Apple、全世界の施設で100%クリーンエネルギー化を完了

先週Appleは、オバマ政権時代のクリーンパワー計画に対する環境保護庁の撤廃案に反意を表明した。同社は計画の撤廃が環境に影響を与えることが明白であるだけでなく、経済にも悪影響も与えることを指摘している。

実際、Appleは後者に関連して多大な投資をしてきた。本日(米国時間4/9)Appleは、同社の全世界の施設が100%再生可能エネルギーで賄われていることを発表した。

この展開はAppleが2015年に発表した100%再生可能エネルギー化に向けた計画の一環だ。当初は2014年時点のAppleの全データセンターが対象だった。現在は同社の小売店舗、事務所、および共同設置施設も対象に追加され、米国、中国、英国、インドを始めとする43カ国に渡る。

製造パートナー7社が加わったことで、計23社のサプライヤーが自社製品をすべてクリーンエネルギーで作ることを約束している。関連各社が目標を達成するまでの道は当然ながら簡単なことではない。

「われわれはソーラー発電、風力発電、バイオガス燃料電池、小水力発電などの再生可能エネルギー設備を自社設立することで、可能な限り再生可能エネルギーを自給している」とAppleは2017年環境責任報告書に書いている。「自身での発電が困難な場合、再生可能エネルギー購入の長期契約を結び、当社の厳格な再生可能エネルギー調達方針に沿った新規の地域プロジェクトを支援している」

Appleの再生可能エネルギー推進の動きには創造的なソリューションもあり、日本に300箇所、シンガポールに800箇所の屋上ソーラー発電を展開している。同社によると、現在世界で25の再生可能エネルギープロジェクトが進行中で、さらに15プロジェクトが準備中だ。そうなれば現在626メガワットのグリーンエネルギー能力が1.4ギガワットへと倍増する。また一部のライバル他社と異なり、集計にカーボンオフセット(排出権購入)は含まれていないようだ

クリーンパワー計画の撤廃が同社の収支に悪影響を与えることは容易に想像できる。

「われわれは人類が地球を発見したときよりもよい状態で次世代に渡すことに全力を尽くしている。何年にもわたる努力の結果、この意義深い目標を到達できたことを誇りに思う」とTim Cookが本件に関するリリースで言った。「当社製品に使われている材料、リサイクルの方法、当社の施設、および当社のサプライヤーとの協力によってできることを限界まで追求し、新しい創造的で先進的な再生エネルギー源を確立していくつもりだ。なぜなら未来はそれにかかっているとわかっているからだ。」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Smart Garden 9は、室内でハーブや野菜を作れる自給式キッチンガーデン

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本誌がClick & Growを最後に取材した時、この会社は室内ガーデニング用の大きな壁掛けガーデンを販売していた。 同社の新製品Smart Garden 9は、果物や野菜、ハーブ等を育てるための自給式栽培キットで、現在Kickstarterで129ドルから支援者を募集している。

しくみは実に簡単。タンクに水を入れ、土と肥料と種を入れた鉢を置いてスイッチを入れる。LEDが自動的に点灯するので、あとは植物が伸びてきたらライトを上にずらすだけ。入門レベルは全部がレタスだが、種のない鉢もあるので好きな植物を育てられる。

このキットで同時に7種類の植物を育てることが可能で、必要に応じて自動的に水が与えられる。

Click&Growのファウンダー、Mattial Leppはオーケストラ指揮者からITの世界に入った。エストニアで最初に作ったIT会社がTeliaに買収された後、長年の趣味だった植物栽培へと転身した。

「現在30万人以上のアクティブユーザーがいます」とLeppは言う。「いちばん数が多いのは当社の第2世代製品になるSmart Herb Gardenのユーザーですが、一般向けの大型ウォールファーム(壁掛け栽培)にもかなり引き合いがあります」。

「Smart Garden 9は、当社のユーザー調査から生まれました」とLeppは話す。「80%以上が、以前の製品より大きなガーデンが欲しいという意見でした。大型の9穴タイプは、前回のKickstarterプロジェクトで支援してくれた人たちの要望でした。そこでお客さんの欲しいものを作るべく、いくつか重要な改良を加えて新しいガーデン製品にしました。LEDライトには高級なものを使い、植物が光合成を行うのに最適なスペクトルを出すようにした上で、レンズの焦点を調整してLEDの光害を大幅に減らしました。」

同社はJaan TallinnとRuchi Sanghviらの投資家から410万ドルを調達している。さらに政府からもスマート栽培製品を作るための資金提供を受けた。Smart Garden 9は来年7月に出荷予定だが、初期バージョンを見たところ、Appleがちっちゃなトウガラシを大好きならこう作るだろう、という外観だった。私は承認。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

東京発のHotaruは5ガロンの同じ水を2週間使える超節水型移動式シャワー

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今年のSXSWは、持続可能性がトレンドで、そっち方面のスタートアップが数社登場していた。そのひとつ、Hotaruは、水を再利用する可搬式(移動式)のシャワーだ。

この東京の若きスタートアップは、Taizo Sonからエンジェル資金をもらっている(金額は非公開)。同社の折りたたみ式シャワーは複数の水タンクを使って、水を貯えたり浄化したりする。CEOで協同ファウンダーのRiki Kitagawaと協同ファウンダーのRyo Yamadaによると、シャワーに使用した水の95〜98%を回収、再利用できる、という。

使用時の貯水容量は5ガロン。協同ファウンダーたちによると、三人家族が毎日この5ガロンの同じ水を使って各5分間シャワーを浴び、それを最大2週間繰り返すことができる。

シャワーの設置場所は、どこでもよい。水源は必要だが、RikiとRyoによると、電源は車を利用できる(水は冷水のまま)。温水を使いたければ、発電機またはAC電源が必要だ。

Hotaruの基本的な製品コンセプトは、“水の自由(water freedom)”だ。水道などのないところでも生活できる、というこの自由は、水の扱い方を個人化することによって実現している。

心にすぐ浮かぶのは、アウトドアや軍用、旅行用など(飛行機の機内にもっとシャワーを!?)の用途だが、節水という機能に着目すると、ふつうの住居でも十分に利用価値はある。

水の浄化については彼らも最初から十分注意しており、各種のセンサーが水の浄化レベルをつねにチェックして、不浄のレベルに達したらユーザーに警報する。

チームは展示会場のフロアで実際にシャワーを浴びてデモをし、見る人たちの笑いを誘っていた。ただし、すっ裸ではない(上図)。

発売予定は2017年、予価3000ドルなり、だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

TrashBotは、ゴミを食べて分別するロボット

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ロボットにはワクワク感が必要だ。なければ暴力を誘発する。常識。単純な常識だ。しかしロボットにはゴミも必要だ。だからTrashbotがこんなにクールなのだ。このロボティックゴミ箱は、あらゆるゴミを自動的に分別し、金属はこちらの缶に、リサイクルできないものはあちらへと投げ入れる。プロジェクトはまだ初期段階にあるが、驚くほどクールで賢い。

ペンシルベニア州ピッツバーグで、Vaish Krishnamurtyとカーネギーメロン大学教授のKoushil Sreenathが作ったTrashbotは、基本的に連続する斜面で作られている。金属等の物質が感知板に触れると傾斜路を切り替え、ゴミを適切な容器に送り込む。チームはスタートアップアクセラレーターのHAXに所属しており、10万ドルを調達して非常にシンプルな ― しかし機能的な ― プロトタイプを作った。

「プロジェクトのアイデアは、リサイクルのルール自体が引き起こした混乱がきっかけだった。誰の目にも明らかな物(プラスチックボトル、ガラス瓶、ダンボール等)以外、殆どの人は何がリサイクル可能かを正しく理解していない。私自身、「ルール」にはいつも疑問を感じていて、例えばシリアルの箱の中のビニール袋がリサイクル可能かどうかわからないし、これは私だけではないはずだ」とKrishnamurthyは言った。「この混乱のおかげで、善良なリサイクル意識の高い市民が、疑わしい物を大量にリサイクルに出して、自分は正しいことをしていると思っている」。

こうした混乱がリサイクルシステムを損い、分別の質を低下させてリサイクルセンターをゴミの山にする。このロボットは時間と共に学習し、食品グレードのダンボールとAmazonの箱を区別するようになる。

Unlimited use granted to Innovation Works and the companies that they represent and affiliates.

要するにこのチームの作っているロボットは、ピザボックスをリサイクルすべきか捨てるべきか、ピザ自体が消費されてから何日もたった後に紙からはがしたチーズを食べるべきかどうかを教えてくれる。

「プロジェクトを進めていく中で、人力による訓練とデータ蓄積を組み合わせて、TrashBotの精度と効率を高め続けていくつもりだ」とKrishnamurthyは言った。「一つ確かなのは ― 現在人間が達成している20~35%のリサイクル率より悪くなることはないこと。それがわれわれのプロジェクトに大きな期待が寄せられている主な理由だ」

いずれ、ロボットがゴミを処理して自分の食料にする時が来るかもしれない。彼らが人間を食べないことを促す一つの可能性だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook