Amazonプライム・ビデオにユーザープロフィールが加わる、子供用含め最大6人ぶん

以前からストリーミング・ビデオの定番となっている機能、ユーザープロフィールがやっとAmazonプライム・ビデオに設定できるようになった。プロフィールが作れればプライム・ビデオのユーザーは自分のウォッチリストや個人向けにカスタマイズされたオススメにアクセスできる。またNetflixのような主要なライバルと同様、プロフィールで自分の視聴履歴を確認できるようになる

ユーザーはAmazonアカウントをベースにしたプライマリプロフィールに加え、子供用のプロフィールも作成できる。プライマリープロフィールと大人用、子供用を組み合わせて一世帯で最大で6種類のプロフィールが作れるようになった。

Amazonのプライム会員は新しいプロフィールをiOS、Android、Fireタブレット(Gen 10以降)、Fire TVで利用できる(他のWi-Fiデバイスのプライム・ビデオ・アプリでも利用可能)・

 

今年に入ってプライム・ビデオのプロフィールのテストが開始されたことはNDTVが報じていたが、今回は正式な機能として発表された。実はAmazonはこの機能もまずインドとアフリカで公開していたが、いよいよ米国を含む全世界のユーザーが利用できるようになったわけだ。

「子供向け」で設定されたプロフィールの場合、対象年齢を12歳以下としたにコンテンツのみ視聴できる。検索や候補もフィルタリングされ子供向けのタイトルだけ表示される。
また子供向けプロフィールからはコンテンツの購入はできない。

一方、大人のプロフィールではプライムビデオのタイトルやチャネル、ライブ配信コンテンツ加え、購入、レンタルを含めてすべてのプライムビデオコンテンツをプライマリアカウントから視聴できる。

両親がアカウントにペアレンタルコントロールを設定して、リビングのテレビなどの共有デバイスでコンテンツにアクセスできないようにしたいなら、そのような設定も可能だ。この場合、閲覧は制限されるが、両親は現在と同様、PINコードを入力してコンテンツを再生することができる。

両親はプライム・ビデオの設定で制限を有効にして子供たちが大人のプロフィールを使って購入するのを防止できる。この場合にも購入手続きの完了にはPINコードの入力が必要になる。

子供向けプロフィールの動作は、スマートフォンやタブレット端末などのモバイルデバイスでは異なる部分がある。モバイルのプライム・ビデオでは子供向けプロフィールからも大人のプロフィールのダウンロードにアクセスできる。これはデバイスがオフラインになった場合でもプロファイルの切り替えができるようにするための仕様のようだ。

さらに、AmazonプライムのAmazon Householdでウォレット共有を有効にした場合、プライム・ビデオは家族ユーザーのプロフィールを自動的に作成する。このプロフィールはプロフィールの管理から無効にできるが、一度オフにすると再度有効にすることはできないので注意。

2011年にスタートしたというのに,ユーザープロフィールが設定できなかったのはプライム・ビデオで最大級の欠陥だった。 多数のユーザーがこの機能の追加を要望していた。

現在、各種のビデオストリーミングサービスでは、ライブラリ、お気入り、ユーザーの視聴履歴に基づいたお勧めなど各種のツールを揃えてユーザー体験の向上を競っている。これまでプライム・ビデオはこうしたニーズを無視し、家族アカウントではメンバー全員が単一のアカウントを共有するしかなかった。つまりAmazonにとってプライム・ビデオはAmazonプライムのオマケであり、Netflix、Hulu、Disney+のようなストリーミング専門サービスのライバルとは考えていないのだろうとユーザーは感じていた。

今回のアップデートでついにこの問題が修正されたのは、最近リリースされたHBO Max、NBCU、また近く登場するPeacockなどビデオストリーミングの市場に多数の有力ライバルが参入してきたためだろう。

Amazonは「プロフィールl機能はまだ全ユーザーが利用できるようになっていない」と注意している。この機能は順次公開が進められているので現在利用できなくても数日で利用できるようになる。

画像:Amazon

【Japan編集部追記】7月9日早朝時点で訳者の環境では日本のAmazonプライム・ビデオではまだプロフィールは表示されない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Amazonプライム・ビデオに「ディックの電気の夢」登場――日本でも来年公開へ

Amazonは引き続きビデオ番組の製作に力を入れている。来年1月12日からフィリップ・K・ディック原作のオリジナル・シリーズ、Philip K. Dick’s Electric Dreams〔フィリップ・K・ディックの電気の夢〕が公開される

この全10作のアンソロジーはAmazonプライム・ビデオの会員向けで、それぞれの作品は原作者の意図に従って別個の世界観に基づく。

ディックはSFの歴史を通じて偉大な――よしんば最大でないとしても――作家と認められている。著作は50冊以上に上り、Guardianによれば、1年に11冊が刊行されたことさえあるという。

このAmazonプライムのアンソロジーは同じくディック原作の『高い城の男』のビデオ化に続くものだ。2018年にシリーズ3が公開される予定の『高い城の男』はプライムビデオのドラマとして最高の視聴回数を記録したという。

この勢いを持続させ、ディックの他の作品のビデオ化につなげるためにも『電気の夢』は重要だ。このアンソロジーはアメリカ、ドイツ、インド、イタリー、日本、ラテンアメリカ、スペイン、トルコその他の地域で公開予定が予定されている。

シリーズはオールスターキャストでアンナ・パキン、スティーブ・ブシェミ、ブライアン・クランストン、ジャネル・モネイ、テレンス・ハワード、モーラ・タイニー他が出演する。

一方、Amazon Studiosは最近セクハラ疑惑で大揺れしていた。しかもAmazonにエミー賞をもたらした『トランスペアレント』の主演、ジェフリー・タンバーが自身のセクハラを追求されて降板している

〔日本版〕ディックの原作の小説、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』他は邦訳が紙、Kindle版で入手可能。Maura Tierneyのアメリカでの発音は「ティアニー」に近い。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

動画配信サービスの利用率トップは「Amzonプライム・ビデオ」、Mastodonの利用率は2.8%

ジャストシステムは7月20日、Webサービスの利用状況などをまとめた「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2017年6月度)」を発表した。

このレポートは15〜69歳の男女1100人を調査対象にしたもので、彼らに“FacebookやTwitterは使っていますか?”など、主にWebサービスの利用状況にかかわる多くの質問を投げかけている。

その中から興味深い調査結果をいくつか紹介したい。

Mastodonの利用状況

2017年4月に急激に話題となったSNS「Mastodon(マストドン)」。ネット上では、“ポストTwitterだ!”なんて騒がれていたし、TechCrunch Japanでも特集したことがある。でも、実際のところの認知度はどうだろうか?

本レポートによれば、Mastodonを“現在利用している”と答えた人は全体のわずか2.8%だった。“以前は利用していたが、今は利用していない”と回答した人(2.5%)を加えても、5.3%と結構低い。

サービスの存在すら知らないという人も多く、その割合は全体の77.9%だった。性別や年代別に見てみると、10〜20代男性への認知度は比較的高い。その一方で、女性への認知度は全体的に低いことが分かる。

Apple PayとAndroid Pay

TechCrunch Japanでは以前、日銀が発表したモバイル決済の利用率についてのレポートを紹介したことがある。日本の普及率が6%に対して、中国は98.3%という少しショッキングな内容だった。

ジャストシステムのレポートでは、モバイル決済のなかでも「Apple Pay」と「Android Pay」に絞って利用状況を調査している。

やはり、このレポートの調査結果をみてもモバイル決済の利用者数が多いとはいえない。だが、興味深いことに、利用していると答えた人の割合はApple PayとAndroid Payとのあいだに大きな差がある。Apple Payを利用している人は全体の32.9%だったのに対して、Android Payは4.5%だった。

現在、Android Payが対応するのは「nanaco」や「楽天Edy」などのショッピング系電子マネーのみ。一方のApple Payは、ショッピング系に加えて、交通系の「Suica」にも対応している。交通系ICカードの普及が進む日本では、そこに対応しているApple Payには利便性を感じる人が比較的多いのだろう。

定額制動画配信サービス

「Netflix」や「Hulu」などに代表される動画配信サービスの利用状況についての調査結果もある。本レポートによれば、数多くある動画配信サービスのなかで利用率が最も高かったのは「Amazonプライム・ビデオ」だった。

個人的には、これが一番意外な結果だった。海外ではよく、「I’m skyping」や「Google it」など“サービス名が動詞として使われると本物だ”なんて言われることがある。

その点、僕の周りでは、休日何している?と聞くと「Netflix観てる」と答える人も多くて(昔は「ビデオ借りてきて観てる」と答えてた気がする)、日本でもやはりNetflixが強いのかなと思っていたからだ。TechCrunch Japanの編集部にいる僕は、海外から流れてくるNetflixの情報に触れる機会が多いこともあって、周りの環境が偏っていたのかもしれない。自分の感覚と日本マーケットの現状に差があるということを改めて感じさせれた。

上の図にあるように、2015年10月の横並びの状態からAmazonプライム・ビデオの利用率が急激に上昇しているところを見ると、ダウンタウンの松本人志氏を起用したTVコマーシャルや、2017年2月から放送開始した独占配信コンテンツ「バチェラー・ジャパン」などの功績が大きのだろうか。

これらの調査結果を含むレポート本文は、こちらから無料ダウンロードできる。