コスメD2CのDINETTEが丸井グループなどから約3億円を調達

コスメのD2Cブランドと美容メディアを展開するDINETTEは5月7日、セレス、ポーラ・オルビスホールディングス、D2C&Co(丸井グループ)、MTG Ventures、サティス製薬を引受先とした第三者割当増資により総額で約3億円を調達したことを明らかにした。

同社ではコスメD2Cブランド「PHOEBE BEAUTY UP(フィービービューティーアップ)」のさらなる拡大に向けてマーケティングや人材採用を強化する計画。本日発売した第3弾プロダクトとなる「毛穴美容液」を始め、新商品開発にも引き続き力を入れる。

DINETTEは2017年3月創業のスタートアップだ。同年4月からInstagramを軸にメイクや美容に関するハウツー動画や新作コスメの紹介動画などを配信しながら事業を拡大。18年2月には自社メディアも開設し、コアなユーザーとの接点を広げてきた。

2019年2月にスタートしたD2Cブランドはメディアで培った経験や構築してきたユーザー基盤も活かされたものだ。DINETTE代表取締役の尾崎美紀氏によるとDINETTEブランドのSNSやオウンドメディアにはトータルで約40万人のユーザーがついていて、新たな商品を作る際にはユーザーが抱えている悩みや化粧品への要望などをアンケートのような形で収集しながら進める。各メディアは新商品をユーザーに知ってもらうための場所としての役割も果たし、今のところは良いサイクルが回っているそうだ。

第1弾プロダクトの「まつげ美容液」はSNS上で拡散されたことをきっかけに発売翌月に初回在庫分が完売。人気アパレルブランドとのコラボレーションに加え、全国のバラエティショップ約200店舗での卸販売にも取り組んでいる。

直近では新型コロナウイルス(COVID-19)の影響による外出自粛をうけ「おうち美容」ニーズが高まっていることに伴い、まつげ美容液の売り上げも増加して3月、4月と過去最高売上を記録しているとのこと。昨年11月に第2弾プロダクトの「フェイスマスク」を発売したことも合わさって、単月の売上は昨年7月の資金調達時と比べて約8.8倍に増加しているという(19年7月と20年4月の比較)。

今回の資金調達はこの流れを加速させることが大きな目的だ。既存投資家であるセレスとポーラ・オルビスホールディングスに加えて、新たに事業会社3社とタッグを組む。

丸井グループが今年2月に設立したD2C&Coとは資本業務提携を締結した。年間2億人が来店するマルイ店舗や700万人を超えるエポスカード会員など丸井グループのリソースを活用しながら、DINETTEの成長を目指していく方針。コロナウイルスの関係で具体的な時期などは未定だが、ポップアップを含むリアル店舗への出店を通じてリテール関連の施策も今後共同で進めていきたいとのことだった。

またMTGグループとはD2Cプロダクトの商品開発や海外展開において、サティス製薬とは商品開発においてそれぞれ連携をとる計画だという。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。