IMAXがVRアーケードの夢をあきらめる、VR商用化の目玉まだ見つからず

映画の世界にこれまでで最大のスクリーンを持ち込んだ企業が、VRの画面をユーザーの顔の数インチ先に置くことには失敗した。同社は今日(米国時間12/13)、SECに提出した書面の中で、ロサンゼルスの主力館も含め三つ残っている仮想現実センターのすべてを閉鎖する、と発表した。

書面に曰く:

同社が前に発表したその仮想現実パイロット事業の戦略的見直しに次いで、同社はその残存するVR立地を閉鎖し、一部のVRコンテンツへの投資を償却する。

Varietyによると、ロサンゼルスとバンコク、そしてトロントの館は2019Q1に閉鎖される。

オープン時には相当騒がれたVRセンターだったが、同社は早々に、その経済性に見切りをつけたようだ。今日の発表の前にIMAXは、7館のうち4館をすでに閉鎖していた。

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アメリカのアーケード・シーンの復活を夢見ていた仮想現実スタートアップの多くが、今日のニュースを見て冷や汗をかいたかもしれない。でもIMAXの取り組みは大成功にならなかったけど、閉鎖することは何もなかった昔に戻ることではない。〔アーケード, arcade, 日本語では“ゲーセン”。〕

今年の初めにIMAXは、Googleと共同開発していたVRカメラの開発を休止したことを確認した

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

IMAX、世界に「VR体験センター」を開設へ。独自のVRカメラも開発

A man tries out the Oculus Rift virtual reality headset at the Oculus booth at the Electronic Entertainment Expo on Wednesday, June 11, 2014, in Los Angeles. (AP Photo/Jae C. Hong)

IMAX。映像テクノロジー推進の第一人者である同社が、バーチャルリアリティーのリングに上がるべく、新たに一連のプロジェクトを立ち上げる。

Goolge I/Oカンファレンスの後、IMAXは360度、3Dコンテンツの撮影を可能にする「映画品質のバーチャルリアリティー(VR)カメラ」を開発する計画を発表した。映像技術の巨人は、このプロジェクトをGoogleと協同で進める。Googleは同社のJumpプラットフォームを使い、開発には18ヵ月を要すると予想されている。仕様から見て、これは業務用カメラであり消費者向けではない ― 相当の現金を手離すつもりでない限り。

さらにIMAXは、VRコンテンツに変換するために、既存の映像作品をGoogleに提供すると言った。

VRをスクリーンに持ち込むだけでなく、IMAXはVRスクリーンを消費者の手に渡すことも見据えている。同社は、ショッピングモール等の公共の場所で「VR体験」を提供する準備を進めている、とWall Street Journalは伝えている。言い換えれは、誰でもVRヘッドセットを使ってゲームをプレイしたりビデオを見たりできる場所だ。

スウェーデン拠点のStarbreeze ― ヘッドセットとゲームを提供する ― との提携によって、IMAXはVRセンターを世界6箇所に開設する予定で、ロサンゼルスを皮切りに中国その他の地域へと拡大していく。

この計画は、VRカメラと密接につながっている。なぜならIMAXは映画製作会社のVRコンテンツを作ってもらい、このVRセンターに配信してほしいからだ。

コンテンツ形態としてのVRは、メディア業界への転換が可能だが、配給には根本的問題が残っている。最近本誌のDisruptイベントのパネルで論じたれたように、ヘッドセットのあの形状と価格は、アーリーアダプターか可処分所得の豊富な人に利用が限定され、一方では、自宅でしか使えないことが利用シナリオの可能性を限定している。モバイルVRは問題の一部を解決するものの、別のタイプの課題をもたらす。デバイスは非力なマシンにつながれ、バッテリー寿命の心配やその他のモバイル要因が絡んでくる。

IMAXのVR体験センターは、この配給問題を解決するものではないが、VRを身近にすることはでき、その結果認知度を高め、多くの人々に役立たせることができるかもしれない。少なくとも、将来われわれを興奮させる新たな(そしてカッコいい)映像体験が期待できそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook