APIの呼び出しをリアルな条件でテストしてモバイルアプリの品質向上を支援するテスト自動化サービスRunscope Radar

APIのトラフィックをモニタするRunscopeが、APIとバックエンドのサービスのテストを自動化するためのツールを提供して、モバイルアプリのクォリティを向上させようとしている。

そのRunscope Radarと呼ばれる新しいサービスは、今日のAWS re:Inventカンファレンスでローンチし、バックエンドのAPIの変化~変更に対する不安や心配を緩和しようとする。アプリのメンテナはこのサービスを使うことによってバックエンドサービスがアプリが期待するデータを確かに返していることを確認でき、アプリがクラッシュするおそれを回避する。しかしテストは一歩間違えると顧客の体験を損ないかねない脆いプロセスである。そこでRunscope Radarは、アプリのバックエンドサービスが変わってもアプリが壊れない、という設計方針に立っている。つまり、将来的には、顧客の体験を損なわずにサービスを改良する方法を提供することがねらいだ。

Radarを使用するデベロッパは、それにリクエストとパラメータセットのリストを与えて、APIの動作を判定する。リクエストは、アプリに実際に登場するような、リアルなものでなければならない。

テストは、その完了や失敗を顧客に通知する。このサービスはCircleCi、GitHub、Heroku、Jenkins、TeamCityなどを統合して、コミットと、ビルドと、展開の各段階でAPIテストを走らす。

たとえば、あるAPIを消費するデベロッパは、そのAPIがエンドユーザの体験を阻害しないことを確認したい。もしもAPIが壊れたら、通信が妨害される。

RunscopeのCEO John Sheehanは、今日のプレゼンのあとでこう言った: “サービスが壊れたらアプリも壊れる。アプリを駆動している内部的なサービスですら、常時可利用であることが必要だ”。

今ではAPIがデベロッパによって広く利用されているが、その信頼性はまだまだ確立途上だ。API自身は単一でも、それを呼び出すデバイスやプラットホームは千差万別だからだ。

APIの信頼性を管理する方法も、今はまだほとんどない。企業はAPIのプロバイダにチェックを入れることによって、とりあえず安心感を得ているのだ。

Runscopeは、APIの利用が一般化すればするほど需要が増えるサービスを提供している。APIのテストは今もっぱら手作業で行われているから、自動化が急務だ。今後はAPIを提供するスタートアップもアプリケーションはモバイルアプリのみ、というところが増えてくるから、なおさらテストの自動化が重要だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


アプリケーションのAPI呼び出しを視覚化してモニタし問題を早期発見するRunscopeが$1.1Mを調達

今日(米国時間5/22)のGlueカンファレンスでローンチしたRunscopeが、True VenturesとAndreessen Horowitzから110万ドルのシード資金を調達した。ユーザ(デベロッパ)が自分のアプリケーションのAPI使用トラフィックを視覚的にモニタでき、その不具合などを検出するツールを、同社はサービスとして提供している。今回の投資には、Lerer Venturesと高名なエンジェル投資家たちのグループも参加した。

Runscopeのツールは、SaaSなのでスケーラビリティが良い。また最初からAPIも提供しているので、デベロッパはAPI経由での利用もできる。企業のITもWebサービスの利用が主流になりつつある今日では、ソフトウェアの統合が複雑で高価な工程になっている。個々のアプリケーションへの接続は、RESTベースのAPI呼び出しで比較的容易にできる。しかし問題は、複数のWebアプリケーション(のAPI)を分散環境で統合的に利用する場合に生ずる複雑性だ。

分散アプリケーションのコードの構造は、独特だ。そしてそれらが、オンプレミスのサーバやクラウドプロバイダのネットワークとサーバの上で文字どおり分散的に動く。そのコードが、APIプロバイダのコード集合や、特定のサーバを呼び出していたりする。

このような複雑な状況を、簡単に一望に監視&管理できるようにするのが、Runscopeのツールの仕事だ。最初は試験用のツールを目指していたが、今後はプロダクション向けのツールとしても提供していく予定だ。

“まずやりたいのは、ユーザのアプリケーションが(API利用を介して)そのほかのサービスと会話している様子を視覚化することだ”、とRunscopeのCEO John Sheehanは言う。APIのトラフィックを目視できて、起きている問題が文字どおり目に見えるツールを作る、ということだ。

“今のアプリケーションの理想像は、複数の分散的な小片から成り立っていても、まるで単一の首尾一貫したアプリケーションのように動くことだ”、とSheehanは言う。“みんなそのことを理解し始めているが、しかしツールは、古いスタイルのアプリケーションを作るためのものしかない。たとえばパフォーマンスをモニタするツールは、あらゆる問題がユーザのサーバ上で起きている、としか判断しない”。

RunscopeはAmazon Web ServicesのEC2の上で構築され、Pythonでプログラミングされている。CTOのFrank Stattonは、Twilioでリードエンジニアだった。システムは障害耐性があり、構築したのはPinterestから来たRyan Parkだ。SheehanはStattonと同社を共同創業する前にはIFTTTにいた。さらにその前には、 Twilioでデベロッパエヴァンジェリストを務めていた。

収益源は、まず、Runscopeのランタイムそのものだ。それが、APIトラフィックに関するデータを生成する。そのデータは、BI(ビジネスインテリジェンス)に利用できる。また、このサービスが提供する多様な情報と機能により、顧客のミッションクリティカルなアプリケーションの安定性を高め、とりわけAPIの問題が重症化する前の早期発見を可能にする。

同社の競合他社としては、まずNew RelicがRusncopeが対応する問題にパフォーマンスの面から取り組んでいる…とくにモバイルのSDKで。またApigeeLayer7などのAPI管理サービスも、同じ業態に属している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))