誤差1cmで全身をAI採寸できるBodygramアプリが登場

Bodygram Japan

AI採寸技術のBodygram Japanは6月26日、服を着たまま全身の推定採寸を行える「Bodygram」アプリのiOS版Android版を公開した。従来同社は、一部の企業・サービスにAI採寸技術を提供していたが、自社アプリとして公開。一般ユーザーも手軽に身体サイズを推定採寸し、測定結果を取得できるようになる。あわせてトランスコスモスとのパートナーシップ締結も明らかにした。

これまでBodygramは、人工知能(AI)による学習機能を利用し身体サイズを推定する技術をアパレル(ユニクロ、SHOPLIST.com by CROOZ)、ヘルスケア(花王 ヘルシアの「モニタリングヘルス」)、寝具(エアウィーヴ オンラインショップのレコメンドサービス)といった業界に提供。

今回配信のBodygramアプリでは、年齢・身長・体重・性別を入力し、服を着たままスマートフォンで正面・側面の2枚の写真を撮影するだけで被写体のボディラインを自動検出。腹囲・肩幅・手足の長さなど24ヵ所の全身サイズを±1cmの差異で推定できる。

Bodygram Japan

アプリにユーザー登録を行った者には、計測データを記録しておけるBodygram IDを発行。Bodygram技術を導入している企業のアプリ・サービスを利用する際に、Bodygram IDおよび記録データを流用できる。登録ユーザーが自分のIDやデータを安全に管理できるよう、共有する企業を選択可能となっている。

またBodygramアプリは、一般ユーザー向けの提供ではあるものの、企業も自社サービスに組み合わせた運用が行える(Bodygram Japanへの申し込みが必要)。企業が独自アプリを開発する前段階のステップとして、またはシンプルに採寸機能のみを利用したい場合にも利用できる。

法人としてのアプリ導入先としては、クロスフィットみなとみらい、クロスフィット辻堂への導入が決定済みで、このほか小売分野などで共同展開の検討が進行しているという。

トランスコスモスは、Bodygramとのパートナーシップ締結を受け、AI採寸技術「Bodygram」に関連する開発・運用・分析・サポートまでを統合的に支援するBodygram特設チームを設立。業務アプリへの組み込みサポートほか、身体採寸データのナレッジ化に伴う分析などの付加価値サービスも提供する。

リテール・アパレル店舗での試着レスのニーズに対しては、非接触採寸や店舗・ECとの連携、身体データ活用の健康管理サービスの推進を目指す。また、顧客企業が保有するデータベースと身体データを活用した新しいアナリティクスサービスを展開。保険業界には、Bodaygramを介した、健康増進型保険などの基礎データの提供・分析サービスを提供していく。

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C Channelが9億円超の資金調達、トランスコスモスとの協業も

C Channelは9月24日、約9億円の資金調達を発表した。第三者割当増資での調達で主な引受先は下記のとおり。今回調達した資金は、サービス拡充と事業基盤の強化に投入されるとのこと。

  • セラク
  • ナントCVC2号投資事業有限責任組合(南都銀行とベンチャーラボインベストメントの共同運営ファンド)
  • 博報堂DYメディアパートナーズ
  • 価値共創ベンチャー2号有限責任事業組合(ABCドリームベンチャーズとNECキャピタルソリューション、ベンチャーラボインベストメントの共同運営ファンド)
  • SBIインベストメント
  • VLI新ベンチャー育成投資事業組合

C Channelは動画メディアを中心にサービスを展開しており、女性向けの「C CHANNEL」(シーチャンネル)やママ向けの「mama+」(ママタス)を運営している。またこれら両メディアのほか、インフルエンサーマーケティング事業も手がけており、現在は日本をはじめ世界10カ国でサービスを展開している。

写真に向かって左から、トランスコスモスDEC統括 デジタルトランスフォーメーション本部 プラットフォーム戦略統括部・統括部長の野田朋哉氏、C CHANNEL公式クリッパーひよん、グランプリ~みかこ~、C Channel代表取締役社長の森川 亮氏

同日、同社はトランスコスモスと合同で「次世代インフルエンサー発掘プロジェクト」を発足させ、インフルエンサーとして将来的な活躍が期待される方をオーディション形式で選出。グランプリに~みかこ~さん、準グランプリに猪瀬百合さんが決定。~みかこ~さんは今後、トランスコスモスの専任クリエイターとして、C CHANNELやInstagramを中心としたSNSプロモーションの企画立案・クリエイティブ制作などに参画するとのこと。

LINEやFacebookに送れる電子チケットシステム、トランスコスモスが新会社

コンサートなどのチケットをオンラインで受け取り、スマートフォンで入場する電子チケットは、転売を避けたい人気アーティストの公演でも取り入れられることが増えてきた。アプリを利用するもの、QRコードを使うものなどいくつかのサービスが提供されているが、「QuickTicket」は既存のチケット販売・管理システムとのAPI連携により低コストで導入でき、来場者側も専用アプリが不要でLINEやFacebook、メールなどを通して電子チケットを発券できるシステムだ。

トランスコスモスは5月31日、子会社のLeonis & Co.(レオニス)が手がけるこのQuickTicket事業を切り出し、あわせてエンタメ業界向けサービス開発とコンサルティング支援も行う子会社playground(プレイグラウンド)を6月1日に設立すると発表した。playgroundの代表には、レオニス共同代表の伊藤圭史氏が就任する。

レオニスは、O2O/オムニチャネルでのマーケティング支援を行う企業として2011年に設立され、小売業やIT事業者へのシステム提供やコンサルティング支援を行っている。同社は2014年6月にトランスコスモス傘下に入り、トランスコスモスの子会社として、オムニチャネル関連サービスの開発・戦略立案を担当してきた。

2017年2月には、トランスコスモスのECプラットフォーム「transcosmos eCommerce HUB」とレオニスの「QuickTicket」を連携し、ECサイト上での電子チケットの販売からLINEによるチケット発券まで行える、イベント向けシステムの販売を開始している。このシステムは、チャットボットや有人オペレーターとの組み合わせにより、チケット販売時にグッズを紹介したり、場内の店舗で使えるクーポンを配信するなど、チケットの受け取りを起点としたコミュニケーションツールとして利用することが可能。第一弾としてサンリオピューロランドでの運用が始まっている。

新会社のplaygroundでは、電子チケット発券を接点に、新しいコミュニケーションやサービスの提供を実現するコンサルティングサービスの提供を行い、興行品質や顧客満足度、収益性の向上に繋げるための活動を支援していく。また、トランスコスモスとLINEとの共同出資会社transcosmos online communicationsをはじめ、グループがもつ各種のアウトソーシングサービスなどと連携しながら、エンタメ業界に向けた総合的なソリューションを提供していくという。