GMが船舶用電動モーターメーカーPure Watercraftの株式25%を取得

General Motors(ゼネラルモーターズ、GM)は、シアトル拠点の電動ボート会社Pure Watercraft(ピュア・ウォータークラフト)の株式25%を取得した。GMの今回の動きは、2025年までに電気自律走行テクノロジーに350億ドル(約4兆200億円)を投資するというコミットメントの一環として、ボートやその他の車両を含むあらゆる電動の乗り物へ関心を広げていることを反映している。

Pure Watercraftは、25~50馬力のガソリンエンジンを搭載したボートのドロップイン代替として使用できる、Pure Outboardと呼ばれる全電動船外モーターシステムを製造している。また、大手ボートメーカーと提携し、はしけ、釣り用ボート、硬式ゴムボート2種など、電動ボートの完成品を販売している。

Pure Watercraftによると、ガソリンエンジンと比較して電気システムはメンテナンスが不要で、化石燃料による汚染もない。また、Pure Outboardでは15%の充電量で、20マイル(約32km)を航行する4時間近い釣りクルーズができる、と同社のウェブサイトにある。

同社は2020年9月、生産を本格化させるべくL37がリードしたシリーズAで2300万ドル(約26億円)を調達した。この9年前に、CEOのAndy Rebele(アンディ・レベレ)氏が会社を設立した。今回のGMの出資により、両社はバッテリー技術の共同開発と商業化を進め「GMの技術をさまざまな用途に統合していく」とGMは声明で述べた。

今回の出資は、道路交通車両や航空機を超えて、従来のガソリン駆動に支配され続けてきた輸送やモビリティの形態に電気技術が向かい始めていることを示す最新例だ。創業10カ月の電動船舶スタートアップArcは10月、複数の新しい投資家を迎え入れるなどし、総額700万ドル(約8億円)を調達した。また、シアトルのスタートアップZin Boatsは電動スピードボートの開発を進めている。

GMは、鉄道や航空宇宙など他のモビリティ産業での自社技術の利用をすでに検討していて、今回の動きは注目に値する。2021年初め、GMはWabtecと提携して水素燃料とバッテリーを使用した電気貨物機関車を開発した。また、Liebherr-Aerospaceとの提携で航空機用の水素燃料電池実証システムを共同開発することも発表した。

画像クレジット:Pure Watercraft

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。