Tempow、AirPodsクローン用Bluetoothプロファイルを発表――複数スピーカー駆動が可能

TempowはBluetoothの利用範囲を拡大するソフトウェアを開発してきた。このフランスのスタートアップがTrue Wireless BluetoothとよばれるBluetoothプロファイルを発表した。これによりAppleのAirPodsのクローンを作ることが誰でもできるようになる。

多くの企業が左右のイアフォンをケーブルで接続しないイアフォンを作ろうとしてきたが、どれもAppleのAirPodsほどの優秀さを達成できていない。理由はAppleが独自のチップとソフトウェアを搭載しているためだ。そのため他のメーカーはAirPods同様の体験を再現できずにいる。

左右のイアフォンを魔法のように接続している点を別にすれば、AirPodsの使い勝手の良さは通常のBluetoothオーディオ(A2DP)規格を利用しているところにある。標準的規格の採用により、iPhoneばかりでなく、Androidや古いWindowsノーPCとも接続が可能になっている。

しかしA2DPは通常、一つのデバイスと一組のイアフォンしか接続できない。この点はAirPodsでも同様だ。AirPodsをあるデバイスとペアリングした場合、BluetoothはAirPodsの片方と接続する。反対側のイアフォンはこの最初のリンクを利用する。

他のメーカーもワイヤレス・イアフォンを作ろうとしてきたがハードルが高かった。たとえばNFMI(Near Field Magnetic Induction)テクノロジーは左右のイアフォンを接続することできるがバッテリー消費量が大きくレイテンシーの問題が発生する。

今回Tempowが提供を始めたマルチ・ストリーミング・オーディオは新しいBluetoothプロファイルであり、これを利用すると通常のBluetoothチップセットを搭載したデバイスで複数のスピーカーを駆動できる。さまざまな応用範囲が考えられるが、まず完全ワイヤレスなイヤフォンの製造に使われそうだ。。

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滑川海彦@Facebook Google+