世界最大の大麻企業Medicine ManがSchwazzeにリブランド、積極的買収も発表

急成長する米国コロラド州の大麻(カナビス)企業の最大手、Medicine Man Technologies(MMT、メディスンマン・テクノロジーズ)がSchwazze(シュヴァッツェ)という新ブランドを発表した。SchwazzeはMMTおよび同社のさまざまなブランドを包括する親会社になる。公開企業である同社は、今後ティッカーシンボル「SHWZ」として店頭取引される。

Schwazzeは栽培技術に由来する名前で、同社の新CEOはTechCrunchに、社名変更は会社の重点目標を反映していると語った。「これは植物の育成、成長における重要なプロセスであり、葉を注意深く取り除くことによって幹の成長と広がりを促し、花に多くの養分を送ることができる」。

「これは極めて重要だ。こうすることで大麻の成長を促進し健康状態を保つことができる」とSchwazzeのCEOを務めるJustin Dye(ジャスティン・ダイ)氏がSchwazzeメソッドについて語った。

同社はMedicine Man Technologiesブランドを専門的サービス部門として今後も継続する。

2019年末、同社は数多くの買収計画を発表し、Dダイ氏を新しいCEOとして採用した。今週同氏は、同社がMesa Organics(メサ・オーガニクス)とPurplebee’s(パープルビーズ)を買収したことを発表した。いずれもコロラド州の大麻会社で、コロラド・カレッジの教授であるJames Parco, Ph.D.(ジェームズ・パーコ博士)が設立した。Parco氏はSchwazzeの経営チームに加わる。この買収によって、Schwazze傘下に調剤薬局と高度な抽出業者が新たに加わる。

「両社は素晴らしい会社だ。急成長中で、収益性が高く、経営陣もすばらしい。2社を率いる偉大なリーダーが我々の経営チームに加わる」とDye氏が語った。

Schwazzeは新型コロナウイルス(COVID-19)危機が同社の成長を妨げることを許すつもりはない。同社はコロラド州での成長を糧に、マリファナ薬局、栽培者、製造者をさらに増やしていく意向だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

データで室内家庭菜園を管理する約1万円のMendel Air Sensor

Mendel Air Sensor(メンデル・エアー・センサー)は、私が朝一番に開くアプリだ。RedditよりもGmailよりもニューヨーク・タイムズよりも先に見る。ごろりと寝返りを打ってスマホを手に取り、植物たちの状態を確認する。私からこれほどの栄誉を与えられたアプリは他にない。

Mendel Air Sensorは、室内園芸の流れを変える。これは、植物の成育環境に欠かせない重要な情報を収集する複数のセンサーが組み込まれた洗練された製品だ。価格は99ドル(約1万600円)。この価格帯で、これと同等のデータ収集能力を備えた製品は、まず見つからない。

このMendel Air Sensorを開発した企業は、もともとは家庭用アクアリウム水槽のためにこのセンサー技術を開発していた。Mendel Air Sensorを開発し出荷するために、データ収集に詳しいグループと熟練の製造業者とが手を組んだのだ。

私には、屋内での植物栽培に関する知識はほとんどない。YouTubeでいくつか動画を見て、あれこれブログ記事を読んで、友だちにアドバイスを求める程度だ。それでも、私は地下室で小さな菜園を作り、トマト、ロメインレタス、ニンジン、それにいくつかの葉物を育てている。

数週間のうちに、私は植物を育てるにはデータが重要であると理解するようになった。気温、照明の種類や量、湿度、または、植物が湿度に対する反応を飽差(VPD)の計算から割り出すなど、考えなければならないことが山ほどある。

私はMendel Air Sensorを、ひとつの植物栽培テントの中で使っている。その緑色の小さなデバイスが、15分ごとに4つのデータポイントを収集し、ウェブアプリまたはスマートフォンアプリに表示する。これを参考にして、換気扇や照明の位置や湿度などを調整して、テントの中の人工的な環境を整えてやるのだ。

私も気付いたのだが、このデータを1日中監視していることが極めて重要だ。一度セットしたら後は放っておけるというレベルにまでは、私の菜園の環境は安定していない。だいたい1日に2回、Mendel Air Sensorのおかげで、私は植物栽培テントの微調整をしている。このデータがなければ、植物が危険信号を発するまで、何かが不足していてもわからなかっただろう。その信号に気付いたときには、もう手遅れだ。

99ドルという価格はお値打ちだ。競合製品はわずかしかない。しかもそのほとんどは、より完成度が高いように見えるものの、価格は2倍から3倍する。

CEOのNate Levine (ネイト・レビン)氏は、Mandelはもう1つの自己資金で創設されたサンフランシスコ湾岸地区の企業RapidLED(ラピッドエルイーディー)とのフィフティー・フィフティーのパートナーとしてスタートした、とTechCrunchに話してくれた。この企業は、数年前から室内植物栽培のための照明器具の販売をしていて、この分野では既に顧客ベースを確立している。だがレビン氏は当初、植物をモニターする製品を作ろうとしていたわけではない。彼は、アクアリウム水槽用のモニターFishBit(フィッシュビット)を作っていた。

2つの市場が類似していたことから、レビンとその仲間たちは、室内園芸の分野に飛び込むことができた。レビン氏がTechCrunchに話したところによると、顧客の要求はよく似ていて、アクアリウムと同じく、室内園芸の世界でも人々は自らの能力をもっと高める方法を探っているという。そこで彼らは、魚を生かすことから、もっとたくさんトマトを(またはカナビスを)収穫する方へと目を向けた。

アクアリウムと違うのは、室内園芸家は比較的金払いがいい点だが、今のところ、カナビスに関してはとんとんだとレビン氏は話す。ゴールドラッシュとまでは行かないが、とくにカナビス市場は、いくつもの企業が新製品を投入する絶好の場所になっていると彼は指摘する。

同社は、家庭園芸家や職業園芸家にも同じ製品を売り込んでいるが、そのためには今のウェブアプリが課題になると思われる。彼らの製品には強力な機能が欠けている。私のような小規模な園芸家なら問題ないが、プロの場合は、もっと細かい分析や、15分おきとはいわず、もっと頻繁なモニターサイクルによる詳細なロギングを欲しがるのではないかと思われる。

海外のユーザーに対応させようとすれば、USBによる給電方法を変える必要もあるだろう。

これは転換点ではない。少なくともレビン氏は転換点だとはいっていない。彼はTechCrunchに対して、もし起業のためのピッチを再び行うとしても、以前と同じFishBitのゴールを目指すと主張すると話していた。Mendelで学んだあらゆる見識を、FishBitに活かすともいっていた。目標は、屋内で生き物を育てるための、スマートなハードウェアとソフトウェアの総合的な製品ラインを築くことにある。

RapidLEDは、アクアリウムのカンファレンスでレビン氏とそのチームに接近し、レビン氏がソフトウェアを作るならハードウェアを作りたいと申し出てたそうだ。この2つの企業が手を結んでくれたおかげで、私の植物たちは幸せでいられる。

私は、Mendel Air Sensorにいくつかのことを教えられた。1つは、うちの植物育成ライトは想像以上に熱を発していたことだ。安い照明セットを外して、ブランド物のちゃんとしたセットを購入しなければならない。もう1つは、湿気が思っていたよりもずっと低かったことだ。そこで加湿器を置いた。最後にVPDのモニターは、計算を自動化すれば見た目よりずっと簡単にできるということだ。

植物を育てるのは難しいが、Mendel Air Sensorのデータがあれば、少し楽になる。

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(翻訳:金井哲夫)