日々のニュースで消耗させられたように感じているのはあなただけではない。Googleいる連中も、どうやら時には良いニュースを摂取すべきだと信じているようだ。同社は本日(米国時間8月21日)、「なにか良いニュースを教えて」と呼ばれる新しいGoogle Assistantの機能をテストしていることを発表した【現時点ではこの機能は米国内に限定された実験的機能のようだ】。これによってユーザーは、より沢山の「気持ちを高めるニュース」のまとめを聞くことができる。ここで取り上げられるストーリーでは「コミュニティと世界の問題を解決しようとしている」人びとに、焦点を当てる予定だ。
この機能を呼び出すためには、米国のAssistantユーザーなら”Hey Google、tell me something good”(OK Google、なにか良いことを聞かせて)と呼びかければ良い。これによってその日の素敵なストーリーのまとめが始まる。
Googleが紹介した、「良いニュース」の例の中には、ジョージア州立大学が、学生たちが留年するのをどのように防いだのかとか、デトロイト東部の養蜂家がどのようにして減少している蜂の個体数を増やしているのかとか、あるいはどうやってアイスランドが10代の飲酒を抑制しているのかといったものが含まれている。
これらのストーリーは、中立の非営利団体であるSolutions Journalism Network(SJN)によって、選択され要約される。SJNは人びとが問題に対応するにはどうすれば良いか、そしてそうした対応が良い結果を導くにはどうすれば良いかに向けて行われる、ジャーナリストたちへの訓練を支援している団体だ。
一方、ストーリー自体は広範なメディアから選ばれる予定だ。
この機能は、多くの人びとが、大部分が否定的で厄介なニュースの波に圧倒されていると感じているときに登場した。
こうした悪いニュースへ晒され続けることによって、ストレス、不安、うつ病、場合によってはPTSDさえ招く、精神的健康への長期的影響があると信じる心理学者もいる。心理学者のGraham Davey博士は、もし晒されるニュースが、ストーリーの中の苦しみや感情的要素を特に強調するものであった場合には、その影響はより大きくなる可能性があると、このテーマに関して2015年にはハフィントン・ポスト紙に語っている。
さらに、最近米国心理学会によって行われた調査よれば、半数以上の米国人がニュースがストレスを与えていると語り、多くが不安や披露を感じ、その結果不眠を経験していると訴えている。そしてBlue Cross Blue Shieldの新しいデータによれば、米国人の900万人以上がいまや大うつ病で苦しんでいる、これは2013年から2016年にかけて33%も増加した。
もちろん、多くの人々は情報を知ることが自分の責任であると感じているために、ニュースを取り込み続けている。
残念なことに、日刊紙の時代と夜のテレビニュースの間で変化したものは、人びとがニュースを消費する方法だ。ストーリーは、視覚的または衝撃的な要素が含まれていることが多く、目撃者が撮影したビデオや写真、そしてオーディオクリップが含まれている。また、特定の時間にニュースを読んだり、見たりするのではなく、一日を通して携帯電話も継続的にチェックしている。
ソーシャルメディア中毒であることも救いにならない。継続的に自分のフィードをスクロールし続けることは、何らかの社会的孤立の気分にリンクされているというだけではなく、絶望や悲しみの感情を長引かせることを、いくつもの研究が示している。
Google Assistantからの一連の「良いニュース」がこの問題を解決してくれるわけではない。皆が皆、自分のストレスや不安の原因に自覚的であるわけではなく、自分自身の気分を良くするためのソリューションを追い求めている訳でもないからだ。さらに、多少の良いストーリーをそこここで聞いたとしても、私たちが日頃消費しているものの大勢を占める、「悪い」ニュースストーリーを帳消しにできるわけではない。
Googleは、この機能がある種の「魔法の弾丸」(悪を一撃で打ち倒す弾丸)にはならないことを認めている。
「しかし、それは試してみる価値のある実験です。それは、あなたの日常に良いものをもたらすかもしれない、良い仕事についての良い情報だからです」と同社は言う。
このGoogle Assistantの機能は、携帯電話、スマートディスプレイ、あるいはGoogle Homeデバイスなどの、アシスタント対応デバイス上で機能する。
[原文へ]
(翻訳:sako)