今日(米国時間5/18)、Microsoftのブロガーが新しいブラウザ、Egdeについて、Windows 10以外のプラットフォームに提供する計画は当面ない とツイートした。私はMicrosoftに直接取材してこの方針を確認した。
MicrosoftがEgdeを他のプラットフォームに提供するつもりがないということは、いささか奇妙だが、重要な情報だ。Microsoftは近年、家宝ともいうべきOfficeアプリを他のプラットフォームに提供するなどクロスプラットフォーム化を積極的に進めてきた。一方でWindowsの覇権を全盛時なみに再度高めようとすると同時に、アプリとサービスを他のプラットフォームにも提供してシェアとユーザーを獲得しようという両面作戦だ。
その中で、Edgeの提供をWindows 10に限るという選択は、効率の観点からはうなずける。たとえば OS X向けのEdgeを開発したとしても獲得できるシェアはわずかだろう。そもそもOS Xのインストールベース自体がWindowsマシンに比べて少ない。モバイル・プラットフォームでもChrome、Safariなど既存のブラウザの支配が圧倒的だ。
Microsoftがブラウザ戦争で有利な戦いができる場所はWindowsだけだ。そこでEdgeはWindows 10専用ということになる。もしEdgeがモバイル・ブラウザとして明らかに最優秀だということになれば、Android版の開発も考えられる。しかしそういう可能性はそれほど高くなさそうだ。
このあたりがMicrosoftのクロスプラットフォーム戦略の一つの限界といえるだろう。ニ正面作戦の難しさがこういうところにも現れている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)