企業の医療保険と優れた外科診療所をつなぐCarrum Healthが約41.6億円の資金を調達

雇用者主が出資する保険プランと卓越した外科診療所をリンクするサービスを6年前に開始したCarrum Health(キャラム・ヘルス)は、事業を推進する追い風を利用して新たな資金調達ラウンドで4000万ドル(約41億6000万円)を調達した。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行が米国の医療システムにおける亀裂を露呈する中、雇用主が従業員の保険加入にかかる多額の費用を管理するための方法の1つとして、自分たちで医療の管理を引き受けることが挙げられる。

雇用主の負担が増えるにつれ、必要な医療の一部を低コストで管理するサービスを提供するCarrumのような企業は、投資家にとってますます魅力的なターゲットになっている。

Carrum HealthがTiger Global Management(タイガー・グローバル・マネジメント)、GreatPoint Ventures(グレートポイント・ベンチャーズ)、 Cross CreeK(クロス・クリーク)などの投資家を惹き付けることができたのはそのためだ。

Carrum Healthによれば、この資金はより多くの顧客への営業とマーケティング、より多くのサービスの追加、および既存の技術スタックの改善に使われるという。

Carrumは機械学習を活用して、外科手術の成果と医療に関するデータを収集・分析し、米国全土から優れた外科診療所を特定する。

同社は、自家保険の雇用主に、外科診療所から直接サービスを一括価格で購入する機会を提供している。これによって手術費用の最大50%を節約することが可能になる。

Carrumを利用すれば、自己負担金、控除、共同保険はなくなる。代わりに顧客はCarrum Healthに料金を支払い、30日間の手術保証を受けることができる。これは手術が失敗した場合や合併症による治療に関連する費用を、医療提供者がカバーすることを意味する。

従業員はモバイルアプリを使って、手術前、手術中、手術後のバーチャルケアを受けることができる。

「長年にわたり、業界では患者の利益になるように医療を再設計することについて話し合ってきました。それを本当に実現する唯一の方法は、医療の根底にある経済性に取り組むことですが、これは本当に難しい課題です」と、Carrum Healthの創設者でCEOのSach Jain(サック・ジェイン)氏は声明で述べている。「雇用主は今や、従業員の患者が経済的な悩みを抱えることなく、より良い医療を受けられるようにするための近代的なテクノロジー主導のソリューションを利用できます。2021年に私たちは、さらなるサービスを提供して、その範囲と影響力を拡大していきます。より良い医療の未来を切り開くことができたことをとても光栄に思います」。

Carrum Healthによれば、同社の顧客にはQuest Diagnostics(クエスト・ダイアグノスティクス)やUS Foods(ユーエスフーズ)をはじめ、小売、製造、通信、保険などの非公表の組織も含まれるいう。

同社のプラットフォーム上には、Johns Hopkins HealthCare(ジョンズ・ホプキンス・ヘルスケア)、Mayo Clinic(メイヨー・クリニック)、Tenet Healthcare(テネット・ヘルスケア)などが「優れた外科診療所」として登録されている。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Carrum Health資金調達医療

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(翻訳:TechCrunch Japan)

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TechCrunch Japan

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