EstimoteがiBeaconを利用して屋内ロケーション機能をアプリに簡単に組み込めるキットをローンチ

EstimoteはAppleのiBeaconテクノロジーに基づいたロケーション・ハードウェアとソフトウェア・プラットフォームを開発しているスタートアップだが、このほど屋内ロケーション機能をiOSとAndroidアプリに簡単に組み込めるデベロッパー向けキットを発表した。このIndoor Locationシステムは同社の既存のビーコン・ハードウェアと新しいモバイルアプリを利用している。デモ・ビデオにあるようにセットアップはごくシンプルで、位置情報の基準点を設けるために4個のビーコン・デバイスを壁に貼り付けるだけでよい。

Indoor Locationを利用するデベロッパーは、 部屋の入り口の直近に1個、つづいて最低3個のビーコンを壁に取り付け、それぞれのビーコンにiOSデバイスをかざして位置を読み取る。取り付ける順序はEstimoteのアプリが指示する。ビーコン位置の読み取りとカリブレーションは数分で終了する。Estimoteアプリは高度な数学的処理によって部屋のデジタルマップを作成し、コード・スニペットを出力する。デベロッパーはこのスニペットをさまざまなアプリにコピー・ペーストするだけでロケーション機能を持たせることができる。たとえば美術展の解説アプリを開発している場合、Estimote Indoor Location開発キットを利用すれば、入場者1人1人の正確な位置を把握して展示品に対応する解説を提供したり、順路を案内したりするアプリが作成できる。

Estimoteはこれまで近接認識ゲートウェイ機能を提供してきた。これは壁などに設置されたビーコンがユーザーの接近を認識してなんらかのアクションをスタートさせるというものだった。ただしこのゲートウェイ機能ではユーザーとのおおまかな距離はわかるものの、位置についての情報は得られなかった。今回のIndoor Location機能はまさにこの情報を提供する。

一般ユーザーに対して位置に応じた屋内ガイダンス・サービスを提供する他に、Estimoteのロケーション機能は、たとえばスーパーマーケットで店内の顧客の行動を正確に追跡する能力も与える。ガイダンス・サービスと組みわせて顧客の動線の追跡を行えばビジネス側は非常に有益な情報を得られるだろう。またその情報の分析をベースにして顧客に対してより適切なサービスを提供することもできるはずだ。

ローンチ・パートナーにはCiscoその他のビッグネームの名前も見える。Estimoteはビーコン・ハードウェアとソフトウェア・プラットフォームのデファクト標準の地位を狙っているが、今回の屋内ロケーション機能の追加はそれに向けてさらに一歩を勧めたことになる。

〔日本版:iBeaconはiPhone 4S以降、iPad第3世代以降、iPad mini、Android 4.3以降でサポートされている。EstimoteのアプリはiOS版とAndroid版が用意されている。〕

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+