グーグルが支援する印Glance、NFTを推進するためにゲームプラットフォームGambitを買収

Google(グーグル)の投資を受けているGlance(グランス)が、モバイルゲーム製品の強化と同社のZ世代ユーザー層にNFTを提供開始することを目指し、インドのGambit(ギャンビット)を買収したことがTechCrunchによって確認された。

広告大手InMobi(インモビ)グループの共同創業者であり、GlanceのCOOであるPiyush Shah(ピユシュ・シャー)氏はこの買収を確認したが、取引の財務条件については言及を避けた。同氏はTechCrunchのインタビューで、この買収により、Jio Platformsも出資している同社はライブゲームショーやNFTベースのインセンティブをユーザーに提供し、ゲーム体験を豊かにすることができると述べている。

携帯電話メーカーと提携し、メディア、エンターテインメント、ニュースのコンテンツを携帯電話のロック画面に表示するGlanceは、最近、ゲームに注力している。4億台以上の端末で利用されているこのスタートアップは、2021年、同社のプラットフォームでカジュアルゲームを試験的に導入し、すぐにユーザーの間で受け入れられた。

近年、より若い企業であるRoposo(ロポソ)やShop101を買収したGlanceは、小規模な企業を買収し、Glanceのプラットフォームを広げながら提供するサービスを大幅にスケールアップすることで知られている。

「毎月約1000万人の人々が、Glanceでゲームのライブ配信を視聴しています。そこで我々が考えたのは、このプラットフォームでライブゲームショーも行うにはどうしたらいいか、ということでした」とシャー氏はいう。

NFTは、ユーザーにとって無数のメリットをもたらすと彼はいう。「デジタル仮想資産を所有することで、ユーザーがゲーム内で強いキャラクターを構築できるといった実用的な利点があると同時に、これらのNFTはNFTマーケットプレイスや取引所で出品・取引され、ユーザーの収益や所有に貢献することができます」と同氏は述べている。

シャー氏は、GlanceのWeb3の推進はまだ初期段階であることを指摘し、スタートアップがNFTを立ち上げるためにどのブロックチェーンを使用しているか、また提携を予定している組織について明らかにすることを避けた。しかし、Glanceは9カ月以上にわたってこの分野を評価してきたという。

同スタートアップは、ゲーマーやインフルエンサー、他のゲーム会社と提携する予定だという。同社プラットフォーム上のNFTは、ゲームのマイクロモーメントと高次元仮想アバターをキャプチャする、と彼は付け加えた。

「これによりクリエイター、ストリーマー、デベロッパーは、アセットやNFTベースのゲーム制作を通じて収益化を図るとともに、ゲーマーに好まれるユニークな体験を提供できる可能性があります」と、このスタートアップは述べている(Glanceは、インドの現地規制を理由に、Nostragamusを運営する設立6年のGambitが提供するファンタジースポーツの導入は回避する)。

Gambitの共同創業者であるYashashvi Takallapalli(ヤシャシヴィ・タカラパッリ)CEOは、声明で「GlanceとGambitの強みを組み合わせ、すべての人に合ったゲームが存在するという信念のもと、今後1年間でGlance Gamesの月間アクティブゲーマー数を2倍にすることを想定しています」と述べている。

Glanceは約17億ドル(約2076億円)の評価を受けており、Web3に進出するインドの最新の大手企業となる。

ファンタジースポーツ大手のDream11は、NFTスタートアップRarioの30〜40%の株式を約1億ドル(約122億円)で取得する方向で交渉中だと、この件に詳しい関係筋は述べている(インドの新聞Economic Timesは、先にこの取引の詳細を一部報じた)。Sequoia Capital Indiaが支援するNFTスタートアップFanCrazeは、ICCとの独占提携を維持しており、今週初めには資金調達ラウンドで1億ドル(約122億円)を調達したと発表している。

インドのゲーム開発会社SuperGamingは2月、暗号資産取引所WazirXの共同創業者であるSiddharth Menon(シッダールト・メノン)氏と提携し、TegroというWeb3ゲームマーケットを立ち上げた。

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(文:Manish Singh、翻訳:Den Nakano)

印Jio Platforms、Android端末のロック画面にコンテンツを表示させるGlanceに約231億円投資

Jio Platformsが、Android端末のロック画面にメディアコンテンツやニュースやカジュアルゲームを提供するGlanceに、2億ドル(約231億円)を投資したと現地時間2月14日に両社は発表した。これはMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏の帝国が、南アジア市場で到達している4億2千万以上の通信契約者への提供を拡大しようとしている一連の投資における最新のものとなる。

Jio Platformsの親会社で、アジアでもっとも富裕なアンバニ氏が経営するReliance Industriesによると、今回の投資はInMobi Groupの子会社Glanceに対するシリーズDの一部だ。この新たな投資でGoogleが投資しているGlanceの評価額は約17億ドル(約1965億円)になる、と近い筋はいう。

2019年に創業したGlanceは、スマートフォンの人気機種に最初からインストールされて提供され、現在ではユーザー数が4億に達しているという。

この問題を直接知るGlanceのシニアエグゼクティブによると、ユーザー層のかなりの部分がスマートフォンを購入してから1週間以内にGlanceを無効にし、多くの場合、小売店のオーナーが自らGlanceを削除しているという。

Glanceはアジアで上位のAndroidスマートフォンベンダーとタイアップしており、その中にはXiaomiやSamsungもいる。この2社は、インド最大のスマートフォンベンダーだ。

今回の投資の契約では、JioPhone NextハンドセットにGlanceが搭載される。JioPhone Nextは、GoogleとJioが協力して作ったスマートフォンで、徹底的に最適化されたAndroidオペレーティングシステムが動き、約87ドル(約1万100円)で販売される。

両社は、共同声明で次のように述べている。「これは、Glanceと、モバイルのエコシステムのグローバルプレイヤーとの一連の戦略的パートナーシップの最新の例である。契約は、GlanceとReliance RetailとJioの今後のさらなる戦略的コラボレーションに導くと期待され、デバイスとコマースとコンテンツとゲームのエコシステムのすべてにわたるコラボレーションを含意している」。

Jioによると、Glanceは今回得た資金をアジアの外の重要な国際市場への進出に投じていく。それらの市場は、米国、ブラジル、メキシコ、そしてロシアなどとなる。またGlanceの内容としてはライブコンテンツとコマースを充実させる。この両方をロック画面で表示したいと同社は願っている。

InMobi Groupの創業者でCEOのNaveen Tewari(ナビーン・テワリ)氏は、声明で「ムケシュ・アンバニ氏は私の若い頃からの深大なるインスピレーションの源泉であり、このたび氏の傘下のJioが私たちの旅路の戦略的パートナーになってくれたのは、たいへんな名誉なことです」と述べている。

テワリ氏はさらに「GlanceへのJioの投資はビジョンと哲学の深いシナジーをもたらします。Jioは真にディスラプティブな企業です。それにより数百万のユーザーがインターネットにアクセスできるようになり、インドを世界最大のインターネット市場にしました。Relianceは今回、JioPhone Nextのローンチでスマートフォン市場をディスラプトしています。JioのGlanceへの投資と、JioPhone Nextのロック画面上のGlanceのプレゼンスにより、ユーザーのインターネット体験にパラダイムシフトが起きるでしょう」という。

画像クレジット:Glance

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(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)

GoogleがインドのスタートアップGlanceとDailyHuntに投資、世界第2位市場へさらに注力

インド時間12月12日、Google(グーグル)はインドの2つのスタートアップGlance(グランス)とDailyHunt(デイリーハント)への投資を発表した。Android(アンドロイド)メーカーであるGoogleにとって、世界第2位のインターネット市場へのさらなる注力を行うことが目的だ。

1億台以上のスマートフォンのロック画面上にニュースやメディアコンテンツ、ゲームを提供している(未訳記事)創業2年目のインドのスタートアップGlanceは、Googleと既存の投資家Mithril Partnersから新たな資金調達ラウンドで1億4500万ドル(約150億1000万円)を調達した。

広告大手のInMobi(インモビ)グループに属するGlanceは、AIを利用してユーザーにパーソナライズされた体験を提供している。このサービスは、普通なら何も表示されることのないロック画面上に、地元に関連するニュースやストーリー、カジュアルゲームを提供する。InMobiは2019年末、グルガオンに本社を置くスタートアップのRoposo(ロポソ)を買収し、これによってプラットフォーム上でショートビデオを提供することが可能になった。GoogleもRoposoに投資している。

Roposoは、月間アクティブユーザー数が3300万人を超えるショートビデオプラットフォームだ。同アプリのユーザーたちは、10以上の言語で提供される、様々なジャンルのコンテンツを、平均して毎日20分程度視聴している。

Glanceは、いくつかのスマートフォンの機種にプリインストールされた状態でも出荷されている。またGlanceは、インドの2大スマートフォンベンダーであるXiaomi(シャオミ)やSamsung(サムソン)を含む、ほぼすべてのトップAndroidスマートフォンベンダーとの提携も行っている。同サービスの1日のアクティブユーザー数は1億1500万人を超えている。

Googleの副社長であるCaesar Sengupta(シーザー・セングプタ)氏は声明の中で「Glanceはインドの多くの現地語でコンテンツを提供し、モバイルファーストやモバイル専用消費のためのイノベーションを提供できた好例です」と述べている。「今でも多くのインド人が、自分自身の言葉で読めるコンテンツや、自信を持って使えるサービスを探すのに苦労しています。そのことは、彼らにとってのインターネットの価値を、著しく制限しています。特に現在のように、インターネットが非常に多くの人々の生命線となっている時期にはなおさらです。今回の投資は、インドのイノベーティブなスタートアップと協力し、すべての人に利益をもたらす真に包括的なデジタル経済を構築する、という共通の目標に向けて取り組む当社の、強い信念を裏付けるものです」。

GlanceとInMobiグループの創業者であり最高経営責任者のNaveen Tewari(ナビーン・テワリ)氏は、今回の投資は「製品開発、インフラ、グローバル市場の拡大へ向けたGoogleとGlanceのより深いパートナーシップ」への道を開くものであると述べている。スタートアップは、新しい資本を米国での拡大に投入に使うことを計画している。

DailyHuntへの投資

Googleは、同じくインド時間12月12日、インドのスタートアップDailyHunt(デイリーハント)の親会社である(未訳記事)であるVerSe Innovation(バース・イノベーション)にも出資していることを発表した。DailyHuntは、同名のサービスやショートビデオプラットフォームJosh(ジョシュ)を含むアプリ全体で、インドの14の言語で3億人以上のユーザーに、ニュースやエンターテインメントコンテンツを提供しているという。スタートアップによれば、Google、Microsoft(マイクロソフト)、AlphaWave(アルファウェーブ)をはじめとする投資家たちから1億ドル(約103億5000万円)以上の資金を調達したということであり、今回の新たなラウンドによって同社の評価額は10億ドル(約1035億3000万円)以上となりユニコーンとなった。

元Facebook(フェイスブック)インドのトップだったUmang Bedi(ウマンベディ)氏が共同で運営するDailyHuntは、新規調達した資金をJoshアプリの拡大、現地語によるコンテンツの拡大、コンテンツクリエイターのエコシステムの育成、AIとMLのイノベーション、そして「バーラト(「インド」に相当するヒンディー語)のためのバーラト製ショートビデオプラットフォーム」の成長に投入する計画だ。

JoshとRoposoは、ニューデリー政府が2020年6月下旬にインドでTikTokを禁止することで生み出した空白を埋めるために(未訳記事)生み出された、沢山のインド製アプリの中に含まれている。禁止以前の時点では、TikTokはインドを最大の海外市場と認定していた。

Googleは今年発表したIndia Digitization Fund(インドデジタル化ファンド)からこれら両方への小切手を書いた。グーグルは今後数年間でインドに100億ドル(約1兆円)を投資することを約束している。すでにGoogleはこのファンドから、インドの通信大手Jio Platforms(ジオ・プラットフォーム)に45億ドル(約4653億円)を投資している

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:GoogleインドGlanceDailyHunt投資

画像クレジット:InMobi

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(翻訳:sako)