商用電気自動車のArrivalが米国アナハイムで走る電動バスを製造

商用電気自動車メーカーで、従来の自動車製造ラインをAIを活用したマイクロファクトリーへと刷新しているArrivalが、カリフォルニア州アナハイムの電動バス製造業者に選ばれた。

アナハイムは2019年に連邦公共交通局から200万ドル(約2億2000万円)の支援を受けている。米国時間7月22日に同市の交通ネットワークは、2025年までにカリフォルニア州では初めてバスをすべて電動にするというゴールを達成するためにArrivalと連携する計画を発表した。

英国を拠点とするArrivalは、ディズニーランドなどの人気施設を行き来する交通サービスがあるアナハイムについて、同市が軽量バッテリーバスの最初の顧客になる予定だと述べた。Arrivalはまず40台のバスを納品する予定だが、運用開始や台数追加の時期に関する詳しい情報提供の求めには応じなかった。

アナハイムで走るバスは、サウスカロライナ州ロックヒルにある米国初のArrivalのマイクロファクトリーで製造される。Arrivalのマイクロファクトリーはノースカロライナ州シャーロットにもあるが、同社は2024年末までに全米に31のマイクロファクトリーを設置したい意向だ。

Arrivalの発表によると、同社とAnaheim Transportation Networkとの連携には人材開発プログラムも含まれる。電気系と機械系のエンジニアリングに関する課程のある地元コミュニティカレッジの学生は、インターンとしてゼロエミッション交通に携わる経験を得ることができる。

Arrival AutomotiveのCEOであるMike Ableson(マイク・アベルソン)氏は「Arrival Busが公道に導入されれば公共交通機関の様相が変わるでしょう。米国公共交通機関からの初の受注はほんの始まりにすぎません」と述べた。

SPACとの合併によって最近上場したArrivalは、注目のパートナーシップをすでに多数獲得している。2020年には、UPSに電動の配達用車両を2024年までに1万台展開する契約を交わした。2021年5月にはライドシェア用EV製造に関してUberと提携した。そしてつい先日の2021年7月15日には、オランダの「Car-as-a-Service」企業であるLeasePlanから最初の3000台のEVを受注したと発表した。

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Kaori Koyama)

配車サービス用のEV生産に向けUberとArrivalが提携

組立ラインを廃止し、高度に自動化されたマイクロファクトリーを選んだ電気自動車メーカーのArrival(アライバル)がUber(ウーバー)と提携し、ライドシェアのドライバー向けEVを作ろうとしている。

Arrivalは年末までにクルマの最終的なデザインを明らかにし、2023年第3四半期に生産を開始する予定だ。Uberのドライバーらを設計プロセスに関与させ、ニーズに合わせた車両の製造を目指す。

Uberは2020年、ロンドンで2025年まで、北米と欧州で2030年まで、プラットフォーム全体では2040年までに完全な電気モビリティプラットフォームになると約束し、それを実現しようとしている。最近立ち上げた「Uber Green」で、乗客には追加費用なしでEVを選ぶ機会を、ドライバーにはサービス手数料軽減の機会を提供する。より多くのドライバーにEVを提供する8億ドル(約870億円)の計画の一環だ。

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2021年末までにEVドライバーの数を倍増するという目標を達成するために、Uberはドライバーの新車購入や借り入れを支援し、ドライバーへのインセンティブを厚くする。Arrivalの車両は、EVへの切り替えを希望するUberのドライバーへ推奨される車の1つとなるかもしれない。特に同社が2018年に始めたClean Air Plan(クリーンエアプラン)の「EVアシスタンス」の対象となるロンドンのドライバーに推奨される可能性がある。Uberの広報担当者は、Arrivalの車がどのような形で利用可能になるかについて明言を避けた。2020年9月、Uberは同様の取引でGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)と提携し、米国とカナダのドライバーに2020年シボレーボルトを割引価格で提供した。

「Uberは、ロンドンのすべてのドライバーが2025年までにEVにアップグレードできるよう支援すると約束しました。クリーンエアプランのおかげで、この野心的な目標を達成するために1億3500万ポンド(約180億円)以上が調達されました」とUberの北欧および東欧地域ゼネラルマネージャーのJamie Heywood(ジェイミー・ヘイウッド)氏は声明で述べた。「私たちが現在注力しているのは、ドライバーに対しこの資金でのEVへのアップグレードを奨励することであり、Arrivalとの提携はこの目標の達成に役立ちます」。

Arrivalの拠点であるロンドンは、輸送システム全体を2050年までにゼロエミッションにすることを目指している。2025年からロンドンと町の中心部にゼロエミッションゾーンを設け、2040年までにロンドンの中心部の周辺に、2050年までにロンドン全体に拡大する。Uberのドライバーがロンドンの最もホットな地域で働きたいならEVに変えるしかない。

Uberとの提携によりArrivalは乗用の電気自動車の開発に初めて参入することになる。Arrivalは商用販売ではなく商業車分野に重点を置いているため、既存の車両モデルはバンとバスとなっている。すでにUPSから1万台の専用車を受注している。

Arrivalは商用電気自動車の設計・製造の方法を変えたいと考えている。同社独自のバッテリーやその他の部品を社内で設計し、従来の製造工場よりもはるかに小さい複数のマイクロファクトリーで車両を製造することにより、車両をより速く、安く、はるかに少ない環境コストで製造するとArrivalは述べている。

同社の株式は2021年3月から公開市場で取引されている。従来の遅いIPOルートではなく、SPACであるCIIGと合併し、SPACルートにより公開市場に参入する多くのEV企業の1つとなった

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

英国のEVメーカーArrivalが米国で2つ目のマイクロファクトリーを建設、UPS向けEVバンを製造

間もなく上場企業となる英国の電気自動車(EV)メーカーArrival(アライバル)が、米国に2番目のマイクロファクトリー建設を予定している。

Arrivalが北米本社としてノースカロライナ州シャーロットを選んでから数カ月が経過している。この新しいマイクロファクトリーは、空港に近いウェストシャーロットに位置し、サウスカロライナ州のロックヒルにある米国1番目の工場から約32マイル(約51.5km)離れた場所となる。

同社CEOのMike Ableson(マイク・アベルソン)氏によれば、今回発表されたマイクロファクトリーは、米国の顧客向けに2種類のEVバンを生産し、車両群オペレーターのためのゼロエミッションの選択肢を広げることになるという。2022年の第3四半期までには生産を開始する予定だ。Arraivalによれば、この生産センターには約4120万ドル(約45億円)を投資し、年間最大1万台の電動デリバリーバンを組み立てる能力を持つようになる。

シャーロットに新設されるマイクロファクトリーで生産される車両の多くは、UPSの北米での車両群に入ることが期待されているという。UPSは、米国および欧州で、最大1万台の車両をArrivalから購入することを約束している。

一方、ロックヒルにある米国最初のマイクロファクトリーでは、EVバスの組み立てを行う。

Arrivalは、2020年1月に現代自動車と起亜自動車から受けた1億1千万ドル(約120億2000万円)の投資を発表するまで、約5年間秘密主義の電気自動車スタートアップだった。それ以降の14カ月の間に、同社は計画やパートナーについて発表してきたが、そのストーリーのクライマックスは、2021年2月に行われた、特別買収目的会社(SPAC)CIIG Merger Corp.と合併し株式公開企業となる発表だ。SPACとの合併は、2021年の第1四半期に完了する予定だ。

Arrivalのビジネスモデルは、マイクロファクトリーを中心としたもので、化石燃料を使用する商用のバンやバスなどと比較して、価格競争力のある電気自動車を生産することができると主張している。同社によれば、マイクロファクトリーは、従来の工場に比べて設備投資が少なく、設置面積も小さくて済むからだ。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:sako)