FordとMITが学生用のオンデマンド電気シャトルバスプロジェクトで連携

Graduate student Justin Miller and undergrad Wally Wibowo of the Aerospace Controls Lab working on vehicles outfitted with sensors that match those of self-driving cars. This work is part of the Ford-MIT Alliance and aims to predict pedestrian behaviors on short time-scales while also providing data to support a mobility-on-demand system for the MIT campus."

Fordは現在マサチューセッツ工科大学(MIT)と共同で、マサチューセッツ州ケンブリッジにあるMITのキャンパスにて、学生がキャンパス上そして街中でクラス間の移動に使える、オンデマンドの電気シャトルバスを配置するという研究プロジェクトに取り組んでいる。3台準備予定のシャトルバスを学生がスマートフォン上のアプリで呼び寄せることで、ドライバーがすぐにピックアップに向かう。この研究プロジェクトは、歩行者の移動パターンを明らかにすることを目的としており、気象情報や授業のスケジュールといったデータとLiDARやその他のセンサーを利用しながら、オンデマンドサービスの最適化が行われる予定だ。

Fordにとって今回のMITとのコラボレーションは、ミシガン州にあるFordのディアボーンキャンパスで、現在従業員の移動に使われているシャトルバスの運営を行っているDynamic Shuttleプロジェクトの進展のためだけではなく、Ford Smart Mobilityの下で行われている、様々な種類の未来の移動手段を模索する動きにも役に立つと考えられている。具体的には、Fordはプロジェクトの現在のフェーズで、今公道を走っている車に取り付けられたLiDARよりも低画質の画像を利用したLiDARシステムで、歩行者を検知する機能を向上できないかという検証を行うつもりだ。

「現在利用されている自動運転車にはLiDARが使われており、将来的にも引き続きLiDARが使われる可能性が高いです」とFordの自動運転車分析部門のマネージャー兼テクニカルリーダーであり、今回のMITが参加するプロジェクトのリーダーでもあるBryan Goodmanはインタビューの中で説明した。「このプログラムでは、様々な方法を用いて既存のLiDARユニットよりも低画質の画像を使ったLiDARで歩行者を検知する実験を行いながら、十分な情報収集を行おうとしています」

Graduate student Justin Miller and undergrad Wally Wibowo of the Aerospace Controls Lab working on vehicles outfitted with sensors that match those of self-driving cars. This work is part of the Ford-MIT Alliance and aims to predict pedestrian behaviors on short time-scales while also providing data to support a mobility-on-demand system for the MIT campus.

自動運転車に利用されているセンサーを装備した車両の整備を行っている、MIT Aerospace Controls Laboratory所属の大学院生Justin Millerと学部生のWally Wibowo。これはFordとMITの共同研究の一部で、短時間での歩行者の行動予測と、MITキャンパスでのオンデマンド移動システムをサポートするデータ収集を目的としている。William Litant/MIT

低画質のLiDARシステムが上手く機能すれば、たくさんの可能性が開けてくる。例えば、ハイブリッド自動運転技術におけるカメラからの情報への依存度が低下することで、自動運転車の生産コストが下がる可能性が高く、結果的に自動車メーカーが大量生産を行えるようになるだけでなく、車の所有者やシェアリングサービスの利用者にとってのコストも下がることになる。この研究プロジェクトでは、車両にドライバーが常駐する他、街中よりも管理された環境の下で実験が行われるため、現実に即した実験場としての利点を利用しつつも、低画質のハードウェアを使用した実験を安全に行うことができる。

また、本プロジェクトでは、実際にシャトルサービスを利用する学生に対して良質なカーシェアリングサービスを提供できるよう、利用可能なリソースを最大限活用しようとしている。例えば、研究チームが移動に関するデータを収集後に分析し、その結果が乗り降り地点や移動ルートの最適化に利用される。

Goodmanは、データ分析を通して移動に関する需要予測が行われ、さらにアルゴリズムが、予測内容を処理することでカスタマーサービスを最大化するためのシャトルバスの位置を割り出すことができるようになっていると言う。そして、この情報がドライバーへと送り返されることで彼らの運転パターンが決まる。このプロセスが繰り返されることで、時間や天気などの条件に関係なく、可能な限り最高のサービスを提供することができるのだ。

Goodmanによれば、プロジェクトの今のフェーズが今年の終わりまで続く予定で、MITとFordは既にそれ以降のフェーズについても考え始めている。さらに彼は、次のステップのひとつとしては、ドライバーのいる電気シャトルバス(Ford用語でmobility-on-demandまたはMOD車と呼ばれている)を、完全な自動運転車に切り替えるということが挙げられ、現在のフェーズでの学びや収集されたデータが、そのゴールを達成するにあたって重要になってくるだろうと語る。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

イーロン・マスクがマスタープランの第2章を公表、実現までの7ステップまとめ

musk-tesla-solarcity

なぜTeslaはSolarCityを買収したのか?それは、屋根に取り付けたソーラーパネルの電力で、自動運転する電気ピックアップトラックを充電するためだ。Elon Muskはさきほど彼の掲げる「マスタープラン」の第2部を公表した。ここに要点をまとめたので、読者も未来の世界を覗いてみよう。

hero

1. ソーラーパネルとバッテリーの組み合わせ

Teslaはすでに巨大なバッテリーである「パワーウォール」を作り、Muskのソーラー電力会社SolarCityを買収した。一括で発電と電力の保管を行うために、両者を組み合わせる計画だ。

tesla_auto_bots

2. プロダクトとしての工場

Teslaは工場の自動化を進め、2022年には5倍から10倍効率化することでTesla自動車の価格を抑えることができるとMuskは考えている。

tesla-autopilot

3. オートパイロットは普通に運転するより10倍安全に

レーダー、ソナー、AIや他の技術を駆使し、Teslaは人が運転するよりオートパイロットによる運転を10倍安全にしようと取り組んでいる。それを実現し、世界から認められるためには、オートパイロットで60億マイル(約100億km)の走行が必要とMuskは見込んでいる。現在のペースだと5.5年かかる計算だ。

tesla-model-p-pickup-truck

4. Teslaのピックアップトラック

Teslaはあらゆる種類の車両を再発明する。それはスポーツカー、セダン、SUVにとどまらない。次に来るのはピックアップトラックだ。この画像はTeslaのユーザーがフォーラムに投稿した完成予想図。

tesla-semi-truck

5. TeslaのSemiトラック

Teslaは18ホイール車両も電気自動車にしたい考えだ。輸送コストを大幅に削減することで、大変革を起こることが予想される。電気トラックを開発する競合に「Nikola Motor Company」がある。

tesla-bus

6. Teslaバス

Teslaは都市部で運用するための電気バスを開発している。このバスは自動で周辺の通行車両と速度を合わせることで揺れを避け、 車両の中央に通路がある従来の形式を廃止して座席を多く設置するという。残念ながら、まだプロトタイプの写真はない。この写真はデザイナーSong YouzhouによるTransit Elevated Busだ。

tesla-fleet

7. Teslaのカーシェアリング

Teslaはユーザーに車を負担してもらい、使っていない時に他の人がその車で移動できるようにする計画だ。Uberは厳重警戒だ。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Teslaから控えめ価格のModel X 60Dが登場

model-x

Teslaは買い求めやすい価格の車も揃えるようだ。水曜日、この電気自動車会社はModel X 60Dを発表した。価格は6万4500ドル(インセンティブを含む)からとなる。本来のModel Xの価格は8万ドルだ。

確かにTeslaにしては価格が控えめと言えるだろう。Teslaのウェブサイトによると、Model X 60Dの航続距離はおよそ321km、6.2秒で時速100 kmまで加速、最高時速は210 km/hだ。X 60Dは、ソフトウェア経由で75kWhにアップグレードすることも可能で、そうした場合航続距離は20%伸ばすことができるという。

4月のModel 3の大量の発注を受け、少し価格を抑えた6万6000ドルのModel S 60の登場に続く車だ。もちろんModel 3は3万5000ドルで、Teslaの中では最もお手頃価格だ。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

イーロン・マスクのTesla、イーロン・マスクのSolarCityに約28億ドルで買収を提案

musk-tesla-solarcity

Elon Muskの企業が集まって大帝国を築こうとしている。本日、電気自動車とバッテリー企業Teslaは、ソーラーパネルの導入企業SolarCityの買収提案を行ったことを発表した。両社が合わさることで、自宅にソーラーパネルを備え、巨大なバッテリーを充電し、自宅の全てのものと電気自動車に電気を供給することが可能となる。

この買収提案はまだSolarCityの取締役会で承認されていないが、承認された場合、SolarCityの株式はTeslaの株式と交換される。SolarCityの時価総額、21億4000万ドルから21%から30%の上乗せ価格での買収となる。つまり、TeslaはSolarCityを25億9000万ドルから27億8000万ドルの間で買収する計算だ。

Musk Empire

ソース: WSJ

chart

SolarCityは損失を出していた

SolarCityはここのところ数百万ドルの損失を出し続け、株価の評価が下がっていた。それに伴い買収するのが比較的簡単になった。SolarCityの株価は買収提案の発表後、20%跳ね上がった。SolarCityのバリューに対する上乗せ分は、発表後数時間で随分と少なくなったことを意味する。

Musk、そしてTeslaとSolarCityのどちらでも役員を務めるAntonio Graciasは買収提案に関する決議には参加しない。Teslaは、乗っ取るのではなく、あくまで友好的に買収を進めたいと伝える。

MuskによるMuskの救済措置?

Teslaの株価は時間外取引で13%下がった。この買収案件は、SolarCityの救済措置だと考える人もいるからだ。Muskが保有する22.2%の株は、Teslaが買収することで救済される。今日の発表があるまで、SolarCityの株価は昨年12月より50ドルも値を下げ、21ドル付近を推移していた。このまま株価が下がり続ければ、Muskは多額の資金を失う。Teslaは自分たちでソーラービジネスを構築することもでき、株価がさらに下がるようならその時にSolayCityの資産を買収することもできる。しかし、そうすると何千万ドルとMusk自身の資産が目減りすることになる。

hero

Tesla PowerwallがSolarCityのソーラーパネルからの電力を保存し、太陽が出ていない時も電気が使えるようにする。

買収について考察した時、両社がうまく噛み合ってシナジーを生むか疑問の余地があるだろう。Teslaが電気自動車に空より高い水準を求められるのは、営業に労力を割く必要がそんなにないからだ。一方SolarCityは常に訪問販売や電話営業を行っている。Teslaでは、車の出荷まで全てが工場内で行われるが、SolarCityはソーラーパネルを導入を進めるために契約販売員の軍隊がトラックで外を走り回っている。

しかしMuskは賢いので、私たちには予知できない計画を立てているのかもしれない。

垂直統合型エネルギー企業

Teslaのチームは「全体像を完成させる時期に来ました。Teslaのカスタマーはクリーンエネルギーの車を運転し、私たちのバッテリーパックを使って、エネルギーを効率的に消費できます。ですが、持続可能エネルギーソースへのアクセスが必要です。つまり、太陽です」と伝える。

Teslaは、この買収の理由が理にかなっていることを以下のように説明する。

「私たちはカスタマーに一貫したクリーンエネルギーのプロダクトを提供する世界で唯一の垂直統合型のエネルギー企業となります。カスタマーが運転する車から始まり、それを充電するためのエネルギー源の確保、そして自宅や会社の電力の全てを賄うまでが完結します。Model S、Model X、Model 3、ソーラーパネルシステム、パワーウォールの全てが揃うことで、エネルギーを最も効率的で持続可能な方法で配分し、消費することができるようになります。カスタマーのコストが下がり、従来の石油燃料や電力網への依存を最小限に留めることができます」

両社の株主のどちらにとってもこれが金銭的に妥当な取引でなろうとなるまいと、この戦略は大胆なものだ。1000年後の人達も「ELON MUSK」の名前を覚えていることになるかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website