ソフトバンクが支援するインドの物流企業Delhiveryが約1130億円のIPOを申請

インドの物流スタートアップ企業であるDelhivery(デリバリー)は、新規株式公開で約9億9800万ドル(約1133億円)の資金調達を目指していると、現地の規制当局とのやりとりの中で述べており、世界第2位のインターネット市場で、他の多くのテックスタートアップ企業とともに公開市場を模索している。

10年の歴史を持つこのスタートアップは、6億6900万ドル(約759億円)相当の新株式を発行する予定で、残りの資金は既存の株式を購入するために利用されると、同社は申請書(PDF)で述べている

インドの新聞Economic Timesが今週初めに報じたところによると、4カ月前に30億ドル(約3400億円)以上の評価を受けていたこのスタートアップは、公開市場で60億ドル(約6800億円)以上の評価額での上場を目指しているという。

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SoftBank(ソフトバンク)、Tiger Global Management(タイガー・グローバル・マネジメント)、Times Internet(タイムズ・インターネット)、The Carlyle Group(カーライル・グループ)、Steadview Capital(ステッドビュー・キャピタル)、Addition(アディション)に支援されたDelhiveryは、フードデリバリー企業としてスタートしたが、その後、インドの2300以上の都市と1万7500以上の郵便番号を対象とした物流サービス一式にシフトした。

データインテリジェンスプラットフォームであるTracxn(トラックスン)によると、グルガオンに本社を置く同社は、これまでに13億7000万ドル(約1556億円)の資金を調達している。2021年3月に終了した会計年度では、5億1400万ドル(約583億円)の売上に対して5600万ドル(約63億6100万円)の損失を計上した。

2021年度のDelhiveryの業績(DelhiveryがIPO申請時に共有したもの)

同社は、貨物交換プラットフォームを通じて物流市場の需要と供給のシステムをデジタル化しようとしている数少ないスタートアップの1つだ。

このプラットフォームは、道路輸送ソリューションを提供し、荷主、代理人、トラック運送者を結びつけるものだ。仲買人の役割を軽減し、Delhiveryにとって最も人気のある輸送手段であるトラック輸送などの資産をより効率的にし、24時間体制のオペレーションを保証するものだと同社は述べている。

このようなデジタル化は、国民経済を長年にわたって低迷させてきたインドの物流業界の非効率性に対処するために非常に重要だ。Bernstein(バーンスタイン)のアナリストは、インドの物流市場に関する先月のレポートで、需要と供給の計画と予測が不十分なため、輸送コスト、盗難、損害、遅延が増加すると報告している。

Delhiveryは、これまでに10億件以上の注文を配送しており、同社のウェブサイトによると「インド最大のeコマース企業や大手企業すべて」と取引しており、1万社以上の顧客と取引しているという。最終目的地までの配送に関して、同社の配送者は、2平方キロメートルを超えないエリアを割り当てられ、1日に数回の配送を行うことで時間を節約している。

インドの物流市場のTAM(獲得可能な最大市場規模)は2000億ドル(約22兆7200億円)を超えると、Bernsteinのアナリストは2021年初めに顧客向けのレポートで書いている。同スタートアップは2020年末、パンデミックの中でオンラインで買い物をする人が増え、増大する注文需要に対応するため、2年以内に4000万ドル(約45億4500万円)以上の投資を行い、運送車両規模をする計画であると述べた。

画像クレジット:Nasir Kachroo / NurPhoto / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

10億件以上の配送実績を持つインド物流システムのデジタル化を進めるDelhiveryが約84億円調達

インドの物流サービス企業であるDelhivery(デリバリー)は、今後2四半期以内に予定されているIPOを前に、さらに1人の著名な投資家から支援を取り付けた。Lee Fixel(リー・フィクセル)氏のAddition(アディション)だ。

グルガオンに本社を置くDelhiveryは、Additionが同社に7640万ドル(約84億円)の出資を行ったことを規制当局に届け出た。市場情報会社のTofler(トフラー)が明らかにしたこの申請書によると、今回の新たな投資はシリーズIラウンドの一部であるという。Delhiveryはこれまでに、Additionの投資額のみを公開している。

10年前に設立されたこのスタートアップ企業は当初、フードデリバリー会社としてスタートしたが、後にインドの2300以上の都市と1万7500以上の郵便番号を対象としたフルスイートの物流サービスにシフトした。同社は、貨物取引プラットフォームを通じて、物流市場における需要と供給のシステムをデジタル化しようとしている数少ないスタートアップ企業の1つだ。

今回の新たな投資は、Delhiveryが2億7700万ドル(約304億6000万円)の資金調達を完了させ、またそれとは別にFedEx(フェデックス)の子会社が1億ドル(約110億ドル)を同社に投資したことが発表されてから、数カ月後に行われたものだ。Delhiveryは2021年前半に、今後6~9カ月以内にIPO申請を行うことを検討していると述べていた。

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Delhiveryのネットワーク 画像クレジット:Bernstein

Delhiveryはインド最大の物流企業の1つである。同社のプラットフォームは荷主、エージェント、そして陸路輸送ソリューションを提供するトラック事業者を結びつける。Delhiveryによれば、そのプラットフォームはブローカーの役割を軽減し、(Delhiveryにとって最も人気のある輸送手段である)トラック輸送などの資産をより効率的に運用して、24時間体制のオペレーションを可能にするという。

このようなデジタル化は、インドの国家経済を長年にわたって停滞させてきた物流業界の非効率性に対処するために非常に重要である。インドでは、需要と供給の計画と予測が不十分であることから、輸送コスト、盗難、損害、遅延が増加していると、Bernstein(バーンスタイン)のアナリストがインドの物流市場について2021年8月発表したレポートの中で指摘している。

Delhiveryの公式ウェブサイトによると、同社には10億件以上の注文を配送した実績があり「インド最大のeコマース企業や大手企業のすべて」と提携しているとのこと。配送の最後の一歩を受け持つ配達員には、2平方キロメートルを超えることのないエリアが割り当てられており、時間を節約しながら1日に何度も配達を行うことができる。

インドの物流市場のTAM(獲得できる可能性のある最大の市場規模)は2000億ドル(約22兆円)を超えると、Bernsteinのアナリストは2021年前半に述べていた。このスタートアップは2020年後半、新型コロナウイルス感染が流行する中、オンラインで買い物をする人が増えたことから、増大する注文需要に対応するため、2年以内に4000万ドル(約44億円)以上の投資を行い、配達隊の規模を拡大することを計画していると語っていた。

インドのスタートアップエコシステムで有名なリー・フィクセル氏は、インドに可能性を見出した最初の国際的投資パートナーの1人だ。同氏が過去10年の間にTiger Global(タイガー・グローバル)を通じて行ったFlipkart(フリップカート)への投資は、この世界第2位のインターネット市場におけるスタートアップエコシステムの成長スピードを加速させた。

それに加えて、フィクセル氏が2020年設立したベンチャー投資会社のAdditionは、すでにインドに注目し始めており、ソーシャル・ネットワークのPublic(パブリック)やネオバンクのJupiter(ジュピター)にも出資している。

フィクセル氏はまた、個人的にもインドのスタートアップ企業に出資を続けている。同氏は現在、ベンガルールを拠点とするコーヒーチェーンのThird Wave(サード・ウェーブ)を支援するための交渉を行っていると、関係者2人が語っている。

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画像クレジット:Nasir Kachroo / NurPhoto / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

FedExがインドの物流システムのデジタル化を進めるDelhiveryに約110億円投資

世界の企業がインドでのプレゼンスを拡大しようとしている中で、物流大手FedEx(フェデックス)の子会社FedEx Express(フェデックス・エクスプレス)はインドのスタートアップDelhivery(デリバリー)に1億ドル(約110億円)を投資する。

IPOを数四半期内に控えているグルガオン拠点のDelhiveryは、7月16日に発表した今回の投資の2カ月弱前に2億2700万ドル(約250億円)を調達した。同社の評価額は現在30億ドル(約3300億円)だ。

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取引の一環として、DelhiveryとFedEx Expressは長期的な商業協定も結ぶ。FedEx Expressはインドの国際輸出入サービスにフォーカスし、DelhiveryはFedExに加えてFedEx Expressの国際プロダクトやサービスをインドマーケットで販売し、インド中でピックアップと配達サービスを提供する。FedExはインド国内事業に関連する特定のアセットをDelhiveryに移す。

「我々の目的は、インドとグローバルの企業、そして消費者に我々のネットワークへのユニークなアクセス、そしてテクノロジーとエンジニアリングの能力を通じて新たなプロダクトと機会をもたらすことです」とDelhiveryの共同創業者Sahil Barua(サヒル・バルア)氏は声明文で述べた。

Delhiveryはフードデリバリー会社として始まったが、2300超の市町村と1万7500の郵便番号区域をカバーするロジスティックサービスへとシフトした。同社は、貨物取引プラットフォームを通じてロジスティックの需給システムをデジタル化しようと試みているいくつかのスタートアップの1社だ。

画像クレジット:Bernstein

Delhiveryのプラットフォームは荷主、代理店、そして道路輸送ソリューションを提供している運送業者をつなげる。プラットフォームはブローカーの役割を減らし、Delhiveryで最も人気の輸送手段であるトラック輸送のようなアセットをより効率的なものにし、24時間営業を保証する、とDelhiveryは話す。

インドの経済発展を長らく妨げてきたロジスティクス産業の非効率性を解決するのにデジタル化は不可欠だ。稚拙な需給の計画と予測によってコストや窃盗、損害、遅延などが増えている、とBernsteinのアナリストは2021年6月にインドのロジスティックマーケットについてのレポートで書いた。

Delhiveryのウェブサイトによると、これまでに10億件を超える配達を行い「インド最大のeコマース企業や主要企業」と協業している。ウェブサイトにはまた、同社が1万を超える顧客と協業してきた、ともある。配達のラストマイルのために、同社の配達員は2平方キロメートル以下のエリアが割り当てられ、これにより配達員は配送回数を1日に数回に抑えて時間を節約できる。

インドのロジスティクスマーケットの獲得可能な最大市場規模は2000億ドル(約22兆円)を超える、とBernsteinのアナリストは指摘した。Delhiveryは2020年後半、パンデミックでより多くの人々がオンラインで買い物するようになり、増大する需要に対応するために車両台数を増やすべく、2年以内に4000万ドル(約44億円)超を投資する計画だと話していた。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:FedExインドDelhivery投資物流

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

インド物流市場システムのデジタル化を進める最大手DelhiveryがIPOに向け約304億円調達

インド最大の独立系eコマース物流企業であるDelhivery(デリバリー)は、年内のIPO申請に向けた最終となる見込みの資金調達ラウンドで、2億7700万ドル(約304億円)を調達した。

グルガオンに本社を置くこのスタートアップ企業は、規制当局への提出書類の中で、ボストンに本社を置く投資会社のFidelity(フェデリティ)が主導するラウンドで、2億7700万ドルを調達したことを明らかにした。この名称が特定されていないラウンドには、シンガポール政府投資公社(GIC)、アブダビの投資会社であるChimera(キメラ)、英国のBaillie Gifford(ベイリーギフォード)も参加している(最初にこの申請を報じたインドのニュースサイトEntrackrは、シリーズHラウンドであることを示唆している。しかし、Tracxnによると、DelhiveryにはシリーズGラウンドの記録はない。米国時間5月30日の時点で、このスタートアップはコメントを出していない)。

この新ラウンドで、創業10年目のDelhiveryの評価額は約30億ドル(約3290億円)となった。同社には、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)、Tiger Global Management(タイガー・グローバル・マネジメント)、Times Internet(タイムズ・インターネット)、The Carlyle Group(カーライル・グループ)、Steadview Capital(ステッドビュー・キャピタル)なども投資しており、これまでに約12億3000万ドル(約1350億円)を調達している。

Delhiveryは当初フードデリバリーの会社としてスタートしたが、後にインドの2300以上の都市と1万7500以上の郵便番号を対象としたフルスイートの物流サービスにシフトした。

同社は、貨物交換プラットフォームを通じて、物流市場の需要と供給のシステムをデジタル化しようとしている数少ないスタートアップ企業の1つだ。

調査・画像クレジット:Bernstein

そのプラットフォームは、荷主と取扱業者、そして道路輸送ソリューションを提供するトラック事業者をつなぐものだ。Delhiveryは、このプラットフォームによってブローカーの役割が軽減し、(同社にとって最も一般的な輸送手段である)トラック輸送などの資産をより効率的に運用でき、24時間体制のオペレーションを保証すると述べている。

このようなデジタル化は、国の経済を長年にわたって停滞させてきたインドの物流業界の非効率性に対処するために非常に重要だ。インドでは、需要と供給の計画や予測が不十分であることが、輸送コスト、盗難、損害、遅延を増加させていると、Bernstein(バーンスタイン)のアナリストは、インドの物流市場について2021年4月に発表した報告書の中で指摘している。

Delhiveryのウェブサイトによると、同社には10億件以上の注文を配送した実績があり「インド最大のeコマース企業や大手企業のすべて」と提携しており、その顧客の数は1万を超えるという。配送の最後の区間を受け持つ同社の配達員には、2平方キロメートルを超えることのないエリアが割り当てられているので、時間を節約しながら1日に何度も配送を行うことができる。

インドの物流市場のTAM(獲得できる可能性のある最大の市場規模)は2000億ドル(約22兆円)を超えると、Bernsteinのアナリストは述べている。

このスタートアップは2020年後半、新型コロナウイルス感染が流行する中、オンラインで買い物をする人が増えたことから、増大する注文需要に対応するため、2年以内に4000万ドル(約43億9000万円)以上の投資を行い、配達隊の規模を拡大することを計画していると語っていた。

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タグ:Delhiveryインド物流IPO資金調達SoftBank Vision FunTiger Global Managementeコマース

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)