Linux Foundationのブロックチェーン支援事業Hyperledger Projectがコードベースを充実

【抄訳】
ブロックチェーン革命が近づいているが、でも、その姿は目に見えないかもしれない。Linux FoundationのHyperledger Projectの事務局長Brian Behlendorfは、そう見ている。

スイスのツークで行われた本誌TechCrunchのブロックチェーンイベントTC Sessions: BlockchainでBehlendorfは、ブロックチェーンの導入でもたらされるイノベーションの多くは、いわば舞台裏で、人に知られることなく起きるのだ、と説明した。

Behlendorfは曰く、“多くの消費者にとって、銀行や政府のWebサイトのWebフォームが背後でブロックチェーンを使ってることは、分からないしどうでもいいことだ。LinkedInのプロフィールで、学歴が詐称だったらそこにグリーンのチェックマークが表示されても、その機能がブロックチェーンを利用していることを一般消費者は知らない。すべてが、舞台裏でひそかに行われる”。

“でもこれは、ストレージとネットワーキングと消費者の革命なのだ”。

ブロックチェーンが大きなインパクトを与える分野は何か。Behlendorfの考えでは、真っ先に大きく変わるのはオンラインのアイデンティティの領域だ。今のFacebookやTwitterなどのように情報の保存を中央集権的なシステムに依存するのではなく、ブロックチェーンは情報をもっと安全に保存でき、またその自己証明型身分証明(self-sovereign identity, 自己主権型アイデンティティ)システムには、より多様な用途がありえる。〔参考記事

“ブロックチェーンにさまざまな用途がありえる中で、いちばん重要と思えるのが、アイデンティティ、自己証明、本人証明の分野だ”、とBehlendorfは語る。“しかしどんなに正しいソリューションも、エンドユーザーにおける自分のアイデンティティの管理や利用が、ちょうど財布から運転免許証を取り出すときのように簡単にならなければ、普及しない”。

Hyperledgerは、それらによってブロックチェーンの分野でイノベーションを可能にする、とLinux Foundationが期待する、フレームワークとツールを提供している。そしてBehlendorfによると、現在は10のコードベースがあり、うち2つはプロダクション(本番開発)ですでに利用され、8つはブロックチェーンを構築するためのフレームワークだ。Hyperledgerは“オーガニックな”開発過程を重視しているので、オプションは今後もっと増える、という。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

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