コロプラが5000万ドル規模のVR専門ファンド「Colopl VR Fund 2」を新たに設立

colopl-vrfund2-main

1月26日に、30歳以下の起業家に特化した新ファンドを設立したばかりのコロプラが、新たにVR専門ファンドを1月31日に設立した。

コロプラおよびコロプラの100%子会社コロプラネクストが設立したのは、国内外のVR関連企業を投資対象とするVR特化型ファンド「Colopl VR Fund 2(コロプラネクスト4号ファンド投資事業組合)」で、出資規模は5000万ドル。2016年1月に設立されている「Colopl VR Fund」と合わせると、1億ドル規模の“世界屈指”のVR特化型ファンドとなるという。

Oculus RiftやPlayStation VRといったヘッドマウントディスプレーの登場でVRが一躍注目を集め、VR元年と言われた2016年を経て、拡大が期待されるAR/VR市場。Goldman Sachs Asset Managementによれば、「2025年には約950億米ドルまで拡大し、PC・スマートフォンに続く第3のプラットフォームとして市場を形成する可能性がある」と予測されている。

こうした動向の中でColopl VR Fundでは、国内外のVR関連企業30社超への投資。そのうち公開済みの各社が下記の21社だ。

Colopl VR Fund 投資実績(2016年12月末現在)

Colopl VR Fund 投資実績(2016年12月末現在)

コロプラでは「VR市場の発展には成長をさらに加速させるプレイヤーが必要だと考えている」として、「新ファンドを通じて、未投資領域・未投資地域への投資および、既存投資先への追加投資を進めながらVR業界の興隆に引き続き貢献していく」という。

また、コロプラネクスト代表取締役社長の山上愼太郎は「投資活動の中でアメリカに続いて中国におけるVR市場の拡大を目の当たりにし、世界のVRに対する熱量の高さを実感した。VR市場の確立を確信するとともに、新たなファンドの必要性を認識した」として、「新ファンドでは、医療や教育、エンタープライズ系といった未投資領域に加え、欧州、中東、アジアといった地域への投資を拡大し、VRが拡大するためのエコシステムの成長を積極的にサポートする」とコメントしている。

コロプラがVR領域に最大5000万ドルの出資、専門ファンド「Colopl VR Fund」を設立

screenshot_468

米国ではVC・Rothenberg VenturesのVR特化型インキュベーションプログラム「River」なんかも活発に活動しているようだが、日本でもVR領域のスタートアップを支援する動きが活発化している。

11月にはgumiが子会社「Tokyo VR Startups」を設立すると発表。VR領域のスタートアップに対して、資金を提供するほか、ワーキングスペースの貸与やバックオフィスサポートといった支援を行うプログラムを開始している。

そして今日12月16日には、コロプラと同社の投資子会社であるコロプラネクストが共同でVR特化のファンド「Colopl VR Fund」を設立すると発表した。

Colopl VR Fundは、コロプラとコロプラネクストが最大で5000万ドルを出資する、同社いわく「世界最大級のVR専門ファンド」になるという。コロプラネクストが運用を担当するほか、すでにVRコンテンツを開発するコロプラ、同社子会社で360度動画関連事業を行う360Channelが技術面での支援を担当する。

VR向けHMDの代表格である「Oculus Rift」やプレイステーション4向けのHMD「PlayStation VR」などが2016年にも発売される予定で、業界関係者からは「2016年はいよいよVR元年」といった声も聞こえてくる。コロプラによると、同社は2年前からVRの研究を進めていたという。

コロプラが渋谷・道玄坂に開設したコワーキングスペース「the Roots」に学生起業家が集結

photo02

ゲーム開発のコロプラ2015年3月にスタートした投資子会社の「コロプラネクスト」が渋谷にコワーキングスペース「the Roots」をオープンした。7月29日の夜にはオープニングパーティーを開催。学生起業家や投資家たちが集まった。東京の人であれば道玄坂の途中にあるFORUM 8の入ったビルと言えば分かるかもしれないが、ちょっと年季の入った雑居ビルの3階に、下の写真のような超オシャレな場が誕生した。

office02

photo04

見た目は超オシャレで、ともすればチャラチャラして見えるが、案外ルールは厳しい。コロプラの副社長で今回の学生起業家向け投資事業の中心人物の1人である千葉功太郎氏は「運用ルールは厳密に決めています」と胸を張る。24時間365日利用可能なスペースで学生向け。だから、ともすれば悪い意味での部室的なノリにもなりかねない。そんなこともあって、アルコールはイベント時以外は禁止だし、IDを持つ入居者以外は彼女・彼氏を含めて入室禁止にしているそうだ。オープニングパーティーで挨拶した千葉氏は学生起業家たちに向かって、超オシャレな場所で仕事をすることになったとしても、「オレたちイケてるなと勘違いしたりしないで謙虚な気持ちで取り組んで」と語りかけていた。

the Rootsが入る新大宗ビルは道玄坂中腹にある雑居ビルだが、実は多くのスタートアップが入居している。近隣には独立系VCの拠点もある。昨日のパーティーにはEast Ventures、インキュベイトファンド、IVP、B Dash Ventures、ANRI、Skyland Ventures、プライマルキャピタルなどVCから投資家が顔を出していたが、渋谷を中心に活動するキャピタリストも少なくない。六本木や神谷町を拠点にするVCたちからは、「やっぱり渋谷は人と会うコストがかからないよね」という感想も聞こえてきた。

コロプラネクストは学生起業家を資金や事業面で支援していくが、渋谷に拠点を作ることで、起業家同士の情報交換やチーム組成を促し、投資に繋がるような人的交流が生まれてくることを狙っているようだ。ちなみに、コロプラ自体は恵比寿のガーデンプレイスに入居している。

もともと渋谷はスタートアップの集積地の1つだが、今回のthe Rootsのようなコワーキングスペースとして、リクルートが運営する「TECH LAB PAAK」やEast VenturesとSkyland Venturesの「Hive Shibuya」、エンジニア向けなので毛色は少し違うがインテリジェンスが8月1日に開設予定の「dots.」、朝日新聞社の「Asahi Shimbun Accelerator Program」が入る朝日新聞メディアラボ渋谷オフィスなど続々と交流スペースが誕生しつつある。

5社がピッチ、平均年齢19.5歳のチームも

オープンパーティーには、学生起業家や投資家、関係者らが(ぼくの目視だと)50〜60人ほどが集まった。これまでコロプラネクストがウェブサイトからの応募や人的繋がりで面談してきた200人を超える学生の中から、起業家や起業志望の学生たち30人ほどが会場に来ていたようだ。

イベントでは若手起業家がプレゼンを行った。すでにコロプラネクストからの投資が決まっているか、投資を検討中という5社だ。簡単に紹介しよう。

photo02

最初にプレゼンを行ったのは、メイクアップ関連情報をシェアするコミュニティ「Makey」(メイキー)を運営するMoobの中村秀樹氏。Makeyは、ずばり「クックパッドのメイク版」だ。アプリではメイクの「Before/After」や写真入りの手順が表示できる。中村氏によれば、Instagramでは30秒に1度はメイク・コスメ関連の投稿があり、Twitterではその30倍のペースでツイートがある。1日に10万以上のメイク関連情報の発信がある計算で、「メイク情報の発信、閲覧欲求は非常に高い。スマホとセルフィー文化が広まると、これはもっと爆発的に増える」と話す。今年1月末に正式リリースしたiOSアプリでは、所有コスメや肌質感、顔の形、メイクタイプごとに検索ができるほか、つくれぽライクな機能を追加するなど、「われわれはクックパッドを踏襲する」と先行していて成功しているCGMサービスを研究し、料理ではなくメイクに適用し、PCではなくモバイルに最適化するという。Makeyでは、すでに独自文化ができつつあって、Makey専用のツイッターアカウントを作るユーザーも出てきているそう。SEOを効かせた記事を量産するメディア運営も行うことで、モバイルメディアの新しいカタチを作るという。

makey01

makey02

大阪大学の高橋慶治氏が創業したTraimmuでは、学生向けのメディアのCo-mediaと就活プラットフォームInfrAを展開している。高橋氏の見立てでは、現在の就活生の間には2つのトレンドがある。1つは優秀な学生がマイナビやリクナビといった大手ナビサイトに登録しなくなってきていること。もう1つはインターンシップが増加していること。その結果として優秀な学生が集まる媒体がない、インターンシップでの実績や経験を評価できてないといった課題が顕在化しているのだそう。企業による応募も、エンジニアとかマーケティングといった職種名による曖昧な応募の仕方が主流であるために、応募の集中が起こってマッチング精度が悪くなるという悪循環が起こっているという。そこでInfrAでは「レジュメ」と呼ぶ学生向け個人ページを用意して、これまでの表彰経験やインターンでの経験を可視化する方法を提供。一方、企業側は中途採用の求人のように、実績や実務経験、役職や給与、スキルなどの明確な基準で条件を提示するようにするのだという。

平均年齢が19.5歳で高校生メンバーもいる若いスタートアップ企業のINASE(いなせ)が提供するのは「Gocci」(ゴッチ)という動画による飲食店紹介のサービスだ。INASEの細川氏は「食べログやぐるなび、Rettyで、もう面白いことは全部できてると思ってませんか? 本当にそうでしょうか?」と語りかける。Gocciが取り組むのは、店舗外観で2秒、店の内部で2秒、料理で3秒などとした合計7秒の動画を基本として、お店の様子がひと通り分かるようにするというアイデアだ。「動画なら、その場の雰囲気がそのまま伝わる。実際に店舗に行ってみたら思ったより狭かったり、思ったよりうるさかったりしたことはありませんか? 写真は断片的すぎたり、キレイに見えすぎる。リアルさが低い」と言う。Gocciは9月末には英語圏版を出す予定で、「グルーバルなグルメアプリを出す。世界から日本を飲み込む形を目指す」と言う。クリップ動画というメディアで言語依存性が低いということもあるのだろうが、まずは日本市場で足場を固めるという発想ではないのが頼もしい。INASEのチームメンバーは全員がエンジニアで、これまで「東京の青梅で寝食を共にしながら開発してきた。これからはthe Rootsを拠点にやっていきたい」と話した。東京外の人ために念ために付け加えると青梅(おうめ)は都心から遠く隔たった東京都の西のはずれで、ツーリングとか梅の花を見に山に入るには良いところだとは思うけど、ふつうはスタートアップ企業が拠点を置くことを考える場所ではない。

inase

このほかプレゼンは、以前TechCrunch Japanでも紹介したことのあるカップルデートなどの写真を撮影するサービスの「ラブグラフ」と、10代向けファッション動画コミュニティー「Kollect」を提供するFastriが行った。プレゼン後にはthe Rootsに集まった学生起業家やその予備軍の学生、投資家たちが立食形式で事業アイデアや自己紹介をしていた。

2015-07-29 20.05.27

コロプラが学生特化の投資事業を開始–新会社コロプラネクストを設立


コロプラが学生起業に特化した投資活動を開始する。同社は3月26日付けで100%子会社のコロプラネクストを設立したことを発表。学生起業家支援に特化したベンチャー投資ファンド「コロプラネクスト1号投資事業有限責任組合」を立ち上げ、投資活動を開始した。

コロプラネクストの設立日は2月10日、資本金は1億円で100%コロプラが出資。代表取締役社長には山上愼太郎氏が就任する。

コロプラの説明によると、コロプラネクストは「世界でも通用する日本発のベンチャー企業の輩出」を目的にしている。コロプラ1号ファンドの投資の条件は代表者が学生であること、インターネットを使った事業を展開していることなど。コロプラ創業メンバーであり、代表取締役社長を務める馬場功淳氏がメンター、取締役副社長の千葉功太郎がエバンジェリストとして起業を支援する。