これまで何年間も、ほとんどの人が、そしらぬ顔をして、離着陸時に携帯などの電源を切らずに、その代わり画面をスリープにしてシートポケットに放り込んでいた。しかし今度からは、それを堂々とやってもよい。空の旅を監督する政府のお役所である連邦航空局(Federal Aviation Administration, FAA)からの今日の発表(米国時間10/31)によると、旅客が電子製品を機内に持ち込むときの規制が、これからは、あまり厳しくなくなる。
でも祝杯を挙げるのは早い。それは、今まさに巨大な金属塊が地球の引力に逆らって空中に自分を放り出そうとしているとき、Candy Crushに夢中になっていてもよい、という意味ではない。FAAによると、規則は航空会社ごとに違っていてもよい。保有機のタイプや操業方式などが、同じではないからだ。ただしFAAの期待としては、多くの航空会社が年内には、旅客が出発ゲートを出てから到着ゲートに入るまでの間(かん)、機内モードでのガジェットの使用を許可するであろう。
旅客は離着陸時でも、eリーダーを使う、ゲームをする、ビデオを見るなどなどのデバイス利用ができる。使用しない場合は、シートバックポケットに入れておくこと。ガジェットは機内モードにしておくか、または、離着陸/タキシング時には携帯電話としての使用(セルサービスの利用)をoffにしておくこと。一般のWiFiやBluetoothの使用は、フライト中に続けてもよい。
今回のFAAの新しいガイドラインは、実はもっと細かい。そのすべてを、以下に簡潔にリストアップしてみよう:
1. 安全を最優先せよ。
2. PED(携帯電子機器)ポリシーの変更は直ちには発効せず、また航空会社によって異なる。PEDの使用条件については、利用する航空会社に問い合わせよ。
3. 現行のPEDは、航空会社が新たなポリシーの安全性評価を完了し、FAAの認可を取得するまで有効である。
4. セルフォーン(携帯電話)で音声通信をしてはいけない。〔==電話の使用は禁止。〕
5. デバイスは必ず機内モードで、またはセル接続を無効にして使用しなければならない。航空機にWiFiシステムがあって航空会社がその使用を許可するならば、WiFi接続を利用してよい。ワイヤレスキーボードのような短距離のBluetoothアクセサリも、使用を続行できる。
6. 重いデバイスは、座席の下や頭上の戸棚(オーバヘッドビン)に正しく収納すること。これらのアイテムは、航空機の退避を妨げたり、乱気流や事故時に人に負傷を与えたりすることが、ありえる。
7. 乗務員が安全のための注意を述べているときは、デバイスや本や新聞を下に置き、乗務員の指示にしたがうこと。
8. 離着陸時に乗務員の指示にしたがって上記アイテムをしっかり保持する時間は、ほんの数分である。
9. 全フライトの約1%で起きる視界不良時には、一部の着陸システムがPED許容タイプでないことがありえる。その場合は、乗務員の求めに応じてデバイスをoffにせよ。
10. つねに乗務員の指示に従い、求められた場合には直ちにデバイスをoffにせよ。
今年の初めにFAAは、飛行時の個人的電子機器に関する規則を緩和する気配を見せたが、そのときも、直ちに無条件全面許可にするつもりではない、という注釈があった。FAAの労作とも言える今回のガイドラインは、実施規則が航空会社によって異なるとし、そのFAAによる承認を義務付けている。新しい実施規則の作成と提出について最初に発表した航空会社はDelta航空で、FAAへの提出予定日を11月1日としている。
運が良ければ、クリスマス休暇で実家に帰省するとき、機内で新品のiPad Airを使って、Home Alone 2を見られるかもしれない。これからは、そんな空の旅になるのだ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))