Appleは、中国における売上不振対策として、Alibabaとの協力のもとに、見込み客に無利子の融資を提供しようとしている。
Appleの中国のWebサイトは今、iPhoneのための融資パッケージを提供しており、その中には銀行数社およびAlibabaのフィンテック部門Ant Financialが運営している消費者クレジットHuabeiとの提携による、利率0%のパッケージがある。Reutersがそれを最初に報じた。
その詳細は、Reutersの記事によるとこうだ:
Appleは同社の中国のWebサイトで新しい支払い方式を宣伝している。それによると、iPhone XRに関しては毎月271人民元(40.31ドル)、iPhone XSでは毎月362人民元を払う。有利息の古い方式で支払っている顧客は、より安い分割支払いに乗り換えることができる。
総額4000人民元〔約66000円〕以上の製品をAppleから購入するユーザーは、3か月、6か月、9か月。12か月、または24か月の無利子分割払いを利用できる。
また、XiaomiやHuaweiなど他社製品の下取りも行なう。
Appleは数週間前に、近く発表される第一四半期決算報告のガイダンスで、売上の減少を予告した。それによると売上予測は890-930億ドルから840億ドルに落ち、その原因は“予期せぬ経済の減速、とくに中国本土における”、とされた。
魅力的なパッケージの提供は一部の消費者をiPhoneを買う気にさせるかもしれないが、でも、ずっと尾を引いている感覚は、iPhoneの現在のデザインが中国の消費者にとって魅力的でないことだ。ふつうならニューモデルで売上は上がるはずだが、現在のiPhone XR、XS、そしてXS Maxは、1年前のiPhone Xにそっくりだ。
新製品発売の第一四半期には中国でも売上は伸びたが、ローンチ後の第二四半期には、その勢いも消えた。
Appleはインドでも、同じ融資方式を採るのだろうか。The Wall Street Journalによると、インドでは2018年に売上が40%落ちた。インドでのAppleのマーケットシェアは元々大きくないが、それがこの年には2%から1%へと下がった。
インドの消費者にとっても融資は重要だが、ここの市場はXiaomiやOnePlusなどの中国製低価格機が支配している。お値段が上位Androidフォーンの何倍もするiPhoneがインドで売れるためには、柔軟な融資制度に頼るしかないだろう。
しかし中国はこれまでの長年、Appleの売上を支える主力市場だった。利息ゼロの分割ローンも、ここで最初に打ち出すのが当然なのだ。