世界が新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに苦しんでいる中、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は4月16日、毎年恒例のAmazon(アマゾン)株主へのレターを発表した。同社はほぼあらゆる面で新型コロナの影響を受けており、当然のことながらオープンレターの中身は、現在も続いている新型コロナウイルス危機への対応が中心となっている。
その中でも特に細かく言及しているのが、先週発表されたAmazonが独自に設置するテストラボについてだ。ベゾス氏はレターの中で、同社が「まったく症状のない人を含め、全社員の定期的なテスト」を検討していると記している。多くの患者は症状がないため、定期的なテストは感染拡大を止めるのに理想のものだ、とレターにはある。
そうしたテストが義務となるのかどうかは明らかではない。また、症状のない従業員のテスト義務化が法的にどうなのかもはっきりしない。米雇用機会均等委員会が最近公表した新型コロナ流行に関するADAガイドラインには、「パンデミックの間、雇用主は従業員が新型コロナの症状を示していたらテストを尋ねてもよい。症状には発熱、悪寒、咳、息切れ、喉の痛みなどが含まれる」とある。
もちろん、テスト提供に限りがあることは議論すべき問題だ。しかしAmazonが準備しているのは、社内でのウイルス拡散、また社外にウイルスを広げるのを阻止するための従業員テスト専用のラボだ。結局のところ、自宅に閉じこもっている多くの米国人にとってAmazonはなくてはならない小売となっている。少なくとも同社の74の倉庫・配送センターの従業員でウイルス陽性が確認された。このウイルスはボール紙の表面で24時間、プラスティック表面だと数日間生きることができる。また、箱などの表面を介してうつることもあり得る。
「テスト対応能力を上げるべく取り組んでいる」とベゾス氏は書いている。「研究科学者からスペシャリストを引っ張ってくるプログラムマネジャー、ソフトウェアエンジニアに至るまで、Amazonチームは通常の業務を離れてテストラボの設置に専念している。初のラボを設置するために必要な装置の組み立てを開始し、フロントラインの従業員へのテストを間もなく少数で始めたい。どれくらい作業が進められるか確かではないが、試す価値はあると考えている。何か明らかになれば情報を共有する」。
同社はまた、従業員がウイルスを保有していないかを判断するため、世界中の同社の建物で体温チェックを導入した。その他の対策としては、定期的な消毒、マスクの支給、社会的距離維持の義務化がある(こうした手段をとればウイルスに感染する可能性は低いとするWHOのポリシーのアップデートをTechCrunchに案内してきた)。
今週初め、同社の危機対応を声高に批判した従業員2人が解雇されたことが明らかになった。2020年3月に解雇されたスタテン島の従業員を含めると、解雇者は計3人になる。同社は、解雇と社会からの批判の関連性を否定し「内部規則を繰り返し破ったためにこれらの従業員を解雇した」と主張した。
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(翻訳:Mizoguchi)