍名をもらった。インターネットは、無責任が蔓延する世界だ。だから名前の公募などはつねに、目立ちたがり屋たちによるジョークのネタにされる。
インターネットで名前を募集するのは愚行として笑われるだけだが、でもそこに文字の制限が加わると愚行がさらにエスカレートする。それはまるで、言葉の珍芸大会のようになる。
この、退廃と放蕩が支配する時代に、Nで始まる言葉をインターネットで募集するのはグッドアイデアだ、と信ずる人たちがひとにぎりでもいることは、心温まる光景かもしれない。神よ、この純真なお馬鹿さんたちに祝福を!
ちょっと真面目になって言えば、Googleのチームは重要なことを忘れているのではないか。企業内における多様性が尊重される、と言われる今日において、しかしGoogleでは、これまでのどのミーティングにおいても、Nで始まる言葉をクラウドソーシングするというアイデアに対して、“おいおい冗談かよ。応募の洪水の中からたった一つの言葉を選ぶために、フルタイムのモデレーターを何人も貼り付けることになるぜ”、と言う人は一人もいなかったのか?
いたとしても、無視されたのだろう。このアホらしい公募キャンペーンに至りついてしまった、具体的な状況は想像できない。とにかく、重大なこととして、真剣な検討は為されなかった、と思われる。
[名前の使用が有償でないこと。募集期間は2016年5月18日PT午前9時から2016年6月8日PT午後11時59分まで。この公募事業の唯一の意図は、エンターテイメントである。応募された名前は審査されないし、賞金や賞品もない。]
応募された名前の提案がライブでブロードキャストされることは、なさそうだ。このFAQにも、“エンターテイメントが唯一の目的”、と書かれている。例の人種差別的用語の問題も、Google側に何かの意図があったわけではない。
最後にお願い: この無駄で無意味な企画を葬り去るための会議が近く開かれたら、ぜひ、本誌の独占特ダネにさせていただきたい。tips@techcrunch.comまで、ご一報を。