デリバリー中心の新しいレストランを2ヶ月以下で立ち上げるMealcoが約7.3億円調達

Mealcoは、シェフがデリバリーを中心に設計された新しいレストランを立ち上げるのを支援するスタートアップだ。同社は、シードファンディングで700万ドル(約7億3000万円)を調達したことを発表した。

これを読んでいる読者の方々にとっては、レストランの開業が高価でリスクの大きい提案であることは別にニュースではないだろう。そしてもちろん、パンデミックの間に多くのレストランが廃業したことも。

しかし、創業者兼CEOのDaniel Simon(ダニエル・サイモン)氏(同氏は以前はApplicasterでデベロッパーとプロダクトリーダーを務め、テルアビブのレストラングループR2Mでも仕事をしたことがある)は、どんなに景気が良い時でも、スタートするのに100万から200万ドル(約1〜2億円)かかるのは珍しいことではなく、「最初から早いペースで始めたいのであれば、焦点の98%は料理や顧客ではない」と述べている。

一方、Mealcoの場合は、リースやその他の先行費用を契約する必要がなく、シェフは実際に料理やメニューを作ることに集中できる。Mealcoは地元で食材を調達し、それらは同社のキッチンインフラを使って調理され、Uber Eats、DoorDash、Postmates、Seamlessなどの標準的なデリバリーアプリを通して提供される。

サイモン氏によると、Mealcoの場合、新しいレストランを立ち上げて稼働させるまでのプロセスは6~8週間で済むという。「(シェフたちには)もう玉ねぎやトマトを切る必要はないと伝えています。Mealcoの厨房で従業員がどのように(各料理を)下ごしらえすべきか、Mealcoのソフトウェアが伝えてくれます」。

Image Credits: Mealco

また、Mealcoはブランディング、マーケティング、ソーシャルメディアを中心としたサポートも提供しており、シェフにはメニューのパフォーマンスや顧客のフィードバックに関するリアルタイムのデータが表示されたダッシュボードへのアクセスを提供しており、必要に応じて迅速に調整を行うことができる。シェフは「スマートフォンからレストランを管理できる」という。

同社はすでに、ニューヨークのマンハッタン、ブルックリン、そしてクイーンズ地区にあるメキシコ料理店「Tributo」とテネシー州ナッシュビルの辛口チキンレストラン「Cayenne」(後者はシェフのHillary Sterling氏による)の2店のデリバリーを開始している。そして、ウェイティングリストには50人のシェフが登録されているという。

Mealcoのパートナーの誰かが、料理の準備と食体験から切り離されることを気にしているかどうか尋ねたところ、サイモン氏は、それはシェフによると述べた。

「もしあなたが一つの店舗をオープンして毎朝キッチンにいたいのであれば」、Mealcoはあなたには向いていない、と彼はいう。「それは間違っているか正しいかではなく、好みの問題です。しかし、ほとんどのシェフはクリエイターであり、アーティストです。彼らは食べ物を通して自分自身を表現している」。 Mealcoによって、彼らはその創造性に集中できるようになると同氏は考えている。

Rucker Park Capitalがこのラウンドを主導し、FJLabs、Reshape、2048.vc、Oceans Ventures、Wilshire Lane Partners、そして元SeamlessのCEOであるJonathan Zabusky(ジョナサン・ザバスキー)氏を含むエンジェル投資家たちが参加した。サイモン氏によると、今年はニューヨーク市とその周辺地域全体で立ち上げ、来年には他の都市に進出する計画だという。

Rucker Park CapitalのゼネラルパートナーであるWes Tang-Wymer(ウェス・タン・ワイマー)氏は声明の中でこう述べている。「ここ数年は、食品エコシステムの進化を肌で感じる機会となりました。これらの進歩をすべて取り入れ、新しいフォーマットで新しいブランドを立ち上げる時期が到来しているといえます。Mealcoでは、シェフがこれまで以上に迅速かつ低コストで『アイデアからテーブルへ』のプロセスを実現できるようにすることで、レストランのイノベーションのフロンティアをさらに押し進めるための最も説得力のあるモデルを見つけました」と述べている。

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カテゴリー:フードテック
タグ:資金調達

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(翻訳:Dragonfly)

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TechCrunch Japan

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