Instagramがネットいじめ対策機能を追加、タグやコメントの管理が可能に

Instagramは米国時間5月12日、いじめ対策の一環としてユーザーが肯定的なコメントを強調できるようにすることはもちろん、否定的なコメントをより適切に管理可能にすることを目的とした一連の新機能を発表した。Instagramで自分にタグ付けたり、メンションしたりできる人を管理するための機能も追加されている。とはいえこれらの新機能が、新たなオンラインいじめの原因となる可能性もある。

否定的なコメントを管理するための新機能の1つは、膨大なフォロワーを抱えるInstagramのアカウントを所有していたり運用を支援していたりするユーザーを対象としている。こうしたアカウントに対する否定的なコメントの急増を管理するのは難しい場合がある。特に、口コミで拡散されり、オンライントロールやボットからの協調攻撃を受けたりする場合などが該当する。

これまでInstagramは、アカウント所有者がコメントを一括で削除したり、否定的なコメントを投稿する複数のアカウントを制限できるようにしたりする新機能をテストしてきた。これらの機能は、否定的なコメントや悪質な発言を残すことを主な目的に、注目度の高いアカウントを定常的にストーキングする人々を、効果的に沈黙させることができる。同社によれば、テストから得られた初期のフィードバックが好意的なものだったので、この機能をモバイルInstagramユーザーに開放することにしたのだと言う。

iOS上では、コメントをタップしてから、右上隅にある「…」アイコンをタップし、その中の「コメントの管理」を選択する。これにより、一度に削除するコメントを25個まで選択できる。「その他のオプション」をタップすると、コメント投稿者のアカウントを一括でブロックまたは制限できる機能も見つかる。Androidでは、代わりにコメントを押し続けてから、吹き出しのアイコンをタップして、「ブロック」または「制限」を選べばいい。

別の新機能である「固定コメント」は、まもなくテストリリースされる。

ここでのアイデアは、Instagramユーザーに対して肯定的なコメントを拡散する方法を提供することだ。これによって、結果的にコミュニティの雰囲気を整え、より積極的な交流を促進することができる。機能が公開されたなら、ユーザーは複数のコメントを選択して、より簡単に目につくように、それらをコメントスレッドの上部にピン留めすることができる。

これらの機能により、アカウント所有者はコミュニティをより適切に制御できるようになるが、有用な批判や投稿者が単に好まないコメントも沈黙させてしまう効果もあるだろう。これとは対照的に、Twitterはユーザーに、嫌いな返信を非表示にする方法を提供しているが、プラットフォームから削除するわけではない。代わりにそうしたリプライは、クリックをすることで見ることができるようになっていて、どこを見ればいいかを知っている人は表示することができる。

Instagramはまた、コメント、キャプション、またはストーリーで自分に言及したり、タグ付けしたりできるユーザーを選択できるようにする、拡張されたコントロールのセットも公開を初めている。タグとメンションの両方について、「全員」「フォローしている人」「誰にも許可しない」から選べる。さらに、タグ付けを手動で承認する機能を提供するオプションの、オンとオフを切り替えもできるようになる。

これらの3つの新機能は、Facebookのコミュニティ基準施行報告書(Community Standards Enforcement Report)第5版の発表と同時となった。この報告書は、同社がアプリケーション群全体を横断して、どれくらいうまく運用方針を施行できたかを詳細に示すためのものだ。

コミュニティ基準施行報告書では、Instagram上でのいじめに対応した施行データを初めて報告している。それによれば、2019年の第4四半期と2020年の第1四半期の両方で、150万件のコンテンツに対して対応したことが記載されている。

また同報告書の中では、Instagramでより多くの自殺や自傷行為のコンテンツを見つけるために、テキストならびに画像のマッチング技術を改善したと書かれている。その結果、当該コンテンツに対するアクションが40%増加し、事前検出率が前回のレポートから12ポイント以上増加している。また子供のヌードや性的搾取的なコンテンツを見つけて削除するために使用されるテクノロジーは、FacebookとInstagramの両者で改善されているという。

画像クレジット: Stockcam (opens in a new window)/ Getty Images

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(翻訳:sako)

ネットいじめに関するイギリスの大規模調査によると、InstagramとFacebookがいじめ最多の場所

イギリスのいじめ防止団体Ditch The Labe今年度の調査によると、2017年でネットいじめがもっとも多いサイトはInstagram、そしてFacebookが僅差で二位だ。今年の調査は12歳から20歳までの標本10020名の回答を集めたが、統計学的にはこれだけの標本数があれば、ネット上の有害な疫病の広がりの現状を、正確に反映したデータが得られたと言える。

いじめ被害の経験者の比率は、Instagramではユーザーの42%、Facebookでは37%、Snapchatでは31%だった。利用経験が92%と最大のYouTubeでは、いじめ経験は10%と比較的低い。

そのほかに、こんなデータもある:

  • 回答者の50%がいじめの被害を経験している。
  • 10%が、先週、いじめ被害を経験している。
  • いじめ被害経験者の50%は容姿についていじめられている。
  • いじめ被害経験者の24%が個人情報をネット上で共有している。
  • 27%が自分の意に反して写真やビデオを共有されている。
  • 18%が正しくないプロフィール情報を流布されている

この調査報告書には、いじめる側の心理に関する深い探究もある。調査はいじめを客観的に定義していないが、そんな主観的な回答において、回答者の12%が、誰かをいじめたことがある、と答えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))