Googleがクラウドから提供しているデータベースが今日(米国時間4/25)、アップデートされた。画期的な新製品に生まれ変わったわけではないけど、それらのアップデートはすべて、企業がクラウドへ移行するときに経験するさまざまな痛点に対処している。
Googleのプロダクト管理のディレクターDominic Preussによると、Googleは長年、データベースの世界における思想のリーダーを自負している。思想のリーダーとは言ってもこれまでは、Bigtableに関するペーパーなどが主で、実際の製品で示す思想ではなかった。しかし最近では、グローバル分散データベースCloud Spannerが示すように、市場でもその姿が目立つようになった。
Preussによると、Googleのエンタープライズユーザーは彼らの既存のワークロードをクラウドへ移すことから始めるところが多い。しかしそれが一巡したら、新しいアプリケーションをクラウドに載せようとする。そしてそのとき求めるのが、クラウドのプロバイダーがアプリケーションやインフラの管理を肩代わりしてくれる、いわゆるマネージドサービスだ。
今日の発表も、エンタープライズに、彼らが求めるある種のマネージドデータベースサービスを提供していくことがメインのテーマだ。
まずそれは、ベータでローンチされるCloud Memorystore for Redisだ。これは完全に管理されるインメモリのデータストアで、大きなバッファリングをインメモリのキャッシュでやりたい、などのニーズに応える。
ビッグデータワークロード用のNoSQLデータベースサービスCloud Bigtableに、新しい機能が加わった。その、いずれregional replication(リージョナルレプリケーション)という正式名で呼ばれることになる機能は、オンプレミスのワークロードにApache Cassandraを使っていたエンタープライズに、Google Cloudにおけるその代替系を与える。そして、この、異なるゾーンにまたがるレプリケーションにより、Google Cloudに保存するデータの可用性と耐久性が高くなる。
今回のアップデートには、Cloud SQL for PostgreSQLのSLAにおける可用性を99.95%にすることも含まれる。またCloud Spannerには、コミットのタイムスタンプがつく。
Googleのクラウドデータベース周辺には、今後どんな新メンバーが登場するのか。Preussはその答を言わないが、今同社はエンタープライズができるだけ多くのワークロードをクラウドへ移行できるようにしたい、と考えているそうだ。つまり、マネージドサービスが今後も増える、ということだろう。