子育て経験のある人なら、使い捨ておむつの驚くほど狭い世界をよくご存知だろう。救いの手がやってくるかもしれない。
Kudos(クドース)は、使い捨ておむつをサステナビリティに配慮して再発明しようとするスタートアップだ。米国時間6月1日、240万ドル(約2億6000万円)のシードラウンドを完了した。出資者はFoundation Capital、XFund、PJC,Precursor Ventures、Liquid 2 Ventures、SV Angel、Underscore VC、Alpha Bridge Ventures、April Underwoodなどとなる。
共同ファウンダーでCEOのAmrita Saigal(アムリタ・サイガル)氏はKudosについて、Cotton Inc.の Cotton Naturalマークを取得した最初で唯一の赤ちゃん用使い捨ておむつだと説明した。赤ん坊の肌に触れるのがプラスチックではなく綿100%だからだ。また、現状の大手ブランド使い捨ておむつと比べて、植物由来材料を4倍多く使っている。
使い捨ておむつは多くの層で構成されている。Huggies(ハギーズ)、Pampers(パンパース)などの標準的紙おむつには、石油化学製品、ポリエステルなどの繊維をはじめ多くのプラスチックが使われている。事実、ある柔らかく感じている使い捨ておむつのトップシート(赤ちゃんの肌にふれる部分)も、ほとんどがプラスチックで作られている。
Kudosはその代わりにオーガニックコットンを使う。グリーンな材料を使うことに注力して、おむつの吸収部分には森林協議協会を通じて収穫された完全脱塩素の綿毛パルプを使っている。
それだけではない。性能はおむつの材料と同じく重要だとセイガル氏は説明し、多くの親たちは環境に優しい製品を使うことは性能を犠牲にすることだと思っている、と語った。親たちは自分の赤ん坊のための製品に関して、自分自身のためよりもずっと高い基準を持っている、と彼女は説明した。
「女性用ケア商品のことを考える時、私は環境に優しい製品を選ぶことがありますが、少々性能が落ちるのが苦痛であっても自分のことなので我慢できます」とセイガル氏はいう。「しかし親として、もし子どもに発疹ができれば自分の生活と睡眠に影響します。紙おむつに関して、親はサステナブルな製品に対して(自分のものと)同じ余裕を持てません」。
読者は気になっているかもしれない、私と同じく、この種の製品の防御力について。大手企業がもっとサステナブルなコットン製おむつを開発するのをどうやって止められるのか。
セイガル氏によると、大手ブランドはプラスチックからコットンに切り替えるために生産プロセス全体を見直す必要がある。実はセイガル氏はP&G(ピーアンドジー)で働いていたことがあり、KudosのおむつエンジニアリングアドバイザーであるJim Keighley(ジム・キーリー)氏(P&G時代の上司)ともそこで出会った。
キーリー氏は声明文で次のように語った。
大手ブランドは接着機械を完全に作り直す必要があります。どの会社でも使っている圧着技術はプラスチック由来の材料にしか使えないからです。それには多大な時間と予算の投資が必要で、市場のリーダーとして現行製品を製造している柔軟性を損なうことにもなります。
KudosはD2C(消費者に直接販売)サブスクリプションモデルを採用しており、赤ちゃんの身長、体重の変化に応じたサイズのボックスが月額78ドル(約8550円)で送られてくる。好みのボックス(3~5日分)を14ドル(約1530円)で単体購入することもできる。
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タグ:Kudos、育児、子ども、サステナビリティ、コットン、サブスクリプション、資金調達
画像クレジット:Kudos
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(文:Jordan Crook、翻訳:Nob Takahashi / facebook )