GitLabが有料サブスクリプションプランの構成を変更、Bronze / Starterを廃止

ますます人気のあるDevOpsプラットフォームであるGitLabは米国時間1月26日、サブスクリプションモデルのメジャーアップデートを行った。同社はまず、月額4ドル(約420円)のBronze / Starterパッケージを廃止する。ユーザーは現在の料金でもう一度更新するか、または上位のティアへ移動することになる(移行後、最初の3年は大幅な割引がある)。

なお、同社の無料ティアはなくならない。GitLabによると「Bronze / Starterにあった機能の89%が無料ティアにある」という。

GitLabの創業者でCEOのSid Sijbrandij(シド・シジブランダイ)氏によると、これはチームにとって難しい決断だったという。特にBronzeプランの人たちにとって大きな変更であることを、彼も認めている。「私たちにとって以前からの宿題だったことを、ご理解いただきたい。それに、すばらしいレガシーの料金体系は現在でも残っている」とシジブランダイ氏はいう。ユーザーからのフィードバックは大歓迎だそうだ。

ショックを和らげるためにBronzeのユーザーは2022年1月26日までこれまでのサブスクリプションプランを更新し、さらに1年間利用できるようになる。また、今後3年間はPremiumプランに割引価格で移行することも可能で、最初は1年目にはユーザーあたり月額6ドル(約630円)から始まり、2年目にはユーザーあたり月額9ドル(約940円)、3年目にはユーザーあたり月額15ドル(約1570円)になる。新規ユーザーの場合、Bronzeパッケージは現在提供されていない。

画像クレジット:GitLab

結局のところ、今回の値上げはGitLabにとって純粋に財務的な意思決定だ。シジブランダイ氏によると、Bronzeの顧客は一人ひとりがGitLabにとって赤字になっている。「Bronzeでは損をして販売しています。売れるたびに、私たちはお金を失っています。ホスティングとサポートの費用も出ない。持続可能なビジネスであるためには、今回の措置が必要でした。顧客にとって大きな変化ですが、弊社を持続可能な企業にし、今後の投資も続けたいと考えています」とシジブランダイ氏はいう。

同氏によると、チームはBronzeの料金を上げる方に傾いていたという。しかし「あらゆるオプションを検討した結果、値上げすればPremiumと変わらないようなものになってしまう。この2つがあまりにも重複していても意味がない」とシジブランダイ氏は説明した。

今回の変更でGitLabが提供するティアは3つになる。それらはFree、PremiumそしてUltimateだ。なお「Silver / Premium」と「Gold/ Ultimate」も廃止になる。

Freeは、ユーザー数が最も多い人気プランでありそのまま残される。GitLabにとって最も損をしているティアであることは確かだが、CI / CDのクレジットは限られているしサポートのオプションもない。だからロスだとしてもGitLabにとって価値のあるロスだ。シジブランダイ氏によると、同社は本来オープンソース企業であるため、無料でオープンなサービスがあることはいわば義務だという。

関連記事:DevOpsプラットフォームのGitLabが6240億円の評価額で200億円のセカンダリーセールを実施

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GitLabオープンソースDevOps

画像クレジット:GitLab

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。