人気言語学習アプリのDuolingoは、Drive Capitalがリードインベスターを務めたシリーズEで2500万ドルを調達した。reCAPTCHAのファウンダーLuis on Ahnが共同設立した同社の合計調達額は1億830万ドルにのぼり、彼らによれば今回のラウンドで評価額は7億ドルに達したという。
グロース・マーケティング担当VPのGina Gotthilfいわく、複数の企業から投資提案があったものの、その中でもっともミッションを共有できた(そしてもっとも良いオファーを提示した)Drive Capitalから投資を受けることに決めたとのこと。さらに、Duolingoは現時点で資金を必要としていたわけではなかったものの、結局必要ないときの方が資金調達しやすいということもあり、Driveのオファーを受けることにしたと彼女は話す。
また同社のユーザー数は最近2億人を越え、MAU(月間アクティブユーザー数)は2500万人にのぼるという。
設立から5年が経過したDuolingoは、今回調達した資金を使って、現在約80人のチームをエンジニアやデザイナーを中心に増員して2018年中に150人まで増やそうとしている。さらにプロダクト群も拡充していく計画だ。具体的には、中級レベルのユーザーをターゲットとした新しいプロダクトを複数ローンチ予定だとGotthilfは言う。そのひとつめがDuolingo Storiesと呼ばれるもので、このプロダクトは初級者を主なターゲットにした現在のDuolingoよりも難しい問題で構成されるようだ。名前が示す通り、Storiesはこれまでのものよりも長いストーリーが中心になるとのことだが、詳細はまだ明かされていない。
また、アジア言語として初めてDuolingoに登場した日本語コースに加え、今年中(2018年頭までズレる可能性もあるが)には韓国語・中国語コースのローンチも予定している。
もうひとつ彼らが力を入れているのが人工知能だ。既にDuolingoは簡単な会話ができるチャットボットを提供しているが、まだこの部分には改善の余地があると考えている。
昨年von Ahnは、サーバー代や従業員の給与といった経費に1日あたり4万2000ドルかかると記していた。それを考慮すると、彼らが新しいマネタイズの方法を模索しているのにも納得がいく。
Duolingoはもともと無料サービスを利用する言語学習者を活用し、有料顧客に向けて翻訳サービスを提供しようとしていた。しかし結局そのアイディアはうまくいかず、去年同社はアプリ上に広告を掲載し始め、広告の表示されない有料プランをローンチした(Android版アプリのみで、iOS版にはこれから導入予定)。さらに、TOEFLのような有料の英語検定試験も提供しており、現在では世界中の大学や企業、政府系機関で公式な言語能力試験として認定されている。
売上などの数字は公表されていないが、Gotthilfは今回の評価額に売上の伸び具合が反映されていると語った。
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(翻訳:Atsushi Yukutake)