HBO MaxとDiscovery+が合併、1つのサービスに統合される

先週、Discovery(ディスカバリー)の株主がWarnerMedia(ワーナーメディア)との合併を承認し、米国最大のメディア企業の1つが誕生するというニュースがあったが、この合併が両社の消費者向けストリーミングサービスであるHBO MaxDiscovery+にどのような影響を与えるのかがわかる、ヒントがある。米国時間3月14日朝、DiscoveryのCFOであるGunnar Wiedenfels(グンナー・ウィーデンフェルス)氏は、両社が2つのストリーミングサービスを1つのサービスに統合する計画であることを明らかにしたのだ。しかし、この変更には時間がかかるため、早急に何らかの暫定的なソリューションを提供する予定だ。

具体的にどのようなソリューションになるかは、あまり明確ではない。

ウィーデンフェルス氏は、月曜日に開催されたドイツ銀行の第30回メディア・インターネット・テレコム会議でのプレゼンで「そのため、すぐにでも、バンドルアプローチを準備し、シングルサインオン、コンテンツを他の製品に取り込むなど、早い段階で何らかの利益を得られるよう取り組んでいます」と述べた。

「しかし、主な目的は技術的なプラットフォームを調和させ、非常に強力な消費者直結型の製品とプラットフォームを構築することであり、これにはしばらく時間がかかるだろう」と述べた。また、現在大きなコスト要因となっている、サービスのマーケティングを最適化することで、両社はより直接的な利益を得ることができるようになると同氏は述べている。

430億ドル(約5兆円)規模のこの合併は、米国EUの承認を得て第2四半期に完了する予定だが、新しいWarner Bros. Discovery(ワーナー・ブラザース・ディスカバリー)は、HBO/HBO Max、CNN、Warner Bros. (TV and film studios)、DC Films、TBS、TNT、TruTV、Cartoon Network/Adult Swim、Turner Sportsなどと、従来のケーブルテレビ加入者が知っている DiscoveryのHGTV、Discovery Channel、Discovery+、Food Network、TLC、ID、Travel Channel、Animal Planet、Science Channel、OWNなどを統合した、強力なメディア帝国となることが予想される。この取引が完了すると、新メディア会社はDiscoveryのCEOであるDavid Zaslav(デヴィッド・ザスラブ)氏によって運営され、ウィーデンフェルス氏は引き続きCFOとして統合会社で務めることになる。

今朝のイベントで、ウィーデンフェルス氏は、2つのストリーミングサービスを組み合わせることで、それぞれのサービスが単独で行うよりも、男性と女性の両方の層によりよく届くようになることを示唆した。

画像クレジット:Discovery

「HBO Maxはよりプレミアムで男性向けな位置づけにあり、Discoveryは女性向けです。HBO Maxの出来事中心のコンテンツに対して、Discoveryのコンテンツは日常的に楽しんでいただけるものです。これらを合わせると、老若男女を対象とした四象限で最も完成度の高い製品ができることは間違いないと思っています」と述べている。

また、ウィーデンフェルス氏は、長期的な戦略として、サービスをバンドルするのではなく、組み合わせるという決断に至った同社の考え方について、さらに詳しく説明した。Disney(ディズニー)がこれまでバンドルで成功してきたことを認めながらも、同社は「20万時間のコンテンツポートフォリオ」を含む「完璧な火力」を、価値あるタイトルと迅速に投入する新しいタイトルと、1つのソリューションにまとめることが競争力を高めるための最善の方法だと考えるようになったという。

この2つのサービスは、2021年末までにHBO Maxが全世界で7380万人Discovery+が2200万人に達するなど、すでに単独でも確かな加入者数を誇っている。

HBO MaxとDiscovery+がすでにそのモデルで成功を収めているように、最終的に登場する統合サービスも、広告サポートと広告なしの層を提供する可能性が高いとCFOは指摘している。

「これは、我々にとって非常に効果的です。Disneyも同じ結論に達したと聞いてうれしく思いました」とウィーデンフェルス氏は語った。「プレミアム価格を支払ってもいいという層があります。もう1つは、もっと安い価格がいい、広告なんて気にしないという人たちです」このようなユーザーは、驚くことに数分の広告を本当に迷惑なものだとは思っていないという。

「そのため、私たちが市場に出てくる時は、そのような構造になる可能性が非常に高い」と述べた。

同社によると、このサービスを市場に投入するタイミングは、数週間ではなく数カ月かかるというが、数年ではなく数カ月で実現したいとのことだ。

今後のサービスの価格はまだ不明だが、HBO Maxは広告付きで月額9.99ドル(約1170円)、広告なしで月額14.99ドル(約1760円)、Discovery+は広告付きで月額4.99ドル(約580円)、広告なしで月額6.99ドル(約820円)となっている。

この合併に先立ち、ストリーミングの世界では、エコシステムの競争力向上が既存企業に影響を与えているようで、少しずつ整理がされてきている。例えば、Netflixはここ数年来、加入者数の伸びが低下している。同社は現在、加入者を増やし、維持する方法として、モバイルゲームの追加を通じてサービスの付加価値を高めようとしている。一方、Disneyは、Hulu/Disney+/ESPN+のバンドルサービスをより魅力的なものにし、一部の高価なアドオンをコアバンドルの一部とすることで加入を促進している。また、Paramount+は、この夏からShowtimeを直販サービスに加え、サービスを統合することを決定した。

画像クレジット:Presley Ann/Getty Images for WarnerMedia

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

「宇宙旅行」が賞品のディスカバリーの新リアリティ番組「Who Wants to Be an Astronaut?」

Discovery(ディスカバリー)は、2022年に放送予定の新しいリアリティ番組を発注した。この新番組は、Axiom Space(アクシオム・スペース)の商用ミッションで国際宇宙ステーション(ISS)への旅行に参加するチャンスを競う。全8話のコンテストシリーズとなる。優勝者は、AxiomがAX-1に続いて完全に民間の宇宙旅行者グループをISSに輸送する2回目のミッションとなるAX-2のクルーに加わる。AX-1は早ければ2022年1月に実施される予定だ。

AxiomとNASAは、2021年5月初めに行われたプレスブリーフィングでAX-1について詳しい説明を行った。このミッションは8日間にわたり、4人の有料顧客を軌道上の科学ステーションに連れて行き、短期間滞在するという。この特典のためにNASAに支払われる価格は169万ドル(約1億8000万円、この中にAxiomが輸送サービスによって提供する現物支援は含まれていない)となっている。

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AxiomはAX-1では、SpaceX(スペースX)のFalcon 9(ファルコン9)とCrew Dragon(クルードラゴン)宇宙船を使用して、民間宇宙飛行士の顧客をISSに輸送する予定だ。「Who Wants to Be an Astronaut?」シリーズの最初のプレス資料では、優勝者を受け入れるAX-2ミッションに使用される宇宙船は明記されていないが、これまでに活動している唯一の完全な民間宇宙旅行会社であることから、このミッションにもSpaceXが採用されると考えるのが妥当だろう。

このリアリティ番組シリーズで行われる実際の選考プロセスについて、Discoveryは次のように説明している。

宇宙へ飛び立つ憧れの席を獲得するには何が必要なのか?そのプロセスは過酷であり、厳しい選考を通過するのは選ばれた数人だけです。このシリーズでは、宇宙飛行士に最も必要とされる資質を試すために、様々な過酷な課題に挑戦し、宇宙飛行や宇宙ステーションでの生活に必要な訓練を受ける候補者たちを追っていきます。

そして最終的には、専門家の審査員によって適性があると判断されたラッキーな候補者1名が、これまで経験したことのない冒険へのチケットを手にすることになります。このシリーズでは、離陸から再突入、そして帰還まで、重要な瞬間を記録していきます。

このコンテストは「ありふれた普通の人々」に公開されており、参加したい場合、応募フォームに30~60秒の短い動画を添付する必要がある。

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カテゴリー:宇宙
タグ:Discovery国際宇宙ステーション民間宇宙飛行Axiom SpaceNASA

画像クレジット:NASA

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

ディスカバリーが1月4日に独自ストリーミングサービス開始、ディスカバリーチャンネルやアニマルプラネット配信

Discovery(ディスカバリー)は単独のストリーミングサービスを開始した最新のメディア企業であり、「+(プラス)」記号を追加するだけのシンプルな命名戦略を採用した最新のメディア企業でもある。Discovery+は米国で2021年1月4日に開始される予定だ。

DiscoveryはDisney、Disney+ほどの知名度はないが、サービス開始時にはHGTV、Food Network、TLC、ID、OWN、Travel Channel、Discovery Channel(ディスカバリーチャンネル)、Animal Planet(アニマルプラネット)といったネットワークから5万5000話を集め、「世界最高のリアルライフエンターテインメントのための決定的なストリーミングサービス」としてサービスをアピールしている。また、同社はA&E Networksと提携し、A&E、The History Channel、Lifetimeのコンテンツも提供する。

もちろんオリジナル番組もあり、いくつかの「90 Day Fiancé」のスピンオフ作品やBBCシリーズ「完璧な惑星」の米国初公開、ライフコーディネーターのMartha Stewart(マーサ・スチュワート)が審査員を務める「Clipped」というトピアリーコンテストシリーズ、仮タイトル「Route 66」という俳優・コメディアンであるKevin Hart(ケビン・ハート)の旅行番組も用意されている。

Discovery+はまた、テレビ番組「Fixer Upper」のスター、Chip(チップ)とJoanna GainesとのジョイントベンチャーであるMagnolia Networkとの最初の契約も結んでいる。また、Discoveryの支援を受けているデジタルメディア企業のGroup Nine(The Dodo、NowThis、Thrillistなどのブランド)のオリジナルコンテンツも扱う予定だ。

米国での大規模なサービス開始は1月以降だが、実際にはDiscovery+は先月、2020年11月にスカイ社との契約で英国とアイルランドにおいて実際にサービスを開始しており、2021年には21のマーケットでのローンチを予定している。ヨーロッパの視聴者にとっては、来年行われる東京オリンピックを皮切りに、そのストリーミングホームとなるだろう

Discovery+の料金は、米国では月額4.99ドル(約520円)、広告なし利用する場合は月額6.99ドル(約730円)となっている。DiscoveryはVerizon(VerizonはTechCrunchを所有している)との提携を発表しており、特定のワイヤレスおよびホームインターネット契約者には、最大12カ月間(プランによって異なるが)の無料アクセスを提供する。

Discoveryの社長兼CEOであるDavid Zaslav(デビッド・ザスラフ)氏は声明の中で次のように述べている。

私たちは過去2年間、世界中での配信および広告提携、高品質のブランド、本物のパーソナリティ、ローンチ時の最大のコンテンツライブラリー、および独占的なプログラミングの幅広いスレートをなど、当社の戦略的優位性のすべてをDiscovery+のローンチに結びつけるために、計画的に取り組んできました。Discovery+は、台本のないストーリーテリングの世界的な決定版となるグローバルな機会だと考えており、価値ある永続的なライフスタイルやリアルライフの各分野において、家庭やモバイルの消費者に明確で差別化されたコンテンツを提供していきます。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Discovery動画配信

画像クレジット:Discovery

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(翻訳:TechCrunch Japan)