CES 2021に先駆けてShowShoppersと台湾貿易センターが厳選した台湾エクセレンス受賞製品7点を紹介

台湾はFoxconn(フォックスコン)、Pegatron(ペガトロン)、TSMC、Acer(エイサー)、ASUS(エイスース)などが本社を構えるテック産業の原動力として知られている。しかし、名の通った大手企業の印象が強い台湾のテック業界ながら、そこは躍進するスタートップシーンの拠点でもある。CESの公式開幕に先立ち、台湾の貿易を促進する非営利団体対外貿易発展協会(TAIRA)とShowShoppers(ショーショッパーズ)は、台湾エクセレンス賞の受賞スタートアップの製品を紹介した。受賞したのは7社だが、その他11社も紹介された。それらの企業はフィットネス、医療、工業用モニターなど幅広い分野をカバーしている。

さらに多くのスタートアップが、来週開催されるCESのTaiwan Tech Arena(台湾科技新創基地)が主催する台湾パビリオンに出展される予定だ。

7つの台湾エクセレンス受賞製品

Advantech WISE-2410振動センサー(画像クレジット:Advantech)

AdvantechのLoRaWANソリューションは、遠近幅広い距離の機器を制御できるようデザインされており、洪水、病院の救急患者、運送インフラの監視など、多様なセンサーアレイに利用されている。同社の最新2機種のうちの1つは、最大500基のセンサーが接続でき、3G / LTEまたは有線のEthernetでクラウドにデータを送信できるWISE-6610。もう1つは、モーターを搭載した機器の振動を感知して潜在的問題点を特定し、故障を引き起す前に工場管理者がメンテナンスのスケジュールを組めるようにしてくれるWISE-2410がある。結果として修理のために機械を止めるという高コストな対応を回避できる。

画像クレジット:CyberLink

CyberLink(サイバーリンク)はセキュリティ、スマートリテール、アンケートなどのAIoTアプリに使われる、機械学習を用いたFaceMe Facial Recognition Engine(フェイスミー顔認証エンジン)を開発した企業。新型コロナウイルスのパンデミックが続く中で発表されたCyberLinkの新製品FaceMe Heaith(フェイスミー・ヘルス)は、マスクをしていても顔認証が可能で、またマスクをしていない人や熱のある人に警告を出すことがでる。病院、空港、店舗、工場などの感染対策を支援するためのものだ。

画像クレジット:Dyaco

Dyaco(ダイアコ)の運動器具製品ラインSOLE Fitness(ソール・フィットネス)に、新しくSOLE CC81 Cardio Climber(カーディオ・クライマー)が加わった。ステッパーとクライマーをかけ合わせたマシンだ。SOLE CC81は、関節の負担を抑えつつ有酸素運動ができるよう人間工学に基づきデザインされている。

画像クレジット:Green Jacket Sports

Green Jacket Sports(グリーン・ジャケット・スポーツ)は、Golface(ゴルフェース)スマートシステムを披露した。ゴルフコース管理者のためのコースの監視や運用データのリアルタイム収集を行うもので、ゴルファーがプレイしている最中でも使える。その他このスマートシステムは、航空動画を追加したり、リアルタイムでスコアを付ける機能もある。

画像クレジット:Maktar

Maktar(マクター)は、スマートフォン用のバックアップ機器Qubii(キュービー)のメーカー。小さなサイコロ型の装置で、充電中にスマホの中の写真などをバックアップする。インターネットもWi-Fiも使わない。microSDカードをQubiiに差し込み、スマホを通常の充電用ケーブルでコンセントや充電器に挿し込むだけ。充電するごとに、Qubiiは写真、動画、連絡先情報のバックアップを取る。また、同社の特許技術であるSDカードのロック機能によりデータが保護される。

画像クレジット:MiTAC Digital Technology

MiTAC Digital Technology(マイタック・デジタル・テクノロジー)のMio(ミオ)シリーズ車載カメラは、駐車場などの暗い場所でも鮮明な動画が撮影できる。最新型のMiVue(ミービュー) 798は、Sony(ソニー)のローライトセンサーSTARVIS(スタービス)と全ガラスレンズを採用し、最大2.8Kのワイドレンジ動画が撮影できる。また MiVue 798にはWi-Fi接続機能が内蔵されているため、MiVue Proアプリを使って動画のバックアップやシェアも行える。その他、GPSトラッキング、車間距離と制限速度の警告、車線の逸脱、運転車の疲労、前方衝突を警告する運転支援機能もある。

画像クレジット:Winmate

Winmate(ウィメイト)は、車両点検用のM133WK Ultra Rugged(ウルトラ・ラゲッド)タブレットPCを公開する。第8世代Intel(インテル)Core i5-i5-8265U Whiskey Lake(ウイスキーレイク)プロセッサを搭載。省電力で高い性能を発揮するM133WKの1920 × 1080ピクセルPCAPタッチパネルは、強い日光の下でも画像がよく見える。

TAITRAとShowStoppersが紹介するその他のスタートアップ11社

ATrack(エイトラック)のAK11 Fleet Hub(フリート・ハブ)は、さまざまな分野でフリートをリアルタイム管理できる4G LTEデバイス。

ELECLEAN(エレクリーン)360は「世界初のナノ触媒電気化学テクノロジー」と同社が称する技術を用い、水を過酸化水素水と水酸ラジカルに変換して洗浄と殺菌を行う。

InWIN Development(インウィン・デベロップメント)は、SR Pro CPU冷却器を発表する。特許技術のツインタービンポンプを並列に配置して水の流れを最適的化し、熱管理能力を高める。さらにPCを急速冷却するための高風量AJF 120ファンも搭載している。

Innolux(インノラックス)は、テレビ、モニター、ノートパソコン、工業、医療、モバイルなど数多くの分野で利用される液晶パネルを幅広く製造している。

Planet Technology(プラネット・テクノロジー)は、PLANET Powerful Enterprise VPN Cybersecurity(パワフル・エンタープライズVPNサイバーセキュリティ)と呼ばれる「新型コロナ後の時代」に向けた安全性の高いネットワークとファイヤーウォール・ソリューションを開発している。

Rice Air(ライス・エアー)は、フィルターを使わないナノテクノロジーを利用した個人向け空気清浄器LUFT Cube(ラフト・キューブ)を作っている。

Systems & Technology Corp(Systech、システック)のフリート管理プラットフォームは、インテリジェントなテレマティクスを利用して、車両がどこにいるかを管理者に知らせ、フリート管理を効率化する。

Tokuyu Biotech(トクヨ・バイオテック)は、アプリやセンサー技術に接続できるスマートな小型マッサージチェアや医療関連機器を製造している。

Winnoz(ウィノーズ)は、真空アシストによって指先から採血ができるポータブルな血液採取装置Haiim(ハイム)のメーカー。

WiseChip(ワイズチップ)は、タッチ機能付きの透明有機ELディスプレイを開発している。家電品、自動車、交通機関(乗客向け情報表示システムなど)、ウェアラブル機器の操作パネルに使われている。

Yztek(耀主科技:ヤオズジシュ)のE+ Autoff(イージャ・オートフ)は、コンロの消し忘れに対処するIoT機器。自動的に火を消してくれる他、調理時間の設定や省エネ機能もある。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:CES 2021台湾

画像クレジット:Cavan Images / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

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TechCrunch Japan

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