サムスンが「低価格のプレミアムChromebook」という矛盾した存在を具現化

CES 2021の開幕まであと少し。今年最大の家電ショーは新型コロナウイルスの影響により、オンラインで開催されることになっているが、そのためすでにいくつかのメーカーはショーの正式開幕前に、独自に新製品の発表を行っている。

Samsung(サムスン)が発表したGalaxy Chromebook 2(ギャラクシー・クロームブック2)は、ほぼ間違いなく、今回のショーで登場する新製品で最も注目度の高いものの1つだろう。

この新型2 in 1機は、初代の発表からほぼ1年ぶりの登場となった。先代の魅力的な部分は多くが受け継がれているように見えるが、注目すべきは大幅に改善されたその価格だ。Chrome OSを搭載するこのポータブル機は、先代が999ドル(約10万400円)だったのに対し、今回ははるかにリーズナブルな549ドル(約5万7100円)からとなっている。

画像クレジット:Samsung

ただし注意してほしいのは、この価格で買えるモデルは第10世代のIntel Celeron(インテル・セレロン)プロセッサを搭載していることだ。Core i3がほしければ、699ドル(約7万2600円)からとなる。少々高くなるものの、日常的に使えるマシンを求めるユーザーなら、こちらを検討した方がよいだろう。それでも初代よりずっと安価だ。とはいえ、2020年型モデルがCore i5以上を搭載していたことは留意すべきだろう。つまり、価格の引き下げによってプロセッサも若干ダウングレードしたといえるわけだ。

バッテリー駆動時間は初代の抱える問題の1つだったが、この点に関しては新型はまだ未知数だ。Chromebook 2では、初代の4K AMOLEDに代わり、新たにQLEDディスプレイを採用(Chromebookでは世界初とサムスンは主張する)。これによって駆動時間が改善された可能性はある。

第一世代と第二世代の間で施された変更は、各メーカーがいまだにはっきりと「プレミアムChromebook」には何が必要かを掴んでいないということが明確に現われている。結局のところ、このフレーズが「矛盾」しおていたのは、決して昔の話ではないのだ。

サムスンのコンピューティング部門のGMであるShoneel Kolhatkar(ショニール・コルハトカー)氏は、これについて一般的な思考プロセスを、プレス発表の中で非常に上手くまとめている。

多くの子供たちは学校でChromebookを使って育ってきましたが、社会人になるとニーズが変化し、直観的なGoogle体験を向上させるプレミアムでパワフルなハードウェアを求めます。私たちはこのようなユーザーを念頭に置いてGalaxy Chromebook 2を設計しました。Galaxy Chromebookで人気の高かった特長(素晴らしいビジュアル、優れたスペック、豪華なデザインとカラー)を取り入れ、より多くのお客様にご提供します。

ある意味、サムスンはGoogle(グーグル)がPixelbook(ピクセルブック)からPixelbook Go(ピクセルブック・ゴー)に至ったのと同じような道筋を辿っている。そして今のところ、Googleがこの分野では非常におとなしくしているため、サムスンにとって市場にはかなりのスペースが残っている。

Galaxy Chromebook 2は、13.3インチのディスプレイと、4GBまたは8GBのRAM、64GBまたは128GBのストレージを搭載し、今四半期後半に発売される予定。カラーはグレーの他に、お好みなら「Fiesta Red(フィエスタレッド)」を選ぶこともできる。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:SamsungChromebookCES 2021

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(翻訳:TechCrunch Japan)

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TechCrunch Japan

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