アマゾン傘下のRingが「バーチャルセキュリティガード」や新アラームシステム、よりスマートなモーションアラート機能を発表

2021年のRing(リング)は、Amazon(アマゾン)が毎年開催しているデバイスとサービスイベントの一部に過ぎないが、ハードウェアの刷新とEero Wi-Fi 6ルーター機能の統合を含む新しいプロアラームなど、多くのアップデートを行っている。また「Virtual Security Guard(バーチャル・セキュリティ・ガード)」と呼ばれる新サービスも用意されており、これは基本的に、ユーザーが監視できないときに代わりRingのフィードを監視するもので、よりスマートな状況認識能力により、既存のドアベルやカメラの警戒能力を向上している。

Ring Alarm Pro

「Ring Alarm Pro(リング・アラーム・プロ)」は、Eeroを内蔵したベースステーションを含む、ホームセキュリティシステムのアップグレード版だ。このベースステーションは、他の最新のEeroハードウェアとリンクするためのメッシュ機能を備えたWi-Fi 6ルーターとしても機能する(これは、Amazonが買収したコンシューマー向けブランドとのすばらしいシナジー効果となっている)。Ring Alarm Proには、月に3GBのモバイルデータが含まれており、1GBあたり3ドル(約330円)で追加データを利用できるため、24時間365日のバックアップインターネットが可能だ。RingのPower Packアクセサリーをベースステーションに取り付ければ、停電時にもインターネットを利用することができる。

また、Alarm Proベースステーションには、最大64GBのカードに対応したmicroSDカードスロットがあり、接続したRingカメラやドアベルのローカルビデオストレージとして利用できる。

これまでのRingのアラーム製品と同様に、モーションセンサー、ドア・窓センサー、火災・湿気センサーなどと連携する。また、同社のサブスクリプション製品にはプロレベル(月額約2200円)が導入されており、セルラーバックアップサービスに加えて、プロによるモニタリングや、Eeroを介した家庭用インターネットの広告ブロック(これもまたシナジー!)、コンテンツフィルタリング、脅威防御サービスなどを利用することができる。

Virtual Security Guard

Eeroの新たなプロレベルのサブスクリプション(従来の月額10ドルのオプションと一緒に提供される)とは別の「Virtual Security Guard(バーチャル・セキュリティ・ガード)」と呼ばれる新たなサブスクリプション・サービスは、現場にいるセキュリティ・ガードの利点を模倣することを目的としている。

基本的に、モニタリング会社Rapid Response(ラピッド・レスポンス)との提携により、プロの監視員による監視を追加するものだ。Rapid Responseの担当者は、会員が指定したRingのカメラやドアベルのフィードを監視し、モーションアラートに反応して、サイレンやライトの作動、双方向通話機能の使用などの介入を行い、必要と判断した場合には、実際に救急隊員を派遣する指示を仰ぐことができる。

Ringは、Virtual Security Guardが完全に契約者の管理下にあることを強調している。例えば、カメラはデフォルトで除外されており、どのカメラをいつ監視するかはユーザーが選択する。また、エージェントは、ユーザーが指定したホームモードまたはアウェイモードで監視するようにグリーンライトが点灯しない限り、カメラを起動することはできない。エージェントは、動きが検出されたときにライブビューでリアルタイムの映像を見ることができるだけで、映像はダウンロードなどのために保存されることはない。さらに、ユーザーが設定したプライバシーゾーンは監視エージェントには表示されず、バーチャルセキュリティエージェントがフィードを監視しているときは、Ringアプリでライブ表示され、エージェントが見た過去のライブビューも明確に表示されるようになっている。

具体的な価格については明らかにされていないが、ユーザーがすでにプロの監視プランを導入していることが条件となっているため、割高な価格設定になると思われる。また、このプログラムを利用するには、Ringの、屋外用のワイヤー接続したビデオドアベルまたはセキュリティカメラを導入している必要があり、2021年後半から招待制で提供される予定だ。

Custom Event AlertsとPackage Alerts

画像クレジット:Ring

2021年のRingは、空飛ぶドローンが実際に出荷されるなど、かなり目を引く発表を行っているが、多くのユーザーにとって最も役に立つニュースは「Package Alerts(パッケージアラート)」と「Custome Event Alerts(カスタムイベントアラート)」という新しいスマートアラートの導入だろう。

関連記事:Ringのホームセキュリティドローンが米国内で招待制で販売開始

「Package Alerts」は、その名の通り、ゾーンを指定して、そのゾーンに荷物があると通知を受け取ることができるというものだ。例えば、玄関先やポーチを監視するように設定して、Amazonが荷物を配達したときに通知を受け取ることができる。

これらの機能は、Ring Video Doorbell Pro 2とRing Video Doorbell(2020年モデル)のデバイスを持っている人であれば、Ring Protect Plan(リング・プロテクション・プラン)に加入している場合に限り、米国時間9月28日より利用可能となる。

「Custom Event Alerts」は、Spotlight Battery Camのユーザーに適用されるが、こちらもRing Protect Planに加入していることが条件となり、もう少しカスタマイズの自由度が増えることとなる。例えば、Ringが撮影した閉じた状態のガレージドアの静止画と開いた状態の静止画を使用して、この2つの状態を区別し、状態の変化が起こったときに警告するように教えることができる。Ringはこの機能を、ゲートやドアなど、ユーザーが定義した他のタイプの状態変化にも適用できると述べている。Package Alertsよりも少し遅れて配信を開始し「今後数カ月のうちに」利用可能になる予定だ。

Ring Jobsite Security

画像クレジット:Ring

最後に、Ringはコントラクターや現場管理者をターゲットにした「Jobsite Security(ジョブサイト・セキュリティ)」を発表した。これは、Ring Alarm Proをベースにした製品で、例えばゲートの開閉状態を把握するためのOutdoor Contactセンサーなどのアップグレード製品と使う業務用に調整されている。また、ターゲット層を「反映」して、セーフティーオレンジを多用している(セーフティーオレンジは、”反射性”を利用しているというダジャレ)。

Jobsite Securityは、The Home Depot(ザ・ホーム・デポ)との提携により、399.99ドル(約4万4000円)から独占販売される。これは、同社のブランドを国内だけにとどまらせず、B2Bの分野にも広げていくという布石なのかもしれない。

画像クレジット:Ring

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Ringのホームセキュリティドローンが米国内で招待制で販売開始

2020年、Ringはセンサーとカメラを搭載したドローン「Always Home Cam」を発表した。このドローンは、Ring Alarmセンサーなどのトリガーや、Ringアプリからの手動コマンドに反応して、ユーザーが設定した経路に沿って家の中を移動することができる。このコンセプトは現実のものとなり、米国のユーザーに向けて出荷が開始された。ただし、最初は招待者のみの発売となる。トが現実となり、米国のユーザーに発売された。ただしそれは、最初のうち、招待制のローンチだ。

Ringは、1年以上前に249ドル(約2万7800円)のAlways Home Camを公開した。そのときは「2021年に出荷する」と述べていたが、それが実現した。約5×7×7インチ(約12.7×17.8×17.8cm)の小型ドローンは、玄関や廊下なども軽快に移動できるはずだ。このデバイスの背景にあるアイデアは、留守中にカメラを家のあらゆるところに設置する方法を提供することだが、実際にたくさんのカメラを用意して設置する必要はない。

Ringは、Always Home Camは、事前に設定されたトリガーまたは手動でユーザーが指示した場合にのみ飛行することを強調している。また、基地内で静止しているときは、デフォルトではカメラは起動しておらず、録画も行わない。これは「プライバシーとセキュリティー」を高めるための意図的な選択だという。

次世代の国内航空監視システムの1階に入りたい人は、今日からRingに招待状をリクエストするとよい。次世代の家庭用空中監視システムを早く体験したい人は、Ringに招待状を申し込もう。

画像クレジット:Ring

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アマゾン傘下ビデオドアベルRingは最新アップデートでセキュリティ改善、しかし暗号化にはオンの必要あり

米国史上最大の民間監視ネットワーク」と呼ばれるビデオドアベルメーカーのRing(リング)が、新しい、しかし長い間待ち望まれていたセキュリティとプライバシー機能のロールアウトを開始した。

Amazon傘下の同社は、2019年末にハッカーがRingのユーザーアカウントに侵入し、自宅にいる子どもたちに嫌がらせをするというアカウント侵害が相次いで発生し、評判を落とした。その後、Ringの脆弱なセキュリティ対策を利用してハッカーらはオーダーメイドのソフトウェアを開発し、その時点ではユーザーのパスワードでしか保護されていなかったRingアカウントのパスワードをブルートフォース攻撃した。その間、Ringのユーザーパスワードのキャッシュが、ダークウェブ上にいくつか出回っていた。Ringは当初、ユーザーが脆弱なパスワード(「password」や「12345678」など、同社がユーザーにパスワードとして設定することを許していたもの)を使用していたことを非難し言い訳にしていたが、数ヵ月後、企業としての不備を認め、テキストメッセージによる必須の2ファクタ認証を導入した。これは、アカウントハイジャックをわずかではあるがより困難にし、自動化された攻撃の大部分を抑制することを目指す良いスタートだった。

しかしこれから、Ringはさらに一歩進んで、多くの企業がすでに提供している(そしてだいぶ前からそうしている)アプリベースの2ファクタ認証を提供開始する。傍受される可能性のあるテキストメッセージに比べ、暗号化された接続を使用して確認コードをはるかに安全に配信できるためだ。

Ringはさらに、CAPTCHAをアプリ内で有効にし、ユーザーにロボットではないことを証明してもらうことで、自動ログインをより困難にするための新たなハードルを追加する。

また、Ringが2021年初めにテクニカルプレビューとして公開した、ビデオのエンド・ツー・エンド暗号化の開始も発表された。Ringが最も誇示している(が、大いに物議を醸している)機能の1つは、ユーザーがビデオ映像をRingと提携している1800以上の地域警察と直接共有できることだ。とはいえ、警察は捜索令状があれば、代わりにRingから映像を要求することもできる。ビデオのエンド・ツー・エンドの暗号化により、Ringのデバイスで撮影されたビデオにアクセスできるのはアカウントの所有者だけになり、Ringやそのパートナーである警察はアクセスできなくなる。

関連記事
防犯カメラのRingがビデオのエンドツーエンド暗号化を今年中に導入
アマゾン傘下Ringが警察に映像を取得されたユーザー数についての情報開示を拒否

同社のCTOであるJosh Roth(ジョシュ・ロス)氏はブログ記事の中で、Ringは「誰が自分のビデオを見るかは、お客様がコントロールすべきである」と考えている、と述べている。もしそれが本当なら、Ringはすべてのユーザーにエンド・ツー・エンド暗号化を適用し、すべてのアカウント所有者にデフォルトでプライバシーを与えるはずだ。しかしそれでは、警察とのパートナーシップを拡大し、そのパートナーシップを通じて地域住民にRingデバイスを普及させようとしている同社の取り組みに支障をきたすことになる。

これまでのセキュリティアップデートが十分な効果を上げていなかったのに比べ、Ringの新機能は意味のある変更であり、ユーザーにとっては自分のアカウントをより安全にし、データを保護するための選択肢を得られるものだ。しかし、ここでのキーワードは「選択」である。なぜなら、ユーザーは新機能を利用するためにオプトインする必要があるからだ。これ自体は珍しいことではない。企業はユーザー体験に摩擦が生じることを恐れるため、ユーザーにセキュリティ上の変更を強要することはめったにないが、セキュリティ管理が不十分なためにアカウントがハッキングされた場合、そこからの回復は間違いなくもっと大きな問題だ。

アプリベースの2ファクタ認証への切り替えは簡単で、Ringのアカウント設定を開き、テキストメッセージで送られてくる確認コードを認証アプリ経由のコードに切り替えるだけだ。なぜそれが重要なのか、なぜアプリを使わなければならないのか、どのアプリを使うのがいいのかについては、以前こちらの記事で解説した

しかし、Ringユーザーが今回できる最大の変更は、Ringコントロールセンターの詳細設定で、アカウントのエンド・ツー・エンド暗号化をオンにすることだ。エンド・ツー・エンド暗号化をオンにすることで、アカウントでできることが制限されたり、友人や家族、警察とビデオ映像を共有できなくなったりすることはないが、自分のデータやそれを何に使うか管理するのはRingではなく、自分がコントロールしているという安心感を得ることができる。

関連記事:アマゾン傘下Ringの近隣住民監視アプリ「Neighbors」にバグ、投稿者の位置情報や住所に流出の可能性

カテゴリー:セキュリティ
タグ:Ringアマゾンアップデート

画像クレジット:Ring / file photo

原文へ

(文:Zack Whittaker、翻訳:Aya Nakazato)

アマゾン傘下Ringが警察に映像を取得されたユーザー数についての情報開示を拒否

Ring(リング)は、家庭用ビデオドアベルの大規模な監視ネットワークや、問題のあるプライバシーセキュリティ運用に対してだけではなく、ドアベルの映像を法執行機関に提供していることでも、多くの批判を受けている。同社は透明性を追求しようとしているものの、これまで何人のユーザーのデータが警察に提供されたかについては開示を拒否している。

2018年にAmazon(アマゾン)に買収されたビデオドアベルメーカーのRingは、少なくとも1800の米国警察部門と、警察がRingのドアベルからのカメラの映像を要求できる提携を行っている(その数は現在も拡大中だ)。今週行われた変更の前には、Ringが提携している警察署であれば、捜査のためにドアベルカメラの映像を、顧客には無断で要求することができていた。今回Ringは、提携先の警察警察が同社の「Neighbors」(ネイバーズ)アプリを通じて、顧客からのビデオ映像の提供を公に要求するように変更した

この変更は、表向きには、警察がドアベルの映像にアクセスできるタイミングをRingのユーザーがコントロールできるようにするものだが、警察が令状なしにユーザーの映像にアクセスできるというプライバシー上の懸念は無視されている。

市民の自由の擁護者や議員たちは、Ringのドアベルカメラの広大なネットワークは個人ユーザーが所有しているため、警察は合法的な裏口を使ってRingのユーザーのカメラ映像を入手できると長い間警告を行ってきた。いまでも警察は、犯罪の証拠がある場合には、基本的なユーザー情報の提出要求や、ビデオコンテンツに対する捜査令状や裁判所命令などの法的要求をRingに対して行うことができる。

Ringが2021年1月にひっそりと発表した透明性レポートによれば、2020年の間にRingが受けた法的要求は1800件を超え、その前年の倍以上となっている。Ringは販売台数を公表していないが、「数百万人」の顧客がいると述べている。しかし、この透明性レポートでは、Ringが法的要求を受けて映像を警察に提出したユーザー数やアカウント数などの、ほとんどの透明性レポートには含まれている内容が省かれている。

Ringに問い合わせたところ、何人のユーザーの映像が警察によって入手されたのかについては開示を拒まれた。

検索の対象となるユーザーやアカウントの数は、本来は秘密ではないが、政府がユーザーデータを要求したときに企業がそれをどのように開示のするか(もし開示するならばだが)、は曖昧な領域である。義務ではないものの、ほとんどのハイテク企業は、年に1、2回、ユーザーデータが政府に取得された頻度を示す透明性レポートを発表している。

透明性レポートは、データ要求を受ける企業が、政府による強制的な大規模監視疑惑に対して、政府の要求に応えているのは企業のユーザーのほんの一部であることを示して反論するための手段だった。

しかし、そこでは実際の対応が肝心だ。Facebook(フェイスブック)Apple(アップル)Microsoft(マイクロソフト)Google(グーグル)Twitter(ツイッター)の各社は、法的要求を受けた数を明らかにすると同時に、データが提供されたユーザーやアカウントの数も明示している。場合によっては、影響を受けるユーザーやアカウントの数が、受け取った要求数の2倍から3倍以上になることもある。

Ringの親会社であるAmazonは、大手ハイテク企業の中では珍しい例外で、情報が法執行機関に引き渡されたユーザーの具体的な数を公表していない。

電子フロンティア財団(EFF)の政策アナリストであるMatthew Guariglia(マシュー・ガリグリア)氏は、TechCrunchに対して「Ringは、表向きにはユーザーの家に設置できる機器を作る防犯カメラの会社ですが、犯罪捜査や監視を行う国家のツールとしての側面も強くなって来ています」とTechCrunchに対して語った。

ガリグリア氏は、Ringが法的要求の対象となったユーザー数だけでなく、過去に何人のユーザーがアプリを通じて警察の要請に応じたかについても公表できるだろうと付け加えた。

Ringユーザーは、オプトアウトを行い警察からの要請を受けないようにすることができるが、たとえこのオプションを選択しても、法執行機関が裁判官から法的命令を受けてユーザーのデータを入手することは止めることができない。ユーザーは、エンド・ツー・エンドの暗号化をオンにすることで、ユーザー以外がビデオにアクセスすることを防ぐことができる(Ringも例外ではない)。

関連記事
アマゾン傘下Ringの近隣住民監視アプリ「Neighbors」にバグ、投稿者の位置情報や住所に流出の可能性
Amazonのただでさえ透明でない透明性レポートがいっそう不透明になった

カテゴリー:セキュリティ
タグ:RingAmazonプライバシー個人情報警察アメリカ透明性監視

画像クレジット:Chip Somodevilla / Getty Images

原文へ

(文:Zack Whittaker、翻訳:sako)

Ringの最新スマートドアベルは約6250円、スマートホーム製品における低価格競争を受けて

Ring(リング)の最新製品における目玉は間違いなく価格だ。60ドル(約6250円)という価格は、スタンダードモデルのVideo Doorbellよりも40ドル(約4160円)安い。Eliteは価格は大幅に上がり、350ドル(約3万6440円)となっている。

おそらくRingは、スマートホーム製品における低価格競争のプレッシャーを感じているのだろう。特にWyzeは、30ドル(約3120円)のスマートドアベルを他の多くの製品とともに2020円9月にローンチした。記事執筆時点では、製品はまだ 「予約」 として表示されている。

Wyzeのデバイスは2021年1月に発売される予定だったが、2月に延期された。Ring Video Doorbell Wiredも2021年2月24日に出荷予定だ。その名前が示すように、新製品はハードワイヤード(有線)でのみ利用可能だ。他の標準機能としてはナイトビジョン付きの1080pビデオカメラ、通知を出すモーションゾーン、ノイズキャンセリング内蔵の双方向オーディオが含まれている。これは同社でも最小のスマートドアベル製品となる。

Amazon(アマゾン)傘下のRingには、トラブルがないわけではない。2021年1月初めには、Neighborsアプリを使用する人の住所や自宅の住所が明らかになるというセキュリティ上の欠陥を、米TechCrunchが指摘している。また、法執行機関との提携への意欲にも多くの懸念があり、多くの市民権団体が2019年に公開書簡を提出した。2021年初め、Ringはついにユーザーのオプトインを必要とするエンド・ツー・エンドの暗号化を可能にした。

この新しいスマートドアベルは、当然のことながらAmazonから販売され、3月下旬まではHome Depotの店頭で独占的に販売される予定だ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Ringスマートホーム

原文へ

(翻訳:塚本直樹 / Twitter

アマゾン傘下Ringの近隣住民監視アプリ「Neighbors」にバグ、投稿者の位置情報や住所に流出の可能性

Ring(リング)の「Neighbors(ネイバーズ)」アプリにセキュリティ上の欠陥があり、このアプリに投稿したユーザーの正確な位置情報や自宅の住所が暴かれる可能性があることがわかった。

Amazon(アマゾンに)10億ドル(約1040億円)で買収されたビデオドアベルとホームセキュリティのスタートアップであるRingは、2018年にその機能をスマートフォンで利用できる単独のアプリとしてNeighborsをリリースした。Neighborsは、Nextdoor(ネクストドア)やCitizen(シチズン)のような近隣住民による監視アプリの1つで、ユーザーが匿名で近くの住民に犯罪や治安の問題を警告することができる。

ユーザーの投稿は公開されているが、アプリに投稿者の名前や正確な位置情報は表示されない(多くの場合、投稿にはRingのビデオドアベルや防犯カメラで撮影された動画が含まれている)。しかし、今回発見されたバグにより、アプリに投稿したユーザーの位置情報を取得することが可能になっていたことがわかった。その中には犯罪を報告しているユーザーも含まれていた。

とはいえ、流出の可能性を指摘されたデータが他のアプリを使用している人に見られていたというわけではない。だが、このバグは、ユーザーの緯度経度や自宅住所などの隠しデータをRingのサーバーから取得していた。

もう1つの問題は、すべての投稿が、ユーザーが新しい投稿を作成するたびに1つずつ増加するサーバーによって生成された固有の番号に関連付けられていたことだ。この番号はアプリのユーザーからは見えないようになっているものの、連続した投稿番号が使用されるため、投稿者が今はその近くの場所にいなくても、以前の投稿を辿ってその位置情報を簡単に列挙することができた。

Ring Neighborsアプリ(左)、サーバーから取得された位置情報などのデータ(右)(画像クレジット:TechCrunch)

Neighborsアプリには、2020年末までに約400万件の投稿があった。

Ringはこの問題を修正したと述べている。

「Ringでは、お客様のプライバシーとセキュリティを極めて真剣に考えています。この問題に気づいてからすぐに修正しました。この情報が不正にアクセスされたり、悪意を持って使用された証拠は確認されていません」と、Ringの広報担当者であるYassi Shahmiri(ヤッシ・シャミリ)氏は述べている。

約1年ほど前には、GizmodoがNeighborsアプリで同様のバグを発見したことがある。このバグによって隠された位置情報が明らかになり、Gizmodoは全米の何万人ものRingユーザーを地図上に表示してみせた。

Ringは現在、同社のスマートカメラがハッキングされたことで、死の恐怖や人種的中傷にさらされたと主張する数十人の人々からの集団訴訟に直面している。このハッキングに対して、Ringは二要素認証のような、ハッカーがユーザーのパスワードを使ってユーザーのアカウントにアクセスすることを防ぐ「最善の方法」を使用していなかったユーザーに責任があるとしている。

ハッカーがRingのアカウントに侵入するためのツールを作成し、1500以上のユーザーアカウントのパスワードがダークウェブ上で発見されたと報じられた後、Ringはすべてのユーザーに二要素認証を必須にした

Ringはまた、住宅所有者のドアベルカメラの映像にアクセスできるように同社と提携している全米の数百におよぶ警察署との癒着関係について、公民権団体議員からますます高まる批判にも直面している。

関連記事:1500個以上のRingのパスワードがダークウェブ上で発見

カテゴリー:セキュリティ
タグ:AmazonRing

画像クレジット:Jessica Hill / AP

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

Ringのスマートドアベルが今度は出火騒動でリコール

Amazon傘下のRingのデバイスは長年、プライバシー保護団体の監視の的だった。今回このブランドは、まったく別の問題に直面している。米国消費者製品安全委員会(U.S. Consumer Product Safety Commission,、CPSC)が、同社第二世代のドアベルに対してリコール通告をポストしたのだ。出火の恐れがあるとして米国で35万台、カナダで8700台がリコールされる。そのデバイスは、Amazonのサイトと一般小売店で売られていた。

リコールは、同機種の23件におよぶ出火報告と8件の焼け焦げ報告を受けて発せられた。CPSCによると、その問題はこのスマートドアベルの取り付けに不正なネジが使われたことに起因している。Ringによると、この問題は製品に同梱されているネジだけを使っているかぎり問題ないという。しかし不正なネジを使用するとドアベルのバッテリーが傷つき、上述の問題が発生し、ユーザーが怪我をしたり所有物の破損を起すこともありえる。

「顧客の安全が弊社の最上位のプライオリティである。この問題についてはCPSCとの協力して対処を続けている。また第二世代Ring Video Doorbellを購入した顧客にはユーザーマニュアルのアップデート版を確実にお送りし、その中のデバイス据え付けインストラクションに従うようお願いしている。顧客がご自身のデバイスを返品する必要はない」と広報担当者はTechCrunchに次のように述べている 。

CPSCのサイトは被害機の詳細を列挙し、Amazon(アマゾン)が自発的にリコールを行っている、と述べている。「消費者はリコールされたビデオドアベルの取り付けをただちにやめて、Ringにコンタクトし、改訂後の正しい取り付けインストラクションを入手すべきである」とCPSCの説明している。

2018年にRingを買収して以降、同ブランドはプライバシーとセキュリティ両方の懸念で物議を醸してきた。同社は2020年9月は、このデバイスで撮影した動画にエンド・ツー・エンドの暗号化を加えると約束した。

関連記事:防犯カメラのRingがビデオのエンドツーエンド暗号化を今年中に導入

カテゴリー:ハードウェア
タグ:RingリコールAmazon

画像クレジット: Ring

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa