昨年Instagram(インスタグラム)は、スタンドアロンのメッージングアプリであるDirect(ディレクト)のサポート終了を発表した(未訳記事)。Directは手軽にメッセージを書いて友達に送れるアプリだった。その後まもなく。同社はThreads(スレッド)を公開した。近況アップデートとInstagram上で「親しい友達」として登録している人だけと交流するための新しいメッセージングアプリだ。このたび2つのメッセージング・コンセプトが合体する。Threadsの最新アップデートで、Instagramは再び本格的受信箱機能を提供する。
この変更は直近のアップデートで告知され、すぐにソーシャルメディア・コンサルタントのMatt Navarra氏と著名なリバースエンジニア、Jane Manchun Wong氏が発見した。ふたりとも常に人気ソーシャルアプリに目を光らせている人物だ。
このアップデートで、Threadsには2つのタブからなるInbox(受信箱)がついた。
「親しい友達」セクションでは、以前同様頻繁に連絡をとる友達にメッセージを送れる。新たに加わった「Everyone Else」(その他全員)という2番目のタブでは、Instagramの受信箱全体をアクセスできる。今後も「親しい友達」タブが優先表示され、近況も親しい友達だけが見られる。
InstagramがTechCrunchに伝えたところによると、Threadsユーザーは今後も親しい友達からの通知だけを受け取る。ただし、全部のメッセージの通知を受け取りたければアプリの設定で変更できる。興味深いのは、今回の変更がInstagramのメッセージング・プラットフォームの大きなアップデートの直後だったことだ。
つい先週、Facebook(フェイスブック)はMessenger(メッセンジャー)とInstagramのアプリ間通信をほかの機能追加をともに発表したばかりだ(未訳記事)。
このアップデートによってInstagramユーザーは、チャット画面の色を変えたり、好きな絵文字で反応したり、一緒にビデオを見たり、消えるメッセージなどが可能になる新しいメッセージング体験へのアップグレードが選べるようになった。こうした「楽しい」機能はユーザーにアップデートさせる気を起こさせる役目を果たし、クロスプラットフォーム・メッセージングの開放とともにFacebook世界に囲い込む。つまりアップグレードしたユーザーは、Instagramを使ってFacebook友達にメッセージを送れることになる。
Threadsの変更は、Facebookがこのスタンドアロンアプリをもっと大きなメッセージング・プラットフォームへの入り口にしようとしているのではないだろうか。
だが、Instagramは違うと言う。「クロスアプリ・コミュニケーションはInstagramユーザーへのオプトイン・アップデートで、Threadsでは使用できません」と広報担当者がTechCrunchに語った。それは、Threadsが将来のアップデートで、Instagramユーザーが利用できるさまざまな新機能を提供しないという意味ではない。
むしろ我々は、Instagramは新機能の一部を将来Threadsに移行することを考えていると理解している。ただし、正確な時間軸はまだわからない。
これは、Threadsアプリを最新のメッセージング基盤のバックエンドに接続することを意味している。もしそうなら、Facebookがクロスアプリ・コミュニケーションをInstagramのみ(かつMessengerのみ)の体験に限定することを選んだとしても、もう1つの中心的アプリであるThreadsを新メッセージング・プラットフォームに結びつけることになる。そしてそれは、規制当局がFacebookを独占状態にあると判定(未訳記事)し、事業分割を強いられた場合に、アプリの分離をさらに難しくする可能性がある。
しかし、Threadsがまだそのメッセージング基盤につながっていないのか、将来そうするつもりなのかもわかっていない。いずれにせよ注目しておく価値はある。
Threadsのアップデートはすでに公開されている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )